第103話 ローラ形態変化
黒い衝撃波が、獣の咆哮のような音を立ててアメリアへ迫ってきた。
「……くそっ!」
アメリアは咄嗟に腕をクロスさせて防御の構えを取る。
その瞬間、彼女の腕が赤く光り、まるで竜の鱗のような紋様が浮かび上がった。
次の瞬間、鱗の盾が形を成し、黒い衝撃波を弾き返す。
跳ね返った衝撃波はそのままローラへ直撃し、彼女の身体を吹き飛ばした。
「ぐぁぁぁっ!」
ローラが床を転がり、苦しげに身をよじる。
アメリアは自分の腕を見下ろし、息を呑んだ。
「……なにこれ……ドラゴン……ガード? そんな感じ……?」
マリアンヌの顔が怒りで歪む。
「……くっ……ガキが……!」
彼女はローラへ向けて手をかざし、濃い魔気を送り込んだ。
ローラの身体が痙攣し、苦しげに震え始める。
そのとき、背後から弱々しい声が聞こえた。
「……うう……頭が痛い……」
クラリッサが額を押さえながら目を開けていた。
「クラリッサ! 気がついたの!?」
続いてエレンも膝をつきながら顔を上げる。
「……気持ち悪い……」
アメリアは二人に駆け寄った。
「二人とも! 大丈夫!?」
クラリッサはふらつきながら立ち上がり、周囲を見渡した。
「なんか……いろいろあったみたいね……」
エレンもゆっくりと立ち上がり、拳を握る。
「寝てる場合じゃないですね……」
その間にも、ローラの痙攣は激しさを増し、
彼女の身体は少しずつ、確実に“膨れ上がって”いった。
まるで別の何かに変わろうとしているかのように。
アメリアは息を呑む。
「……ローラが……変わっていく……!」
講堂の空気が再び張り詰め、
新たな脅威が姿を現そうとしていた。




