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9-19 卒業後の同窓会 19


「こういうのってSNSに書くタイプ?」


 彼女は聞いた。自分は恋愛についてSNSではあまり書かないタイプだ。彼女は、なるほどね、と言ってくれた。僕は4年ぶりにあの日の関係に戻ったことに少し浮かれていたと思う。缶をコンビニのゴミ箱に捨てて、自分は家の方まで改めて歩いて行った。


「今度行こうね」


 ラーメン屋の前を通り過ぎて僕は提案する。高校の頃から行きたいと思っていたがついに行けなかった家系ラーメンの店だ。そこからさらに歩いていくと、家と高校の最寄駅の間にある駅にたどり着いた。


「懐かしいね」


 彼女はそういった。久しぶりであまり覚えていないらしい。


 地下鉄駅の入り口にある金属プレートには「山田やまた富士のさくら」「桜は日本古来の美と心の象徴」「出逢う人 集う人 そして住まう人 みな心はさくら」と書かれている。意味が分かりそうで意味がわからない。なっちはいった。


「日本の花といえば桜のイメージが強いけど、万葉集だと梅の方が詠まれている回数が多いらしいよ」


 どこかで聞いたことがある話しだ。


「ヘリアンサスガールズの動画でそんなのなかったっけ」


 自分はそういった。なっちは覚えていないようで、あったっけ、と話していた。


「道端花のMVの最初でそんなこと言われてた気がする」


 なっちはピンときていないようだった。自分はYouTubeに上がっているその動画を再生した。40代程度の女性が話しているシーンが映っていた。


「今回は日本の花について話をしていきたいと思います。突然ですが、日本を代表する花はなんだと思いますか?私の左から順に時計回りに答えていってください」


 教授の質問に対してメンバーは桜と答えていた。


「皆さんのように、この質問をされたら『桜』と答える人は多いでしょう。しかし、万葉集では桜は約50回、梅は130回出てきます。日本の花が桜になったのは、実は平安時代のことなのです」


 「もちろん当時も、桜はすぐ散るものでした。花が散ること・花の儚さに注目した和歌も多く読まれています。例えば、『散る花もまた來む春は見もやせむ やがてわかれし人ぞこひしき』という歌があります。これは『散っている花も来年になればまた見られるのでしょうが、なくなってしまった祖母とは再会できない。恋しくてならないよ』という意味です。」


「梅の花は中国から入ってきました。万葉集にも多く読まれており、梅に関する歌を詠む会というのも行われていました。『梅は鏡前の粉を披ひらき、蘭は珮後の香を薫らす』という一節が万葉集にありますが、『梅は鏡の前で化粧をする女性のように開き、蘭の匂いは、装飾品をつけた人のような香りである』という意味です。よくわからないかもしれませんが、梅の花が化粧をしている女性のように綺麗だった、という意味ですね」


 それをみたなっちはもう10年程度前で懐かしいと言っていた。彼女は一瞬昔を懐かしんでいたようだが、すぐに現実に戻ったようで、なっちは疑問を投げた。


「山田富士ってなんだっけ」


 僕は答える。

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