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ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ  作者:
6 温泉が出た
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29  温泉が出た 5

ヴァイスはりゅうの姿になる。ぽんってかわいい音がするよ。音と一緒に光るけど,そんにゃに眩しくにゃいんだ。陽に当たって,にゃんだか光ってるみたいにゃりゅうができたよ。きれい。


 あたしとズィルバーはヴァイスに乗せてもらって海の上に出た。

 暑いけど,ヴァイスの上は風があるよ。

 しばらくぐるぐると飛んだ後,

 泡立っているところに,ヴァイスったらあたし達を乗せたまま「ざっぶ~ん」って一気に飛び込んだ。


「「わっ」」

「ひでぇ!心の準備くらいさせろ!!」

「みぎゃ~」


ヴァイスの背中から転げ落ちてしまったあたし達。

 あたしは慌ててズィルバーにしがみつく。溺れちゃう!!!


 ズィルバーも焦っている。

「こらっミャアコっ!離せって!俺も溺れるだろう!!!」

「離しませんよ!!!離したら溺れるっ・・ぶくぶく・・・・」


 すぐにヴァイスが海の底から上がってきたので,二人してヴァイスの上によじ登った。

ここでにゃあにゃあのお話が終わるところだった。危にゃいにゃー。

 

 二人してつるつる滑るヴァイスに必死でしがみつきにゃがら探す。


 泡立っているところはどこ?


あわあわ・・・


 不意に生暖かい水があたし達を取り囲んだ。

「「え」」

「「あったか~い。」」


「ズィルバー,ミャアコチャン,コノシタ,イワ。イワノアイダカラオユデテル。」

ナイス。ヴァイス。


 ズィルバーは

「こらっ呼び捨てにすんな!!」

 えっ言うとこそこ?

生暖かい湯の道をたどってヴァイスと一緒に潜る。


滑るよ滑る・・必死にしがみつく・・・ひぃっ

あちあちあっちっち!!!

にゃんてこったい!!ここの温泉熱すぎる。


 慌ててヴァイスにくっついたまま海面に。

「わぁ。驚いた。」

「すっげえ熱い。」

「塩気がある温泉だよ。えっとねぇ・・・

 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉・・鉱泉だって。鉱泉って何?

 え?知らにゃい?

 神経痛とか婦人病。婦人病って何?

 え?知らにゃい?!」


 何にも知らにゃいんかい・・・痛い・・・聞こえたのぉ?!


「それからねぇ・・・皮膚病もOK。お腹を壊してるときもOK。美肌を作り,冷え性を治す・・・らしいよ。」


・・・・

「おまえ、それを覚えていてロートに言えるか?」

「みぎゃっ。そ・・・ズィルバーが覚えていてよねぇ。」


ズィルバーが渋い顔をしたよ。


「ダイジョウブ。ボクガオボエテイルヨ。」

にゃんて頼もしいヴァイス。大好き。


岩場に戻ってロートに報告する。

 「かなりの湯量のようだし,成分もばっちりのようだね。」

 それからロートは何事か考え始めた。これからの方針を自分の中で組み立てているんだって。へぇ。


 あたし達は夕飯作りだよ。

 あたしとヴァイスはまず,海岸沿いに落ちている木を拾った。

 ロートが教えてくれたけど,流木と言うそうだ。水辺の物は濡れてるから,打ち上げられて奥に行っている,乾いてる木を拾え,とズィルバーが言う。はいはい。


 小獣(こども)姿のヴァイスの小さい体では,運ぶのが難しいから,りゅうの姿に戻ったヴァイスの背に,集めた流木を縛り付け,岩陰のズィルバーのところに運ぶ。

 ズィルバーは,その辺の岩のカケラや丸い石を組み合わせて,竈を作っていたよ。

 その脇に運んできた木を積み上げるよ。

ズィルバーは,乾いた海藻も集めていた。食べるのかにゃ?!


「半分は食べるけどな。」

残りの半分は,火を付けるときに使うんだって。へぇ。今まで気にもしてにゃかったけど,木に直接炎を吹き付けるんじゃにゃいのかぁ。知らにゃかったよ。


 鍋の中には,ついさっきヴァイスが海に飛び込んで取ってきたでっかい魚がぶつ切りで入っている。すごいにゃ。ヴァイス。

「ボク,サカナハ,アマリタベナイケド。」

 持ってきた野菜を,ズィルバーがいつものように切って投入する。

味は?いつもの塩?ねぇ,もっと違う物にゃいの?!

え?うるせえこというと食わせにゃいって・・ひどいよ。


驚いたことに,今日のシチューは,いつもより,すごくすごく美味しかった。

ロートが,

「海藻を入れたから,よい味が出たんだな。」

と言っていた。海藻はよい味がでるのかぁ。いいこと聞いた。

ヴァイスと顔を見合わせる。二人とも考えたことは一緒だ。

明日は暇な時間,二人で海藻拾いだよ。



読んでくださってありがとうございます。


ようやく温泉にたどりつきました。


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