Page 74 あの日の会議
――話しはザルディンが世界の修整作戦を発表したあの日――
「それはまた…とんでもないことになりそうですわね。」
メレーナが呆気にとられたように声を漏らす。他の者も同じような反応であった。この男を除いて…
「なになに?なんかスゲェ面白そうじゃん!?」
ドラゴンの王、シュバールは一人目を輝かせる。それにため息をついてカシミラが口を開いた。
「あのね?この作戦を実行するってことは当然反発も起きるのよ。ザルディンの話だと全てをその本の通りにするってことでしょ?そんなこと私たちのことを敵と思っている人族やエルフ、ドワーフ達が黙って見てると思う?」
それに続くようにゴウグも頷きながら話す。
「それに、我々の力を持ってすれば世界を書き換えることは可能だろうが、その後、そいつらが我らに従うとは思えぬ。遺恨を残し、我々の邪魔をするに決まっているではないか。」
「じゃあ滅ぼしちゃう?」
ワダツミが素っ気なく解決策を提示する。
「ワダツミ様それは勘弁していただきたいですじゃ。人族、エルフ、ドワーフらにもそれぞれ彼らしか持たぬ力を持っているゆえ、彼らの協力も必要かと思うのじゃ。なにせこの本の再現となるとまだまだ未知の部分が多すぎるのじゃ。」
「まぁ、この魔王?を倒してるのもなんか人族の戦士ぽいからね。でもどうするの?和平でも結ぶの?」
レラが本をめくりながらザルディンに問う。それに関しては彼にも考えがあるようだ。
「まぁ、急に行って『世界を作り変えるから魔王の下についてください。』などといっても突っぱね返されるじゃろうな。じゃから当面は反発されることを前提に作戦を実行し、折を見て交渉に向かうとするかの。」
「それが無難でしょうね。まずは圧倒的な力を見せておくほうが聞く耳は持つでしょうから…。ただ、それで彼らが私たちに協力してもらえるかは分かりませんが。」
メレーナも心配そうに考えを話す。実際、人、エルフ、ドワーフの三種族は魔族と敵対する派閥の中でも特に結束が固い。ただつけ入る隙はあるとザルディンは考えているようだった。
「だからこそまずはエルフかドワーフをこちらの陣営に迎えられればと思っておるのですじゃ。積極的に戦おうとするのは人族じゃから戦いが長引けば他の種族は早く降りたいと思うのではないかと思うのじゃよ。」
一通り、ザルディンが自身の考えを伝え終えると魔王が話し始める。
「皆のもの。思うところがあるやもしれん。だがここはザルディンの事を信じてもらえぬであろうか。」
魔王のこの言葉によりすぐ、作戦は実行されることとなった。




