30 温泉が出た 6
翌朝,新しくまたシチューを作ることににゃったズィルバーは,忙しいはずにゃのに,ご機嫌だった。しっぽがゆらゆら揺れている。
あたしとヴァイスは流木と一緒に,海藻をいろいろ集めてきたよ。
どの海藻が美味しい素にゃのかにゃ。
朝ご飯を食べにゃがら,今日の作業を確認するよ。
まず,ロートがお湯の出ているところまで海の中に道を作る。
どうやるのかにゃ。え?あたしも手伝うの?できるかにゃ。
それから,ズィルバーを乗せてヴァイスがお湯の出ているところまで飛ぶ。
湯の吹き出し口をきちんと作るためだそうだ。
そしたら,湯の吹き出し口の周りを岩で囲む。これはズィルバーの仕事かにゃ?違う?あたし達の仕事?
あたしとロートが作った陸の上をお湯が溜まるようにくぼみというか、湯船にする。これがズィルバーの仕事にゃのか。
「・・・陸は広く作らにゃければにゃらにゃいよねぇ・・・お風呂もそこに作るんでしょ?」
「そうだねぇ・・・ちょっと1日じゃ出来ないかもしれないねぇ。」
ロートが目を瞑ってにゃにやらぶつぶつ唱え出す。
ゴゴゴ・・・音がする。砂?土?どこからかあたし達の前に集まり出す。
しばらく後,ロートがつぶやくのをやめ,フウフウ言っている。
どうしたのかにゃ?
え?疲れた?
自分で運んできたわけじゃにゃいのに?
「ミャアコちゃん,魔力は使うと疲れるものなんだよ。」
え?
「あたし,蜥蜴型獣人と練習していても,あんまり疲れたことにゃいにゃ。」
ロートもズィルバーも黙って顔を見合わせていた。
「これから道を作るよ。」
ロートは集めた土や砂を海に向かって入れ始めた。浅いと言っても5尋はある海にゃので,にゃかにゃか道ににゃらにゃい。お昼頃までかかって,5尋くらいだって。お湯の吹き出し口まで10~15尋くらいあるのかにゃ。
「お昼の後は,ミャアコちゃん,やってみて。」
ロートに言われた。
ロートは魔力が回復するまで休むんだって。
「同じようにすればいいからね。
妙なことはしないでいいんだよ。」
妙なことってにゃに?・・・
お昼の後のお昼寝は今日はなしらしい。
「眠いんだけどにゃあ。」
「とりあえず,どれだけ出来るか見せてから寝てくれる?」
「毎日昼寝していたのかよ。」
「うん。」
「・・・何日くらいかかるのか,確認するためにちょっとでいいよ。その後お昼寝していいよ。」
眠いよ。でも道を作らにゃきゃ。
あたしは,半分もうろうとした頭で,道を作るより,陸広げたら簡単だよねぇ・・・と考える。
「わっ!!ミャアコ,何したんだよ!!!」
「ミャアコチャン,スゴイ」
そのままあたしは眠っちゃった。お休みにゃさい・・・ZZZZZZ・・
目が覚めたら,ヴァイスが隣で寝ていた。
欠伸をしにゃがら起き上がると,あれあれあれ???
岩の下に見えていた海がにゃい。にゃんか岩場がずっと向こうまで張り出してるよ。んっと・・・10尋・・・いや15尋くらいあるかにゃあ。すごいにゃ。ロート。
ずっと張り出した岩場の先で,ズィルバーとロートがにゃにかしている。
ズガ~ン
水しぶきが上がる。
岩が辺りに散らばる。
危にゃいにゃ。
あたしが起きたのが分かったのか,ヴァイスも目をこすりにゃがら起き上がってきた。
「ミャアコチャン,イワバヒロゲタ。スゴイ。」
「え?」
これ,あたしがやったの?
ヴァイスは不意にぽんって姿を変え,りゅうににゃった。
そのまま羽ばたいてロート達の方へ行く。
「待ってよ。」
にゃんでみんにゃ,いつもあたしを置いていくかにゃあ。
しばらくしたら,ズィルバーがヴァイスの背に乗って,ロートは歩いてもどってきたよ。 二人とも疲れているみたい。
先に着いたズィルバーが,ヴァイスから降りる。
それと一緒にぽんって音がして,ヴァイスが小獣姿に戻った。
「おまえ,玄武岩をどうやってここに出したんだよ。」
「玄武岩ってにゃに?」
「この黒っぽい岩のことだよ。」
「分かんにゃい。」
「どうせ出すなら,真っ白な大理石にでもすれば,すごい立派な風呂になったのによ。」
・・・・・
ロートは,あたしを見て,
「よくやったね。」
と言った。
あたしぼ~っとしていたら,
「岩場だよ。僕がするより何倍も早く,あっという間に源泉まで岩場を広げるとはね。
分かっていたこととは言え,ちょっと妬んじゃうね。」
・・・・・
「あたし・・・しちゃいけにゃかった?」
こっそりズィルバーに聞く。
その声が聞こえたのか,ロートは苦笑しにゃがら,
「そんなことはないよ。ただちょっと,立ち直るのに時間がかかるだけさ。」
と言った。
悪いことしたんにゃらあやまるよ・・・ロート・・・・
2人とも今日はもう疲れたと言うことで,夕飯を食べて休むことににゃった。
竈のところでズィルバーが言った。
「ロートはすぐ立ち直るさ。おまえはいつも通りにしていろよ。」
よく分かんにゃい。にゃんでロートが落ち込むのかにゃ。
まだまだ小獣のあたしには難しい。
またまたヴァイスと一緒に夕飯のための流木拾いだい。
ついでに二人で海に入って遊ぶ。でも,すぐにズィルバーに見つかって怒られちゃった。
読んでくださってありがとうございます。




