表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
館護戦線  作者:
館護戦線
7/76

懐かしい面影

前回後書きであんなこと言いましたが

バカトリオが爆誕しました

数分後


來菟「いや〜しかし爆発いいな!男のロマンだよな!」


シロクラ「だろ!?お前分かってんじゃん!」


來菟「俺もなんかド派手な能力欲しかったわ〜キラキラビームとか!」


シロクラ「似合わねぇ〜!絶対似合わねぇ〜!」


來菟「はぁ!?この顔面なら何でも似合うが!?」


ぎゃーぎゃーとほんと小学生男子。

その時ガサッ…と背後の茂みが揺れる。


シロクラ「ん?」


來菟「猫?」


一瞬の静寂。そして。

───どんっ!!!

いきなり後ろからがばぁぁぁっ!!


シロクラ「うあああああ!?!?誰ぇ!?」


首に腕が回る。完全に不意打ち。


來菟「元気じゃーん誰ぇ!?!?」


??「わっははぁーーーい!!」


テンション高すぎる声。


??「つーかまえまーしたぁーーー!!」


シロクラ「重っ!?誰だって!?」


蒼柄「自分は蒼柄ですぅ〜!!」


ひょこっと顔が横から出る。にっこにこ。満点笑顔。やたら距離近い。


來菟「初対面でタックルしてくるタイプ!?」


昼下がりの中庭。洗濯物が揺れて、芝生がきらきら光ってて。


そして、ボンッ!!!と小規模爆発。土煙もくもく。


レイズ「だから庭でやるなって言ってんだろーーー!!!」


シロクラ「大丈夫大丈夫!半径50センチしか吹っ飛んでない!」


來菟「それ十分危険だろ!?」


なのに來菟めちゃくちゃ楽しそう。


來菟「いやでも今のエフェクトかっけぇな!?もう一回!もう一回!」


シロクラ「だろ!?爆発は芸術なんだって!」


レイズ「芸術で庭削るな!!」


ぎゃーぎゃーと男子小学生のノリそのまんま


來菟「なぁシロクラ!」


シロクラ「んー?」


來菟「もっとド派手なのいけんの!?」


シロクラ「いけるけどハウルさんに怒られるやつ」


來菟「やろうぜ!!!」


レイズ「やめろバカコンビ!!!」


蒼柄「わぁぁ〜楽しみですぅ〜!!!」


数秒後。ドカンッ!!!


蒼柄「わぁぁぁぁーーー!!!すっっっごぉぉーーーい!!!」


拍手。全力拍手。それすらうるさい。


蒼柄「今の最高でしたぁ!!もう一回いけますぅ!?」


シロクラ「ノリいいな蒼柄!気に入った!」


來菟「こいつノリ神だな!?」


レイズ「地獄が増殖してる……」


頭抱える。騒ぎ声はどんどん大きくなる。館の窓からソラが顔を出す。


ソラ「あれ、人数増えてません?」


ルガ「…増えてますね、最悪だ」


中庭には爆発魔 × ナルシスト × テンションおばけ。


最悪の3人…バカトリオ爆誕。

でも笑い声はやたら楽しそうで。館はまた少しだけ賑やかになった。


そして…ボンッ!!!


蒼柄「わぁぁぁーーー!!!すごぉぉーーーい!!!」


シロクラ「だろ!?今の角度完璧だったろ!?」


來菟「芸術点120点!!」


レイズ「だから庭を削るなってぇぇぇ!!」


中庭は今日いちばんの騒ぎ。爆発の煙と笑い声。

わーわー騒ぐ男子三人。


蒼柄はというと、子犬みたいにぴょこぴょこ跳ねている。


蒼柄「もう一回見たいですぅ!」


蒼柄「次はもっと大きいのいけますぅ!?」


蒼柄「自分を吹っ飛ばして欲しいですぅ!!」


蒼柄「次あそこら辺!!!」


シロクラ「お前ほんと好きだな爆発」


來菟「気が合うなブラザー!」


ハイタッチのぱぁんと乾いた音。そこへ館の扉が開く。


エイル「…何の音かと思ったら」


少し呆れた、でも優しい声。


ハウル「おーいお前らー、庭穴だらけにすんなよー?」


レイズ「父さんからも言ってやってくれ!!」


シロクラ「不可抗力ですってー!」


來菟「芸術です!」


蒼柄「感動でしたぁ!」


ハウル「誰だ今の新キャラ」


蒼柄、ぴしっと背筋を伸ばして。


蒼柄「はじめましてー!さっき来ましたァ!自分蒼柄と言いますぅ!」


ハウル「おー、蒼柄か!元気だなぁ!」


蒼柄「はいぃ!めちゃくちゃ元気ですぅ!」


太陽みたいな笑顔。屈託ゼロ。疑いゼロ。ただただまっすぐ。

その時、エイルの足がふと止まった。


エイル「……」


視線が蒼柄に吸い寄せられる。


蒼柄「?」


きょとん。エイルはゆっくり近づいてくる。蒼柄の前にすっと立って、じっ……と、顔を見る。


蒼柄「……?」


シロクラ「え、なに?」


來菟「なんか始まった?」


レイズ「母さん?」


エイルは無意識みたいに。そっと両手を伸ばして、蒼柄のほっぺたに触れた。やわらかく包むみたいに。


蒼柄「? なんですかぁ?」


にこにこしたまま。されるがまま。エイルは、近くでじっと見る。


目。輪郭。髪。表情。服装。なにかを確かめるみたいに。

胸の奥がざわっとする。


(……似てる……?)


(違う……でも……)


(…この、感じ……)


言葉にならない。ただ、懐かしいような。苦しいような。どうしようもない感覚。


ハウル「……エイル?」


その声ではっとして手を離す。


エイル「……あ」


一歩下がる。


エイル「い、いえ…なんでもないの……貴方、お名前は、?」


蒼柄「蒼柄ですぅー!」


エイルはハッとした表情で


エイル「下の名前は?」


蒼柄「ありません!ここに存在した時からぁ!」


エイル「…………そ、そう!ごめんね」


いつもの微笑み。でもほんの少しだけ指先が震えていた。


蒼柄「?」


蒼柄は自分のほっぺをぺたぺた触りながら


蒼柄「自分になんかついてましたぁ?」


ハウル「はは、いや。うちの妻たまにこうなるんだ。気にすんな」


蒼柄「そうなんですかぁ〜!」


あっさり笑う。何も知らない顔でシロクラの方に走っていく。


蒼柄「爆発第2ラウンドいきますぅー!」


シロクラ「待て待て近い近い!」


來菟「俺も混ぜろー!」


また騒ぎが再開する。いつもの館の音。

その中でエイルだけが少し遠くを見る。


胸の奥をそっと押さえて小さく呟いた。


エイル「……変ね……」


(……どうして、あんなに……)


懐かしいのかしら。


言葉は最後まで形にならなかった。


中庭の騒ぎ声が遠くでまだ続いている。

ボンッ!


シロクラ「うおーー!!」


レイズ「だからやめろってぇぇ!」


子どもみたいな笑い声。エイルは廊下の窓辺に立って、ぼんやり眺めていた。


手袋越しの手はまだ少しだけ冷たい。さっき触れた感触が指先に残っている気がする


やわらかい頬にあたたかい体温、生きている温度。


エイル「……」


自分でも理由が分からない胸騒ぎ。


後ろから足音。ルガが隣に並び、同じ景色を見ながらぽつりと


ルガ「……母さん」


エイル「見てたのね…ルガ」


ルガ「うん。で、どうしたの」


気軽な声。問い詰めるでもなくただ聞くだけの声。エイルは少し黙ってから


エイル「…昔あった子に……」


言葉を探すみたいに、ゆっくり。


エイル「似てたの」


ルガ「……」


エイル「顔立ちとか、雰囲気とか、上手く言えないけど……ふと、ね」


風がカーテンを揺らす。

遠くでまた爆発音。


ルガ「似てた?」


エイル「えぇ」


ほんの少しだけ声が揺れる。


エイル「名前も…同じだった」


ルガ「え、じゃあ確定じゃないの?」


冗談半分みたいに言う。でもエイルは首を振ってゆっくり


エイル「……でも、欠けてたの」


ルガ「欠けてた?」


エイル「姿…というか、年齢自体違ってた。それに、あんな子ではなかったの」


もっと静かで、もっと暗くて、もっと、「暗闇の子」だった

そう言いかけて飲み込む。


エイル「……あんな風に、無邪気に笑う子じゃ、なかった」


胸がきゅっとする。もし…もし本当にあの子だったら、あんなふうに笑える人生を歩めたんだろうか。


それとも名前が一緒なだけの全然違う誰かなんだろうか


……分からない。分からないから余計に苦しい。


ルガは少しだけ黙って、それからぽんっと昔から変わらない調子でエイルの背中に手を置いた。


ルガ「……そっか」


たった一言。慰めでも励ましでもなく。ただ、受け止める声。


ルガ「ま、違うなら違うでいいし」


エイル「……」


ルガ「もし同じならそれはそれで、またご飯でも一緒に食べなよ」


エイル、思わず小さく笑う。


エイル「…貴方らしいわ」


ルガ「父さん言ってた。"ここ来たやつは全員、まとめて家族だ。昔も今も関係ねぇよ"って」


中庭を見る。笑ってる子どもたち。騒いでるシロクラ。爆発に興奮してる來菟。蒼柄が転びそうになってレイズに掴まれてる。


めちゃくちゃでも、あったかい。


ルガ「…もしさ、その子がほんとに生きてたなら」


ぽつり。


ルガ「…あんなふうに、笑っててほしいね」


エイル「…ええ」


小さく頷くと、指先の震えがやっと止まった


エイル「笑っててくれたら、それでいい」


それが本音だった。

母親のいちばんの願い。遠くで蒼柄の声。


蒼柄「うわぁぁぁまた爆発しましたぁぁーーー!!!」


シロクラ「だから近いって言ってんだろ!」


來菟「最高ぉぉーー!!」


館に笑い声が満ちる。エイルは目を細めて、ほんの少しだけ祈るみたいに。


(どこにいてもいい)


(生きていて)


(どうか、笑っていますように)


その願いがすぐ近くにいるなんてまだ知らないまま。

キャラが多すぎてごめんなさい

でもこのキャラいる?とかは思わないでくださると!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ