70 北の国で 14
・・・ズィルバー
「まったくミャアコの奴,何で俺のしっぽをしゃぶるんだかね。」
ロートに言われて水晶を探しに行く途中,ヴァイスの背中の俺はつい愚痴ってしまった。
「ミャアコチャンハ ズィルバーノ シッポハ ジブンノト オンナジ アジガスルッテ イッテタヨ。」
・・・・・ありがたくねえ。
俺のしっぽは攻撃用の武器にもなるんだ。武器をしゃぶるなんて危ねえじゃねえか!!!よく言い聞かせてやる!!
「おっあの辺だぞ。」
ロートが探っていて気が付いた大きな木がある。
ヴァイスはばっさばっさと舞い降りた。
「木から10歩位下に下ったところにある小さな岩・・・雪が邪魔で分からんが,盛り上がってるこの辺りだな。ここからさらに20歩位右に行ったところ・・・このへんか?この下に埋まっているらしい。」
あまり派手にやると,魔物が来るといけないし,何より雪崩が起きると怖いって言ってたな。とりあえず出力を絞って・・・と
ずぐ~ん・・ずぐ~ん・・・なんかさえねえ音だな。
・・・・・・
「なあヴァイス?!
おまえもやってみるか?」
「ボクデキナイヨ。コオラセルノトカ フブキトカ トクイダケドサ・・・」
「いや氷を鋭くしてそいつを使ってみたらどうだ?」
・・・・
「ソウカ・・・キガツカナカッタ・・・ウマクツクレバ ボクデモ アナヲ ホレルネ・・・」
いろいろ氷で作っているぜ。
「コンナカンジ?」
「いいんじゃねえか。」
ヴァイスは氷の槍みたいなもんを作ったぜ。鋭い先。これならうまく掘れるかもしれん。
うまくいったぜ。すげえヴァイス。
穴の先には氷のような6角形の透き通った物が見える。
「ヴァイス,採りに入れるか?」
俺はロープを出しながら聞いた。
「イイヨ。ハイッテミル。」
ロープをヴァイスに結びつけ,手にもう1本のロープを付けたかごを持たせてから慎重に下ろす。
「どうだ?」
「スゴイヨ。キラキラダァ。」
氷の先でつついて大きな塊に崩してかごに入れているのが見える。うまいもんだぜ。ヴァイス。
「イイヨ-」
その声を聞いて俺はかごを慎重に引き上げる。
中身をリュックに入れた後、またかごを下ろす。
かごが上がっている間に,ちゃんとヴァイスは次に運ぶ物を崩しているぜ。あいつなかなか頭がいいな。もしかしたらミャアコより利口かもしれん。
1回。2回。3回。・・・・・
そろそろ言われた量になったな。
「ヴァイス。上がって来いよ。そろそろ十分だぞ。」
「ウン。」
ヴァイスが最後のかごを持って上がってくる。
「おや?」
最後のかごには水晶の他に小さな丸い物が入っている。
「たまご?」
「ボクモ ソウカモシレナイッテ オモッテサ」
最後に運ぼうと思って脇に置いておいたらしい。
まさか・・・またりゅうの卵じゃねえよな。
ヴァイスはたまご(?)をなでている。
とりあえずロートに報告だな。
俺は伝言鳥を取り出した。
「ロート,水晶を見つけて言われただけ掘ったぞ。ここをまた埋めて帰るから・・・もう少しかかるかな。
・・おいヴァイスどこに行くんだこらっ。」
最後はヴァイスに向かっての呼びかけになってしまったぜ。あああ・・・伝言鳥も飛び立ってしまったぁ!!!!
・・・ヴァイスの奴,卵を持ってさっさと飛んで行ってしまったじゃねえか。
馬鹿野郎!!!!水晶と俺はどうなるんだぁ!!!
たまご・・・もしかして?いやまさか・・・




