Page 81 三つの決め事
レイノルフとレラその後両者の間で話し合いが行われ、決まったことは三つ。
一つはエルフの里にダークエルフを呼び寄せ、そこで和解したことを発表すること。
同じ場所に集めて問題が起きないか心配する声もあったが(主にアレスが)そこは二人が抑えること言うことで落ち着いた。
エルフ達も戦争に既に嫌気がさしていたので好意的に取ってもらえるのではないかと考えた為である。またダークエルフ達も長年長を務め、あの一件に一番の憤りを示していたレラが言えば周りもある程度は飲み込むのではと話す。
二つ目はこの戦いが終わるまでレラの傘下にエルフ達が入るということ。
これは対外的なものでエルフが魔王の下についたという構図のほうがドワーフや人類に対して精神的なダメージが大きいという狙いがあった。
良くも悪くもプライドが高いと思われているエルフが魔王の下についたということはそのプライドをもってしても魔王と敵対するよりも降伏を選ぶほどのなにかがあったと疑わせ、不安を煽るという効果を期待していた。
最後の三つ目がエルフの里の移転に魔王軍が全面的に協力するということ。
これはザルディンから提示されたもので、連れてきた兵士3万と魔王軍の総力を挙げて新たな土地にエルフの里を移転させるというものだった。
彼はここへ来る前に現在建設中の村や街の中に森の中に大きな街があり、そのイメージがエルフ達の住む街と雰囲気が似ていたため、そこにエルフ達を住まわせることを考えていた。
無論、この話が出た時にはレイノルフはあまり良い顔をしなかったが、どこか諦めたようにこの話を承諾するのだった。
かくして早速、この里にダークエルフ達が集められることとなった。
ダークエルフ全員を集めること難しいのでリーダー格を中心に200名ほどに集合をかけ、ものの1時間ほどでダークエルフは集まった。
「なんでダークエルフがいるの?」
「俺たち…あいつらに殺されるんじゃ…」
「どうしてまたエルフの里なんかに。」
「もしかしてこの里を乗っ取るとか?」
エルフの里の中心にある広場に数百年ぶりに二種類のエルフが集う。
急に集められたため、お互い険悪な空気が流れたが、レイノルフの告白とレラの和睦宣言、そしてエルフたちが魔王軍傘下に下るという話を聞き、戸惑う者が多い中、エルフ達からはどこか安堵した声も聞こえた。やはり彼らは疲弊しており、早く戦いが終わることを願っている者が多かったようだ。
またダークエルフ達もレラの熱意のこもった演説により次第に納得するような様子であった。
まだまだぎこちないがこれで両者はともに同じ道を歩きはじめることになった。
そして、エルフが魔王軍の傘下に入ったと大々的に宣伝を行った効果はすぐに現れる。
エルフの里にドワーフの王、ビバロが訪ねてきたのだった。




