69 北の国で 13
ズィルバーは,お風呂の排水溝を直してる。
あたしは洗面台の仕上げだよ。
寒いにゃあ・・・
「いかたたあ」
うん。ちょうどいい暖かさににゃった。
・・・・
それにしても暗いよね。見えるんだけどさ。ちょっと寂しいかにゃあ・・・ここは蜥蜴型獣人のところで見た苔玉が欲しい。あたしは
「まだけこ」
って願う。あれ?光ってにゃい。
「まだこけるかひ」
今度は光ってる。これを置く台も欲しいよね。
いじりはじめたらおもしろくにゃってきた。
ズィルバーが疲れた顔で戻ってきたよ。排水溝は難しいらしい。
「昼飯にしようぜ。」
お昼は久しぶりのお弁当だよ。
酸っぱいブロートと,ヴルスト,ケーゼ。果物もあった。
食べた後,眠くにゃったあたし達はそのままお昼寝に・・・・ZZZZZ・・・
「はなせ~」
ってまたか。どうしてあたしはズィルバーのしっぽを自分のと間違えてしゃぶっちゃうのかにゃあ・・・
「いれき」
・・・・・氷のような視線・・・・・・また寒くにゃった。
お昼寝の後は,窓を開ける仕事だよ。 これはまずズィルバーが開ける。おおざっぱに開いた穴をあたしが整える。かわいい形がいいにゃあ。
「何だ?この形は?」
「ハートだよ。」
「はあと?」
「うん。ご主人様がかわいいっていつも言ってた形だよ。」
「へえ・・・」
窓の形はハートでそれがあちこちにある。なかなか可愛くていいんじゃにゃい?
でも冷気が入って来ちゃうよ。どうしたらいいかにゃあ。あとでロートに相談だね。
夕飯の用意があるからあたし達はその辺で作業をやめてテントに戻ったよ。
夕食は相変わらずのシチューだよ。お肉たっぷりで海藻の出汁のきいたシチュー。
できあがった頃,ロートとヴァイスが戻ってきたよ。ロート,ヴァイスに乗れたのかにゃあ?
夕ご飯を食べにゃがらお互いの報告をするよ。
ロート達は山の頂上を目指したらしいけど,雪が深くて途中で断念して戻ってきたんだって。
「乗らにゃかったの?」
「・・・・」
ロートは黙ってあたしをじろりと見たよ・・ちょっと怖かった。誰のせいだぁって顔してみるんだもん。
「ボクガ ノッテタノ」
反対かい・・・
明日は,ロートがあたしとお風呂の仕上げを。ズィルバーがヴァイスと出かけることににゃったよ。まあ。その方が早くカイサルピングウインの巣穴を探し出せるだろうねえ・・・みんにゃそう思ったに違いにゃいよ。
「明日はりゅうだぞ」
ってズィルバーが言ってるよ。晴れるといいね。
翌朝,吹雪だったよ。これでは出かけられにゃい。みんにゃで温泉設備を良くするために温泉に行ったよ。
昨日開けた穴から吹雪の雪が入ってくるよ。寒い。
これをどうするかみんにゃで考えたよ。
ふさいじゃうと暗くにゃっちゃうし・・・空気の出入りがにゃくにゃるし・・・
「ガラスがあればいいのににゃあ。」
「ガラス?」
「うん。あたしがいたとこでは窓にみんにゃはまってたよ。透き通っていてさ。外も見えるし,開けることも出来るんだよ。」
「それを作れよ。」
「何で出来てるか分からにゃいんだもん。」
「ちょっと待て。おまえ,前にくるまってのを作ったときに窓にはまってた奴。あれ,透き通っていたぞ。あれがガラスじゃねえか?」
あたしは考えた。そう言われればそうだにゃあ。
・・・・・・・
ちょっと考える。う~ん。
・・・・・
「でも,どうやったかにゃんてわかんにゃい。あれは車にくっついてて,気が付いたら出来てたんだもん。」
「自分で作ろうと思っても出来ないってことなの,ミャアコちゃん。」
「うん。今,考えても,出来る気しにゃいもんねぇ。」
にゃんて便利にゃようで便利じゃにゃいあたしの魔法。考えると出来にゃいにゃんて・・・・
ロートがポケットから何か出してあたし達に見せたよ。
ガラス?
「これは水晶だよ。こんな感じで透き通っていればいいのかな?」
「うん。」
「これならこの山にも埋まっていると思うよ。探して掘り出せばいいね。」
にゃるほど・・・ロートはしばらく目を瞑って当たりを探っていたよ。
「ここから1刻位登ったところに埋まってるよ。ズィルバー,吹雪がやんだらヴァイスと一緒に取りに行ってきてくれるかな?」
「ああ。俺はかまわんが。」
「イイヨ。ノッテク?」
「頼む。」
それからロートとズィルバーはなにやら打ち合わせを始めたよ。どれだけの量を掘ってくるとか,あちこち破壊するなとか・・・場所の詳しい説明とか・・・
外を見てきたヴァイスが,吹雪はやんでいるって言ったから,二人は出発することになった。ロートは赤い鳥を渡していたよ。今度の鳥は前のより鮮やかだった。気のせいかにゃあ。
ロートとあたしは,お風呂の確認だよ。ズィルバーが仕上げた排水溝にお湯を流してみたり,あたしが作った水道じゃにゃいけどお湯を流すところにお湯をくみ上げて流してみたり・・・どうやってお湯を常に良い温度で流すか考えたり・・・いやね。考えたのはロートだけどさ。
おや。真っ赤な鳥が飛んできたよ、にゃんだろ・・・
「ロート,水晶を見つけたぞ。言われただけ掘ったぞ。ここをまた埋めて帰るから・・・もう少しかかるかな。おいヴァイスどこに行くんだこらっ。」
ここで通信は終わったよ。ロートは難しい顔をしたよ。
「ズィルバー,そっちの状況をもっと詳しく教えなさい。」
そう言ってまた鳥を放したよ。あれえ白くにゃらにゃかったし,ズィルバーの声も聞こえたし・・・あれえ?
「今回の鳥は前のと少し違うんだよ。ミャアコちゃん。」
あたしのはてな顔が分かったんだね。ロートが教えてくれたよ。
「あの鳥は,相手の言葉も伝えることが出来るんだよ。」
「電話?」
「電話ってなんだい?」
「ん・・・とねえ・・・
耳に当てて話をすると,相手に伝わるし,相手の話も分かる物。
お互い話してることが遠くに離れていても聞こえるし,お互い話し合いも出来るんだよ。」
ロートはなるほど・・・と考えてから
「作れるかい?」
って聞いてきたけど,どういう仕組みにゃのか分からにゃいから作れにゃいよ・・・しょぼ~んとしちゃうよ。
「あると便利だよね。特に今みたいな時はね。」
たしかにそうだにゃあ。あたしのお馬鹿にゃ頭では分かんにゃい。
「あたしが人間だったらにゃあ。きっともっと役に立ってるよね。」
つぶやきが聞こえたみたい。
「いや。ミャアコちゃんがミャアコちゃんで良かったよ。」
って言ってくれたんだ。うれしいよぉ。
・・・・・そういえば・・・
ズィルバーとヴァイスに何がおきたのかにゃあ。




