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ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ  作者:
5 次の温泉は
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24 次の温泉は 6

何かに飛びつかれて倒れたあたしは,飛びついてきたものを反射的に抱きとめる。

 しっぽがぶわっと膨らんだ。


・・っ温かい。やわらかい。うわっ顔をなめてる。にゃに???

ようやく眩んでいた目もはっきりしてきた。

 あたしが抱きとめているのは,3歳くらいの,多分・・・小獣(こども)だった。


だ・・・だれぇ???


「ミャアコチャン。ボク,ヴァイス。」


「「は?」」


蜥蜴型獣人(せんせい)とハモっちゃったよ。


 3歳くらいの裸の小獣(こども)

 髪の毛が白くてつんつん立ってる。あぁこれ,確かにヴァイスの髪の毛だ。

 しっぽは?あった。でも,ヴァイスのしっぽには見えにゃい。

 ヴァイスのしっぽは,こう・・・おしりから繋がってるって感じのう~ん。蜥蜴のしっぽみたいな付き方だったのに。今は,つるんと毛がない細長いしっぽだ。不思議。

 まじまじ見ちゃう。


 そうしたら, 蜥蜴型獣人(せんせい)が,

「私のしっぽに似ているね。ふうん。ドラッヘりゅうは人の形になると,しっぽは蜥蜴型になるのか。これはすごい発見だ。

 いや,むしろ, 蜥蜴型獣人(われわれ)ドラッヘりゅうの子孫なのかもしれないではないか!!!」

 すっごく興奮している。


 むしろ, 蜥蜴型獣人(せんせい)のしっぽの情報にゃんか,いらにゃいんですけど。


獣人(ヒト型ニシテクレテ アリガトウ」


 ヴァイス,なんて礼儀正しいの。えらいぞ。


「元の姿には戻れるのかね?」

蜥蜴型獣人(せんせい)がさらに興奮して聞いている。


うるさいにゃあ。でもヴァイスは律儀に


「ハイ」

 って応えている。


「戻ってみてくれんかね。」

「イイデスヨ」


 ぽんっ  


 音と一緒に光が出た。

 今度の光はあんまり眩しくにゃい。


 いつものヴァイスだぁ。

ほっとして抱きつく。


 ヴァイス,すっごくうれしそう。玉は残念だったけど,ヴァイスのうれしそうな様子が見られたからいいか・・・


 う・・・玉・・・あたしの・・・虹色の・・・玉・・・しっぽがたれちゃう。


「まだ魔法の勉強を始めて2日目だっていうのに,ミャアコちゃんはすごいな。」

蜥蜴型獣人(せんせい)がしみじみ言った。

「話が出来るようになるはずだったのが,姿まで獣人型に変えてしまうとは・・・」


 あの玉は,ヴァイスとお話が出来るように食べさせたんだ。

 それが獣人型ににゃるとは。へぇ。


 その後,3人でまたいろいろ勉強をしたよ。

 時々,先生に言われたとおりの言葉を言って魔法を発動させてみるけど,なかなか先生の思っているとおりには,なっていないらしく,いろいろ言われてしまう。

 ヴァイスは何も言わずに氷を出したり,吹雪ってものを出したり,水を降らせたり出来るよ。


 いい加減疲れてきた頃,やっと 蜥蜴型獣人(せんせい)が今日はおしまいにしようと言ってくれた。



 ヴァイスはまた小獣(こども)の姿ににゃって,一緒にまちに向かっている。

 裸足だし・・・ちょっと歩きづらそうだけど,どうやってるのかにゃあ・・・時々浮いてるよ。

 


  蜥蜴型獣人(せんせい)は,ロートとズィルバーにこのことを伝えたり,他の人たちにもいろいろ伝えたりするために,一緒に宿屋へ歩いている。


 因みに,ヴァイスはあたしのシャツを着ているよ。

 よい子は,ちゃんといつも着替えを持って行動しています。えへん。

 なんちゃって,ロートに,どうせ濡れるからって持ってけって言われただけにゃんだけどね。

 靴は,あとでロートに買ってもらおうね。


 夕焼けが今日もきれいだよ。


そういえば,も一つ不思議だと思ったことがあるんだにゃあ。

 にゃんで魚型獣人(おさかなさん)のまちに,蜥蜴型獣人(せんせい)がいるのかにゃ。旅行者というわけでもにゃさそうだし。


宿屋に行くと,ちょうどロートとズィルバーも帰ってきていた。

 ヴァイスを見て2人ともびっくり。

 宿屋の奥さんも旦那さんも,もうびっくり。


 ・・・


蜥蜴型獣人(せんせい)とロートとズィルバーの3人で宿屋の食堂でぼそぼそ何か話しているから,退屈しちゃう。

「部屋に行っていい?」

って聞いてから,あたしとヴァイスだけが部屋に戻ったよ。


 部屋では,二人でベッドの上にジャンプして大はしゃぎ。すてきな時間を過ごしたよ。あとでズィルバーにめちゃめちゃ怒られたけどさ。楽しいもんねぇ。

その後のご飯も楽しかったよ。

 にゃぜか 蜥蜴型獣人(せんせい)も一緒にご飯を食べて,お酒も飲んでいたよ。


 今夜は,ズィルバーにようやく言えたよ。

「お酒は20歳ににゃってから」

 って。

ズィルバーも,この前飲んだとき,お酒はあんまり美味しくにゃいもんだって分かったらしく,おとなしくあたし達と一緒に,ホーニヒ入りの甘くて冷たいお茶を飲んでいたよ。


 お茶を飲んでるズィルバーの,ふさふさの銀色のしっぽが,うれしそうに揺れていたよ。あぁ捕まえたい。ズィルバーのしっぽ。あたしのしっぽの次に大好き。あ。ごめんねヴァイス。ヴァイスのしっぽもかわいいよ。毛がないけど・・・


次の朝,朝ご飯を食べていると,議会の人たちがやってきた。

 ヴァイスに会うことが目的らしい。

 でも,ヴァイスはまだ生まれて2ヶ月くらいしかたってにゃいので,にゃにを聞かれても応えられにゃい。当たり前だよねぇ。


生まれたとこはあの温泉の中だし・・・誰がどこから持ってきたかも分かんにゃいし。親がそばにいたかどうかも分からにゃいし・・・


ともあれ,温泉探しは今日も続くそうだ。あたし達は,いつ頃から一緒に行くことににゃるのかな。


「まだ2日だろ。もう少しだな。」




読んでくださっている方,ありがとうございます。

ゆるゆるとお話は続きます。


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