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館護戦線  作者:
終幕のあとで
62/76

壊される側へ。

ララメとメアリー、そして蒼柄の三人は紙一重で攻撃を避け続けていた。


トゥトゥ「あ”ーーー!!! うざったい!!!」


叫び声と同時に、トゥトゥの周囲から黒紫の毒液が四方八方へ撃ち出される。


蒼柄「っ! 伏せて!!」


三人は即座に反応した。

ララメが身体を低く沈め、メアリーは滑り込むように回避する。


蒼柄も崩れかけた身体を無理やり倒し込みながら毒液を避けた。


その間にも銃声が響き腐敗弾が飛ぶ。


黒炎を纏った電撃斬撃が空気を裂く。


押され続けていたはずなのに、少しずつ流れが変わり始めていた。


ララメ「まさかだけど、行ける可能性大?!」


メアリー「油断は…できないですが!!」


トゥトゥは苛立った表情のまま毒液を撒き散らし続ける。


けれど蒼柄だけは黙っていた。


避けては踏み込む。崩れかけた身体を引きずりながら、ずっとトゥトゥの動きを見続けている。


そして攻撃を避けた直後、蒼柄が低い声で言った。


蒼柄「自分の合図と共に、攻撃を叩き込んでください!!!」


トゥトゥ「……ふん、私にも聞こえるし……馬鹿なんじゃないの!」


鼻で笑う。

それでも蒼柄は視線を逸らさない。


メアリー「了解なのです!」


ララメ「おっけー!」


二人が即答する。


蒼柄はすぐに合図を出さなかった。

ララメとメアリーも理由を聞かない。


ただ蒼柄を信じながら、三人で絶え間なく攻撃を繰り返していた。


踏み込んで避けては撃ち込む。


一瞬だけ距離を取って呼吸を整え、また次の瞬間にはトゥトゥへ飛び込んでいく。


トゥトゥ「あ”っ、もう!!しつこいってば!!!」


怒声と共に拳が振り抜かれる。


ララメが黒炎を纏った刀で受け流し、その隙へメアリーの腐敗弾が撃ち込まれる。


さらに蒼柄が死角から短刀を突き立てようと飛び込む。


連携は荒いけれど止まらない。誰も退かない。


トゥトゥも流石に表情へ苛立ちを滲ませ始めていた。





そして、その瞬間が来た。


蒼柄が近くに残っていた木を勢いよく蹴り上げる。


砕けた幹を足場にし、そのまま一気に空中へ飛び上がった。


トゥトゥ「……は?」


視線が上へ、ちょうど真上へ向く

蒼柄はトゥトゥを見下ろしながら、限界寸前の喉で叫んだ。


蒼柄「今です!!!」


その声が響いた瞬間、三方向から殺意が重なる。


トゥトゥは反射的に頭上の蒼柄へ拳を振り上げた。


けれどその隙を二人は逃さない。

ララメが黒炎と桃色の電光を纏った刀を振り抜く。


メアリーが腐敗を宿した弾丸を真正面から撃ち込む。


そこへ蒼柄自身も、纏ったバグごと落下するように突っ込んでいった。


宿された意思、背負った想い。三人分では終わらない力が、一斉にトゥトゥへ叩き込まれる。


トゥトゥ「!?」


左右から叩き込まれる。

メアリーの腐敗弾。ララメの黒炎を纏った斬撃。そして蒼柄自身が纏う崩壊寸前のバグ。


三方向から同時に押し潰され、トゥトゥの表情が初めて大きく歪んだ。


トゥトゥ「や”っ、やめっ”!!」


叫び声と共に、トゥトゥの周囲から猛毒が噴き出す。さらに身体強化まで重ね掛けし、無理やり押し返そうとしていた。


空気が震え、地面が砕ける。更地になった戦場へ亀裂が広がっていく。


それでも三人は止まらない。


メアリー「協力してください、先輩っ!!」


腐敗銃へ込められた意思がさらに強まる。


ヤグの面影を宿した瞳が、真っ直ぐトゥトゥを見据えていた。


ララメ「ゔっ……お願い……霣羅!!!」


黒炎が爆発的に膨れ上がる。

刀身へ絡みついた炎と電光が混ざり合い、凄まじい熱量を放っていた。


蒼柄「二人を……失わない為にっ!!!」


崩れかけた身体がさらにノイズを撒き散らす。


存在そのものを削るみたいに、蒼柄は最後の力を無理やり叩き込んだ。


その瞬間だった。


ララメ、メアリー、蒼柄、そして…霣羅とヤグの五人分の意思が、一斉にトゥトゥへ流れ込む。


失いたくない。



終わらせたい。



守りたい。



そんな感情が濁流みたいに押し寄せる。


トゥトゥ「ぁ……もう……いっか………」


それは諦めにも似た、小さな声だった。


直後、核破壊みたいな爆発が戦場全体を飲み込む。





でもトゥトゥに他に流れ込んで来たものは、古い過去の記憶だった

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