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第102話 アメリア対マリアンヌ
壇上で苦しむバックスに向かってアメリアが叫んだ声が、講堂の空気を震わせた。
その声に、マリアンヌがゆっくりと振り返る。
彼女の瞳が細くなる。
「……なに? あんた、選ばれし賢人じゃないわね」
アメリアは一歩前に踏み出し、怒りを隠そうともしなかった。
「うるさい! バックスを返しなさい!」
マリアンヌは鼻で笑い、バックスを指さす。
「小娘が……この子はバ……なんとかじゃないわよ。私のコバックちゃんなんだから」
「うるさいって言ってるでしょ、ババア!」
その瞬間、講堂の空気が凍りついた。
マリアンヌの頬がぴくりと引きつる。
「……バ……ババア……?」
ローラが青ざめる。
「ローラ。殺りなさい」
「はい、教祖様!」
ローラの額が光り、皮膚の下から魔石が浮かび上がる。
次の瞬間、彼女の身体がふわりと宙に浮き、両手が黒い光に包まれた。
「……死ねぇぇぇ!!」
黒い衝撃波がアメリアへ向かって放たれる。
アメリアは構えを取り、歯を食いしばった。
「来なさいよ……洗脳バカ!」
講堂の空気が一気に張り詰め、
アメリアとローラの魔力がぶつかり合う寸前だった。




