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婚約破棄された令嬢、辺境でドラゴンを育てる  作者: 木挽
アメリア・エルミナール

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202/231

第100話:儀式の幕開け



講堂に響くマリアンヌの声は、甘く、しかし底知れない力を帯びていた。


マリアンヌ「ローラ、今回の“選ばれし賢人”を」


ローラ「はい」


壇上に、五人の男女が静かに上がってくる。

信者たちは息を呑み、講堂は不気味な静寂に包まれた。


ローラが一人ずつ額に手をかざすと、

魔石が淡く光り、皮膚に吸い込まれるように埋め込まれていく。


五人は苦しむ様子もなく、むしろ活力を取り戻したように背筋を伸ばした。


アメリア(……やっぱり魔石で強化してる……)


クラリッサ(魔力の流れが異常……)


---


■ メインイベント


マリアンヌは満足げに手を叩いた。


マリアンヌ「……では、メインイベントよ♡」


ローラ「はい」


ローラが信者たちに向かって両手を広げる。


ローラ「さあ皆さん、“愛の言霊”を!」


信者たちの目が一斉に濁った光を帯び、

口々に呪文のような言葉を唱え始める。


その瞬間──


バックスの足元から黒い霧が立ち上り、

触手のように伸びて彼の身体を絡め取った。


バックス「ぐっ……あぁぁ……!」


アメリア「バックスやばくない!?」


クラリッサ「すごい魔力量……この規模は初めて見る……!」


エレン「どうしますか……!」


---


■ 紫の闇


信者たちの呪文が高まると同時に、

講堂全体が紫色の闇に包まれていく。


クラリッサ「……くっ! なにこれ……魔力が……!」


エレン「……身体が……引っ張られる……!」


アメリア「ちょっと! みんなどうしたの!!」


次の瞬間──

クラリッサとエレンの目の色が、信者たちと同じ紫に染まった。


アメリア「クラリッサ! エレン!!」


壇上では、

バックスが黒い触手に絡め取られ、

必死に抵抗しながらも力を奪われていく。


バックス「……くそっ……やめろ……!」


マリアンヌは恍惚とした笑みを浮かべた。


マリアンヌ「さあ……“祝福の器”よ。

あなたのすべてを私に捧げなさい♡」


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