第105話:魔力解放の衝撃
巨大化し続けるローラの咆哮が講堂を震わせる中、
クラリッサが剣を構え、アメリアへ叫んだ。
「アメリア! 投げて!」
「よし、来い!」
アメリアがクラリッサの腕を掴み、
しなやかな動きでバックスの方へ向かって投げ飛ばす。
クラリッサは空中で体勢を整え、剣を振りかざした──が。
「……だめ! 剣技が出ない!」
魔力が乱れ、技の構築ができない。
クラリッサの顔が焦りで歪む。
その瞬間、エレンが叫んだ。
「クラリッサさん! 受け取って!」
エレンの手のひらから、緑色の巨大な魔力塊が放たれた。
それは弾丸のようにクラリッサへ直撃する。
「っ……!」
衝撃がクラリッサの全身を駆け抜けた。
次の瞬間、彼女の魔力が一気に跳ね上がる。
(……なにこれ……バフ……?
頭が冴える……身体が軽い……
これ……マジックハイ……!)
クラリッサの瞳が鋭く光る。
「魔斬ッ!!」
剣が緑の軌跡を描き、
バックスを拘束していた黒い触手を一気に切り裂いた。
「ぐっ……助かった……!」
バックスが解放され、床に崩れ落ちる。
エレンはすぐにアメリアへ振り返った。
「アメリアさん! 僕を投げて!」
「了解!」
アメリアはエレンの身体を抱え上げ、
まるで槍を投げるようにバックスへ向かって放り投げた。
エレンは空中で魔力を集中させ、
バックスへ一直線に飛んでいく。
バックスはその姿を見て、目を見開いた。
「エレン……来るのか……!」
講堂の空気が一気に張り詰め、
次の瞬間、二人の魔力が交わろうとしていた。




