第100話:儀式の幕開け
講堂に響くマリアンヌの声は、甘く、しかし底知れない力を帯びていた。
マリアンヌ「ローラ、今回の“選ばれし賢人”を」
ローラ「はい」
壇上に、五人の男女が静かに上がってくる。
信者たちは息を呑み、講堂は不気味な静寂に包まれた。
ローラが一人ずつ額に手をかざすと、
魔石が淡く光り、皮膚に吸い込まれるように埋め込まれていく。
五人は苦しむ様子もなく、むしろ活力を取り戻したように背筋を伸ばした。
アメリア(……やっぱり魔石で強化してる……)
クラリッサ(魔力の流れが異常……)
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■ メインイベント
マリアンヌは満足げに手を叩いた。
マリアンヌ「……では、メインイベントよ♡」
ローラ「はい」
ローラが信者たちに向かって両手を広げる。
ローラ「さあ皆さん、“愛の言霊”を!」
信者たちの目が一斉に濁った光を帯び、
口々に呪文のような言葉を唱え始める。
その瞬間──
バックスの足元から黒い霧が立ち上り、
触手のように伸びて彼の身体を絡め取った。
バックス「ぐっ……あぁぁ……!」
アメリア「バックスやばくない!?」
クラリッサ「すごい魔力量……この規模は初めて見る……!」
エレン「どうしますか……!」
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■ 紫の闇
信者たちの呪文が高まると同時に、
講堂全体が紫色の闇に包まれていく。
クラリッサ「……くっ! なにこれ……魔力が……!」
エレン「……身体が……引っ張られる……!」
アメリア「ちょっと! みんなどうしたの!!」
次の瞬間──
クラリッサとエレンの目の色が、信者たちと同じ紫に染まった。
アメリア「クラリッサ! エレン!!」
壇上では、
バックスが黒い触手に絡め取られ、
必死に抵抗しながらも力を奪われていく。
バックス「……くそっ……やめろ……!」
マリアンヌは恍惚とした笑みを浮かべた。
マリアンヌ「さあ……“祝福の器”よ。
あなたのすべてを私に捧げなさい♡」




