Page 88 英雄の帰還
落ち着きを見せたガレオンと諌められたその臣下達はザルディンから詳細を説明を受けた。
そしてその中にはこの戦いで命を落とした者は現在カシミラが保護し、この会議の後に復活させるということや世界の作り変えが終わった後、魔王軍が作った国や街で生活してもらいたいということも含まれていた。
「その魂を保護し、復活…。おいそれとは信じ難い話ですな。一体どれほどの被害が出たとお思いで?」
それは単純にそんなことができるのかという疑問であった。そんなガレオン王の疑問に応えるようにカシミラが立ち上がった。
「人、エルフ、ドワーフ…そして魔王陣営以外の魔族と魔獣や動植物、合わせて8兆7859万5532ですね。これでも被害は抑えたほうでございます。」
「その…それほどの命を復活させることなどできるのですか?」
大臣の問いにどことなく晴れやかな気持ちがこもったカシミラが答えた。
「ええ、まったく問題ございませんよ。それならば一つ証拠をお見せいたしましょうか?よろしいですか魔王様?」
魔王が一つ頷くとカシミラは感謝を伝えると一度手を叩いた。すると彼女の影から赤い燕尾服を着たベレトともう一人、人類側がよく知る男が現れた。
「アレス!アレスなのか!?」
「ガレオン王よ!恥ずかしながらこのアレス…帰還しました。」
「良いのだ…。良いのだ…。お前が死んだと報告を受けてはおったが…。まさか生きていたとは…。本当に良かった。」
「王よ。それに関しては…本当に俺は戦いで命を落とし、そこにいるカシミラ殿に保護され、そして色々あって三万の兵と共に復活した次第でございます。」
アレスとの再会を喜んでいた王だったが、その話を聞き、驚きを隠せなかった。
「まことに!?まことに復活したというのか…!?保護されているという話も…。」
「はい。全ては確認しておりませんが、それはそれは膨大な量を管理していました。あまり…思い出したくはない記憶ではございますが…。」
アレスが思わず氷牢のことを思い出し身震いする。それを見て、カシミラは今後復活する魂に関しては保護していた頃の記憶は消すから安心するよう付け加えた。
「魔王様…。どうやらあなたの話を信じる他ないようだ。そして…私たちのことはどうするつもりですかな?」
ガレオンが意を決したように聞く。通常、敗れた側のトップは処断されるか幽閉されるのが相場である。良くても軟禁といったところか…。
「うむ。ガレオン王よ。どうか我に力を貸してほしいのだ。」
ガレオンはまた意表を突かれ、どうしたものかと苦笑いを浮かべるのだった。




