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館護戦線  作者:
綯緒の日記録
66/76

日記録_█日目

今日、歩いた。


どこへ向かっているのかは分からない。


足が勝手に前へ出ているだけだ。


あそこから歩いてからどれくらい経ったのかも曖昧になってきた。


空は晴れていた気がするし、雨だった気もする。


正直よく覚えていない。



________________



橋の下で夜を明かした。


川の音がうるさく眠れなかった


來菟なら魚でも捕まえようとして落ちていた気がする。


それを見ていたとしたら、多分呆れつつ世話を焼いた



________________



今日、途中で湖を見つけた。


顔を洗おうと思って覗き込んだら、自分でも驚くくらい酷い顔をしていた。


少し笑った。


笑えたことに驚いた。


腹は減っていた気がする。


何か食べた気もする。


味は覚えていない



________________



今日は妙に静かだった。


廃かけの道の途中で墓場を見つけた。

整備はされていなく、ほぼ植物に埋め尽くされていた


隣でうるさく喋る奴がいないだけで、こんなに違うらしい。


……変な話だ。


今まで散々騒がしいと思っていたのに

気づけば、その騒がしさを探している。


どこにもないなんてわかってるくせに。



________________



昨日は記録を書くのを忘れた


前に訪れた宿に来た


宿の主人に連れはどうしたと聞かれた


少し考えてから、「先に行った」と答えた。

間違いではないと思う。


俺の顔色を見て察したのか、宿の主人は少し気まずそうに部屋の鍵を渡してきた


困らせて申し訳ない。

俺は本当に情けない奴だ。


________________

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