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Page 26

同盟軍が敗れる二ヶ月ほど前…

ザルディンらは本の後半、モンスターや道具、魔法の図鑑の解析を進めている。


しかし解析するにしてもまずはこの未知の文字について解読する必要があった。

思いの外、異世界の文字の種類は多く難航していた。その中でも絵がついている図鑑のお陰で数字と50字の解読に成功。また文字は読めなくてもその文字の持つ意味を理解し始めてはいたが…


「うむ…これは困ったものじゃ…。」


魔王城の大図書館、その大机を囲むように様々な種族の学者たちが頭を抱えたり、ブツブツと何かを唱えたり、はたまた奇行に走る者もいるなど各々が問題の解決に立ち向かっていた。


「ザルディン殿…やはりこれは魔道具ではないのか?」


眼鏡をかけた長身の男のダークエルフがザルディンと共に難しい顔をしながら本のあるページを睨む。

そこに描かれていた絵は炎をまとった剣。解読した文字からこれが「フレイムソード」というのは分かった。おそらく絵の通り炎の力を宿した剣といったところか。


「魔道具で間違いないであろうな。しかし魔道具とは…」


このページを開いてからザルディンは嫌な予感がしていたがそれが的中したというところである。

剣に炎をまとわせること自体は難しいことではない。しかしこれは剣自体に炎の力があると仮定できる。なぜならこれを使うのが【人族】であるからだ。


「やはり勇者が人族であるというのは無謀ではございませんか?あやつらはこれといった特筆するべき身体能力は無く、さらに魔力の操作もあまり得意ではありませんよ?」


長身のダークエルフの学者、オルは頭を抱える。


「だからこそ炎の力が宿っている剣が必要なのじゃよ。」


「と…なれば魔道具しかありませんが…。そのような技術、ドワーフでなければ持っていませんよ?しかも魔法を定着させるとなるとエルフの力も借りねばいけませんし。」


そう。問題は魔法の力を持つ道具を作るためには現在戦っているドワーフとエルフの力を借りなければならない。しかしこの両者は魔王軍陣営とは相性が悪く、脅しても協力するくらいなら死を選ぶような間柄であった。


「わしらで再現出来れば良いのじゃが…困ったものじゃ。」


「と、なるとドワーフやエルフも我の軍門に下ってもらう必要があるというわけだな。」


いつの間に現れたのかザルディンとオルの後ろに両腕を組んで仁王立ちする魔王が立っていた。


「魔王様!?いったいどうされましたかの?」


「ああ、進捗はどうかと気になってな。しかし声をかけても誰も反応しなかったので勝手に入らせてもらったぞ。」


オルの質問に魔王は少し寂しそうな声で返答するが今はそれどころではなかった。

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