9-20 卒業後の同窓会 20
「この辺にある公園なんだけど、その丘の頂上が富士山に似てるからつけられたらしい」
自分はそう言いながら山田富士で調べた。どうやら富士山のような形状の丘のことを富士塚というらしい。Wikipediaのトップに山田富士の画像が出ていた。
「すぐそこにあるんだけど、行ってみる?」
僕はそう提案した。なっちはせっかくだから行ってみたいと言ってくれた。僕は山田富士公園まで歩いて行った。
夜は暗いが、スマートフォンのライトを使用すればそれなりに明るくなる。なっちも暗いのは嫌いではないらしい。僕は山田富士公園の階段を登って行った。
「小学生ってよくここに来るんだよね、遠足で。もちろん昼だけど」
自分も夜の山田富士公園に登ったことはない。
「幽霊とか出ないよね?」
なっちはそういった。そのような噂は聞いたことがないと伝えるとなっちは安心していた。
暗い道を登ると、頂上まで辿り着いた。僕たちは最も高い場所に登り、頂上から景色を見渡した。
観覧車がある方向を指差す。もうあかりは消えているようで見えないが、時間帯を選べば観覧車も見える。見渡した街並みは思ったより暗くなく、むしろ街灯が適度に照らしてくれていたおかげで明るかった。
「小学校の頃、ここでメントスコーラやった記憶がある」
僕はふと思い出を話す。メントスコーラとは、ペットボトルの炭酸飲料のコーラにメントスというキャンディを入れることで、多孔質のキャンディがコーラの成分と反応して高く吹き上がるという現象だ。小学生の頃YouTuberがやっているのをみて知った記憶がある。当時は子供ながらコーラが高く吹き上がることに興奮を覚えていた記憶がある。
「小学校の頃私もやったなぁ」
なっちはそう言った。
「小学校でやるんだ」
自分は素直に思ったことを伝えた。詳細は覚えていないがメントスコーラの原理と火山の噴火の原理が近いらしく、その授業の一環でやった記憶があるということだ。
「よくメントスにコーラ入れようと思ったよね」
初めてメントスコーラをやった人がなぜそれをやろうと思ったのかということに思いを馳せる。なっちも同じことを思っているようだった。
僕たちは丘の頂上である程度話した後階段を降りて行った。
「こんなところあったんだ」
なっちはそう言っていた。ここは江戸時代からあるらしいということを伝えると、なっちは歴史の深さを実感しているようだった。僕たちは寄り道してしまったが再び家の方に向かっていった。




