Page 61 円卓会議
この日、魔王城の円卓には五皇臣、そして新たにこの日この作戦に加わることとなった二人の姿があった。
「あれ?そういえばザルディンの姿が見えないけど?」
シュガールが辺りを見渡しながら誰にともなく問いかける。
「ザルディンならエルフのところへ行ってるわ。魔導具の作成に必要だからって同盟軍を連れてね。」
カシミラがカップを口につけながら答える。
「ザルディンが同盟軍を連れて?一体何があったというのだ。」
「ゴウグ…それはこっちのセリフよ?急に人間の女をこの作戦に入れたいだなんて。」
カシミラがカップをゆっくりと机に置きながら横目にゴウグとその横に座る人間の女に見る。
「ああ。そのことであるが、やはりここは魔王様がいる時に話すほうがいいと思うのだ。許してくれ。」
「まぁ、いいんじゃない?俺たちだってメレーナと一緒にあのセルケトを連れてきたんだし?」
「連れてきたのではありません!カシミヤ様は魔王様と…。いえ、これも私の口から話すことではありませんわね。」
ワダツミにメレーナが注意するとセルケトに熱視線を送る。
「なになになになに?なんか俺だけなにも知らないじゃんか。」
シュガールが立ち上がりながら文句を垂れる。
五皇臣が集まるのはあの作戦がザルディンから告げられて以来のことである。
そうこうしてる間に、大扉が開く。
「皆のもの。待たせたな。」
魔王がレラとザルディンの代理としてやってきたオルを伴い姿を現した。
「先ずは…。ここまでの皆の尽力に感謝する。作戦実行から数ヶ月で既に地形の修整はほぼ完了に近づいていると聞いている。」
「そりゃもちろんだぜ!俺達ドラゴンにとっちゃそれくらい朝飯前ってもんだ!」
さっきまで文句を垂れていたシュガールであったがこの言葉で機嫌を直す。
しかし実際、シュガールの功績はかなり大きいものであった。
空を飛べ、圧倒的な力を持つドラゴン達による土木工事は当初の予定よりも早く進み、その後のゴウグやメレーナ達の仕事が円滑に進む要因ともなっていた。
「さすがは竜の王だな。そしてカシミラよ。お主には苦労をかけるな。」
「そんなことはございません!わたくし共、黄泉の国が一丸となり使命を果たします。」
氷牢玉のおかげで以前よりもかなり保護…というよりも保存しやすくなったため、カシミラの顔色は改善されているようであった。
それでもカシミラが黄泉の国で保護している命の数は途方もないことになっており、地形修整がほぼ終わるという報告に彼女は内心ホッとする。
「うむ。頼りにしておるぞ。次にワダツミ、メレーナよ。二人にはセルケトの件で世話になったな。」
二人はそれぞれ謙遜するような素振りを見せる。
「まぁあんなことになるとは思わなかったけどね。」
「そうですわね。でも、行った甲斐があったというものですわ。」
ワダツミとメレーナが顔を見合わす。
「そしてゴウグよ。お主には最も面倒な任務についてもらっている。我にできることがあれば言うが良い。」
「では…。このゴウグ。魔王様に紹介したい者がおります。」
その言葉の後、ゴウグの隣に座っていたトルアーラが立ち上がるのだった。




