満たされた者
すいません。今回も短いです。
都内の片隅にある、ごく普通のワンルームマンション。
その一室に、男女が四人でいた。
その中で女性は一人だけ。
ティナの友人、シアだ。
シアは疲れ果て、うつ伏せでベッドに倒れ込んでいる。
衣服はなく、シーツに体を預けたまま、ぴくりとも動かない。
他の三人は男。
同じ冒険者だ。
代わる代わるにシアに群がり、欲を満たしたあと。
今はタバコをくゆらせながら、軽口を叩き合っている。
シアはそれを聞いているのか、いないのか。
反応はない。
ただ、呼吸だけが浅く続いている。
慣れているのか、それとも諦めているのか。
どちらにしても、もう口を挟むことはなかった。
一人は、冒険者仲間に〝トワ〟と呼ばれる男。
派手な金髪に、口元のピアス。
整った顔立ちを売りにしていた元ホストだ。
三人の中心にいる男で、
もとは別のチームに所属していたシアを引き抜いた張本人でもある。
そして――ティナの彼氏。
普段は同棲している相手だ。
もう一人は〝グンジ〟という冒険者ネームで、この部屋の契約者。
元は別のチームに所属していたが、トワとティナにすり寄り、このチームに移ってきた。
危険は避け、旨いところだけを掬い取る。
そうした嗅覚に長けた男だ。
最後の一人は、冒険者ネーム〝スズキ〟。
周囲からはスズ、あるいはズッキと呼ばれている。
同じく別チームでシアと組んでいたが、
彼女を追ってこの場に流れてきた。
週に一度。
ティナがカナタと会っている、その時間。
この部屋では、同じように四人で過ごしている。
――ティナには内密に。
だが、ことが済めば口も軽くなる。
「ティナ、今日は何時に帰るって?」
グンジが煙を吐きながら、トワに問う。
「さぁ? 最近は切り上げが早いからな。
もうちょっと引っ張れって言ってんだけど、聞きゃしねぇ。
参るぜ、しつこいだけで、下手だから疲れるんだとよ」
その言葉に、二人は盛大に笑った。
「カナタ、あれで気付かねぇんだから楽だよな」
「何だっけ? あー、俺は深淵十二紋に入るようなチームを作りたい、キリッ。
……だっけ? ……ぷっ」
「ぎゃはは、無理無理」
「ほんと、自意識過剰だよなぁ。
お前にゃティナの盾がお似合いだって言ってやりたいぜ」
グンジとスズキも、それに乗るように笑って語る。
最近、盛り上がる話題は決まっていた。
トワ、グンジ、スズキ。
ティナとシア。
そして、カナタとスパリナ。
同じサークルに臨時参加する、似たような連中の中では、
トワたちが囲い込んでいるメンバーも、数にカウントされる。
ティナがカナタと寝たのは、トワの指示だ。
そして囲い込んだ。
ついでにその日、初参加の女もついてきた。
それは幸運だった。
こうして数を揃えれば、役割も広がる。
良いポジションも主張できるし、そうなれば分け前にも声を上げられる。
リスクは押し付けられるし、
面倒な役割は人任せだ。
都合のいい駒が増えることに、デメリットはない。
今、このチームは上り調子だった。
五人では、そこそこのチーム止まり。
だが、カナタとスパリナ。
戦力になる二人が加わって七人なら、
似たようなことをしている連中の中でも上位に入る。
問題は、その先――
目指すは、さらなる拡充だ。
人数を揃えるだけでは駄目だ。
ティナ、そしてシア。
もちろんカナタとスパリナも。
使える駒を、最適な場所に配置する。
配置した駒に、新たな駒を釣らせる。
そうして初めて、この手のやり方は回り続ける。
トワは、それを理解していた。
ティナとシアのために、カナタが盾になる。
トワたちは、その横から、いつも攻撃している冒険者三人組だ。
次に引き込むべき相手も、すでに決まっている。
そのための下準備も、ほぼ整っていた。
※本作は作者による構成・執筆を基に、一部AIを補助的に利用しています。




