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Page 19

「全軍!防御を固めろ!」

「第三ドワーフ装甲部隊壊滅!繰り返します!第三ドワーフ部隊…」

「急報!メルトリスが魔王により陥落と知らせが!!」


ここはアイシュベルク大陸西部の沿岸部。そこでは大規模な防衛戦が繰り広げられている。


人、ドワーフ、エルフらを中心とした同盟軍は今や窮地へと追いやられている。

数ヶ月前、突如として魔王軍が一斉に攻勢を仕掛けて来たのである。


当初バラバラに魔王軍に対抗していたものの全く歯が立たたなかった。そんな中、人族最大の国、ガレオン帝国の王ガレオン八世が呼びかけ歴史上かつてない同盟が組まれこの戦いに臨んでいるが、戦況は悪化の一途を辿っている。


伝説でしか聞いたことのない魔王、それに従う五皇臣の侵攻はまるで悪夢であった。


彼らの放つ攻撃は海を裂き、大地を穿ち、空を貫き、またたく間に彼らにより世界の地図は書き換えられていく。同盟軍の抵抗など風の前の塵に等しかった。


そして彼らを悩ませたのはその侵攻目標であった。


「どうしてこんなところを攻めてくるんだ!!」


同盟軍総司令のアレスの怒号は戦場の喧騒にかき消された。

彼がいるのは侵略という観点で言えば全く道理に合わない沿岸部。すでに防衛線は破綻しさっさと内陸に進めば良いものの依然として魔王軍の五皇臣の一人、シュガール率いるドラゴンの軍勢は崖を削り続けている。


「戦える兵は内に入られる前にもう一度陣形を整えよ!魔導士部隊は空飛ぶトカゲ共に火の雨を降らせよ!!」


その声に答えるように同盟軍は残った力を振り絞り抵抗を続ける。しかし彼らの攻撃は全く効いていない様子であった。


「奴らにとっては遊びだとでも言うのか…。」


「伝令!突如として南方の沼地が!沼地が!!」


指示を出すアレスのもとに困惑した表情の若い兵士が転がりながらやって来た。


「どうしたというのだ!」


「そ、それが…信じられないのですが…沼地が草原に変わりました!!」


まただ…。魔王軍の侵攻は同盟軍を大いに悩ませる要因。それが【理由のわからない事をする】ということだった。

先日も森を荒野に変えたかと思うと、絶海の孤島を作り出したり今回は草原ときた。


「やつらは何がしたいのだ!」


アレンが憤っているとせっかく作り直した防衛線も早速ドラゴンの吐く炎の息に崩されていく。


「こうなれば…全軍突撃!!人類の底力を見せっ…」


総司令官は最後の檄の途中であったがあっさりと敵の放った炎の前に消え去る。

アレンは死の間際、生まれ変わったら必ず復讐してやると心に決めるがそんな復讐心は冥界にてしっかり目に凍結されることとなるのを彼はまだ知らない。

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