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Page 27

ここにきてまさか民族間の数百年にわたる問題が立ちふさがるとは思いもしなかった。

魔王軍陣営は確かに優秀であったが、こればっかりはどうしようもない。


「例えばですが、彼らに催眠魔法をかけて作らせて魔法を込めさせると言うのは?」


オルはザルディンと魔王に尋ねるがすぐに却下される。


「無理じゃな。催眠魔法で操れるのは簡単な指示くらいなもんじゃ。魔道具を作ったり魔法を込めるような高度なことはさせられんよ。」


ザルディンと魔王は難しい顔をするが、魔王がそんな顔をするのは別にあった。


「すまないが…。お主たちの言う魔道具とはどんなものなのか?それを作るのはそんなに難しいものなのだろうか?優秀なお前たちにできぬことはないように思うが?」


魔王はザルディンに基本的な疑問を問いかけ、ザルディンはゆっくりと魔王に向き合い答える。


「期待に添えぬ無能な臣下をお許しくだされ。言い訳にございますが、理由を述べてもよろしいですかな?」


「聞き方が悪かった。お主たちを無能だと思ったことはない。それでこの我でも分かるように説明してくれぬか?」


「ははっ。では…魔道具というのは魔法を込められた道具なのです。これを使うことにより魔法を扱えるぬ者でも行使することができるのですじゃ。しかしこの魔法を込めることのできる素材…ミスリル鉱石を加工できるのはドワーフにしかできない技術なのですじゃ。」


魔王はゆっくりと頷き、また次の質問を投げかけた。


「では…その魔法を込めるのはエルフでなくてはならない理由はなんだろうか?」


今度はダークエルフのオルが答える。


「はい。エルフは我らダークエルフと違い魔力の総量は少ないですがその分、魔力操作に長けた種族でございます。例えば炎の剣を作った際、私が炎をドワーフの作ったものに込める剣全体にまとわせて扱う者は火傷してしまうでしょう。しかしエルフならば刃の部分にだけ、しかも柄の部分には炎の熱さが伝わらないようにする芸当も容易いのです。」


魔王はザルディンとオルの説明を聞き、納得したように首を上下させる。


「そうか…ダークエルフで最も魔法の扱いに長けているオルがそういうのだから他の者ではできぬな。それにミスリルを扱えるのはドワーフしかおらずさらに催眠魔法で強制させることもできぬ…か。」


魔王はゆっくりと天井を見上げる。


この本の挿絵を見るにドワーフとエルフの協力が得られれば勇者が扱う物についての問題は一気に解消される……。故にこの両者の協力は絶対に必要であった。


「ならば…。どうじゃろうか?ワシがエルフと話をつけてくるというのは?」


思わぬ提案に魔王はザルディン穴が開く勢いで見つめた。

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