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Page 31

「我にできることであれば協力は惜しまぬ。申してみよ。」


「誠にありがとうございますじゃ。では…カシミラ様。総司令官とその兵を幽玄の荒野に連れ出してはくれませぬか?もちろん解凍した上で。こちらが解凍に必要な煉獄玉でございますじゃ。」


ここまでの流れを想定していたのか、準備よくザルディンはオレンジ色に淡く光る玉を取り出し、カシミラに渡した。


「え、ええ。わかったわ。1時間くらいで準備ができるのだけど…あなたは一体何をする気なの?」


玉から伝わる温かさを手のひらで感じらながらカシミラは不思議そうな顔でザルディンを見る。そしてザルディンは再び魔王に向き合いお願いの内容を語った。


「魔王様。ワシからのお願いはそやつらと戦ってほしいのですじゃ。」


思わぬ依頼にオルは驚かされ、魔王は目を閉じ聞いている。


「ザルディン殿?一体何をお考えなのですか!?それがエルフとの交渉に役に立つと?」


「ああ、もちろんじゃ。それに魔王様も最近は戦っておらぬ故、息抜きも必要かと思っての。なあに幽玄の荒野なら魔王様が戦われても問題なかろう。それにここは黄泉の国じゃ。人間達も死ぬことはないぞ。」


その言葉にカシミラは少し不安にはなったが、確かに広大な幽玄の荒野ならばすでに荒れ果てているため暴れても影響は少ない。そして死んでここへ来た者はこの国の中であれば死ぬことはない。


「我は戦えばよいのだな?それ以外にすべきことはあるか?」


「いいえ。あとはワシがしますゆえ。魔王様は心ゆくまで戦っていただければ良いのです。」


「うむ。ではそうさせてもらうぞ。」


魔王は頷き、ザルディンは感謝の言葉を述べた。


「では、私は準備をしてまいりますので魔王様はこちらでお待ちください。用意ができ次第、呼びに来ますので。では失礼いたします。」


カシミラが準備の為、部屋から出ていきしばらく経つとベレトが部屋を訪れた。


「お待たせして申し訳ございませんでした。人間達の準備ができましたので荒野までご案内させていただきます。」


「うむ。よろしく頼む。」


ベレトが魔王達に近づくとブツブツと呪文を唱え始める。すると足元に魔法陣が広がり4人は光に包まれ、その場から姿を消した。そして一瞬にして幽玄の荒野にある小高い丘へと移動したのであった。


「では私はこれで。」


ベレトは影の中へと消えていき。代わりにカシミラが上空より現れた。


「魔王様。こちらが人間達の軍勢でございます。」


丘から下を見下ろすと三万の兵士達が自分達がどのような状況なのか分からず、騒然としていた。


「ザルディン殿…。これでは戦いになりませんぞ?」


オルがザルディンに問いかけると既に彼は丘から降りて軍勢の前へと出ていたのだった。

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