↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/89

第5話「転生先は森の中」


──転生管理局。


「行っちゃった……。流石に、マズイよねー」


 アルミシアは、頭をポリポリと掻きながらモニターを眺める。


「アルミシア、何を見てるの?」


 モニターを見つめるアルミシアに、もう一人の女神が近寄っていく。


「あっ、ソフィア……それがね、キャンペーンで転生したユージ君が旅立ったんだけど……」


「あぁ、二百億人記念の。何がそんなに不安なの? だって、勿体ないくらいの特典じゃない」


「それが……ね。このステータスを見てみて」


 アルミシアはモニターを操作しステータス画面をソフィアに見せる。


「あらら、可哀想に。彼、死んだわね」


「だよねー……」


「それで? 転生先はどこなの?」


「魔物も少ない田舎の村にしたから、すぐにどうにかはなんないと思うんだけど……」


「──あら? ここ、村無いわよ?」


「えっ?」


 ソフィアは転生先に指定されたカーソルを指差す。


「そこは、村からちょっと離れた森じゃない。

 村の場所は、ここ」


「……あちゃー」


「その森の名前ってたしか……」


「えっとー、ジャイアントボアの巣、だね」


「……ご愁傷様」



◆



──ジャイアントボアの巣。


 アルミシアの所に行った時と同じ光に包まれながら、俺は転生先の惑星フォーズに降り立つ。


 ここが、惑星フォーズ……。


 で、何で森の中なんだ? 普通ゲームでも最初の村とかお城スタートだろ。

 しかも赤ちゃんじゃなくて、普通に成人男性かよ。


「……鏡が欲しいな。見た目は変わってるのか?」


 こんな森に放り出されても、俺はどうしたらいいんだ? とりあえず、街を探すしかないな。

 そうだ、結局ステータスはどうなったんだ?


「たしか、ステータスは見れるんだよな?」


 俺の言葉に反応したのか、目の前にステータス画面が現れた。薄っすらと後ろの背景が透けている。


「ははっ、本当に運以外オール1だ。詰んだな」


 ステータス画面を見ながら、感傷に浸っていると、画面の向こう、背景になにやら影が見える。


「んっ? なんだ? てかこれはどうやって閉じるんだ?」


 閉じられない画面の横からひょいっと顔を出すと、見たこともない巨大な猪がいた。


 ──あ、終わったわこれ。


「グルルルル、ブシュー、ブシュー……」


 ザッ、ザッ、ザッ。


 猪は恐ろしい呼吸音とともに、前脚で地面を掻いている。

 落ち着け、こういう時は目を逸らしたり逃げたら反射的に追いかけてくる。

 目線を切らずに、ゆっくり、後ろへ下がるんだ。


「クソッ、ステータス画面が邪魔だな。消えろよ」


 またしても、声に反応したのか、画面はフッと消えてくれた。これで良く見える。

 むしろ、対峙することで恐怖感が強まっていく。一気に、現実に戻された気分だ。


「ゆっくり、ゆっくり……」


 すると、突然猪は俺目掛けて突進を開始。

 あれ? これは熊用の対応だったか?

 そんな考えが頭を巡るよりも先に、俺は叫んでいた。


「うぎゃあぁぁぁー!」



◆



──三十分後。ジャイアントボアの巣。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」


 俺は、まだその場から腰を上げられずにいた。恐怖で身体が動かない。

 倒したのか? いや、実際はコイツが勝手に転んで死んでっただけだ。


 まだ、猪はピクピクしている。立ち上がることが出来ない俺は、四つん這いで近付いていく。


「き、急に起きたりしないよな?」


 猪の額に刺さった太い木の枝を力一杯引く。筋力たったの1しかない腕がプルプルと震えている。

 足で頭を押さえて、歯を食いしばり目一杯引くと、なんとか枝が抜け、勢いで後ろへ転がった。


 ブシャアァァッ──。


 猪の額から大量に血が吹き出し、息絶えた。

 ようやく、恐怖から解放され肩を落とす。


「はぁ、助かったー」


 ピロン──。


 謎の音とともに、身体がほんの少し軽くなった気がした。まさか……。


「レベルアップか? ステータス画面ー、出てこーい」


 呼びかけに反応して出てきた画面を見ると、レベルが3になっていた。一気に2も上がるのか、これはありがたいな。


「どれどれ……」


 筋力 3

 敏捷 3

 耐久 3

 魔力 3

 器用 3

 運 2250


 運の数値がおかしなことになった。ただ、その他は壊滅的だな。

 3って、下手したら小学生にも負けるんじゃないか?


「でも、最初に比べたら成長してるか」


 拳を握り、ほんの少しの成長を確かめる。魔力もあるから、魔法なんて使えたり出来るといいな。


「おい! そこで何をしている!」


 背後から大声で呼ばれて振り返ると、見るからに屈強そうな、鎧を身にまとった戦士が現れた。

 腰には、剣を帯刀している。


 あれ? もう詰んだ?




 次話へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。