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9-14 卒業後の同窓会 14

 そうして僕たちは会場まで戻った。酔いが体に回っているが、まだ気持ち悪いまではいっていない。


 もう景品はもらったが、自分はビンゴをその後も開けていった。少しずつ当選者が出てくる。ゲーム機やタオルなどをもらった人もいるらしい。


「ちょっと話変わるんだけどさ、AIってどのくらいわかる?」


 なっちは聞いてきた。AI系の研究室に行くということだが、あまり理解できていないらしい。自分は学部から画像処理でニューラルネットワークを使っているが、ふわっとした説明しかできないのが現状だ。


「研究室に入った後のオリエンテーションで説明とかないのかな」


 僕は聞いてみる。自分は研究室所属前はAIに対して何も説明されていなかったが、最初の2ヶ月のオリエンテーションワークで音声・言語・ビジョンのモデルについて最低限は理解した。自分の研究は音声認識の誤りを訂正するタスクだが、画像以外の全ての知識を使っている。なっちの研究室でもそれがあるのかはわからないようだ。


「聞きたかったら聞いてね、答えられるかはわからないけど」


 なっちはありがとうと言ってくれた.僕は聞いてみる。


「なっちの卒論テーマって何だっけ」


 なっちは確か理工学部の工学系だったはずだが、学部の卒論はゲーム理論に基づく株式予測の最適化だと言っていた。話を聞いてもよくわからなかったが、株価の変動の要因をできるだけ簡単にモデル化して、その上で人々のとる行動次第でどのような結果が得られるかと言うことをシミュレーションしたらしい。


「シミュレーションの仮定をシンプルにしたら思ったより綺麗な結果が得られたけど、実際の株価は予測できない事象に基づいて変わりうるから、現実世界の投資には使えないと思う」


 ポアソン分布に従う割合で「会社が事故を起こして株価が下がる」「会社が不祥事を起こして株価が下がる」「会社が期待されて株価が上がる」という事象を設定し、それと並行して人々がこのような行動をとるならばこうするのが良いとシミュレーションできるとか言っていたが、自分にはよくわからない。専門ではない分野の話を聞くのは好きだが、なっちのはまだしも、化学系や生物系など自分がほとんど使わないような分野はそもそも1単語も理解できないことさえある。


 それぞれが違う道に行くにつれ、お互いを理解できなくなっていくのはどの分野にもあるのだろうと思いを馳せた。


 そんな話をしていると3年8組で写真を撮らないかという話になった。大阪先生の周りに、同じクラスの僕となっちを含む20人ほどが集まった。

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