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Page 10

魔王は地図を片手に実物と確認しながら慎重に事を進める。


「これで間違いないな。よし!【オブリテレイト】」


魔王が魔法の名を呟くと目の前にあった大きな山が音も立てずに一瞬で消えさり、新しく平地へと生まれ変わるのだった。


「こんなものか。そして次はと…ふむ、もう少し北に行ったところに火山を作る。それを…一つ、二つ…ふむ、変わった地形だな。」


魔王もこの世界の作り変え作戦の事業参加する一人であった。ザルディン以下魔王の配下は彼に城で座して待っているように言われたが魔王が待ってられるはずもなく半ば強引に参加していた。


「それにしてもこんなに充実した気持ちになるのは喧嘩を売ってきた巨人族、100体を倒した時以来か。」


魔王が昔を懐かしみながら火山を作る場所である現在、人類の街がある場所へと飛行していく。実際、魔王が担当する大規模な土地の改変は彼がやることでかなり効率よく進んでいるのだった。


「魔王様!魔王様!」


どうやって火山を作ろうかと思案していた魔王の元にザルディンがやってきて声をかける。


「どうしたのだザルディンよ。我はこの仕事に生きがいのようなものを感じ始めているのだ。今さら城で待っていろなどと…」


魔王が手で制しながらこの仕事を降りることを拒絶するが、ザルディンの用件は別にあった。


「それに関しましては山を降らすなり、海を蒸発させるなりお好きになさってくだされ。ただ、一つ問題がありましてな…」


仕事が続けられることに安堵しつつもザルディンがここまで深刻な顔をすることも珍しいので気を引き締める。


「何事だ?大願の為ならば我にできることは何でもしようぞ。」


「それがですな…。この本の地図では魔王城がこの世界のどこにも存在しないのです。」


そんなはずはない…。魔王はこの本を読むことはできなかったが、隅から隅まで穴が空くほど読んでいる。その86ページには禍々しい様相の城の外観と見取り図が描かれていたはずだ。


「あの城が魔王城ではないというのか…ではあの城は一体。」


魔王が考え始める前にザルディンが自らの推測を話し始めた。


「恐れながら魔王様。その城の名前と思わしきモノが地図上にないのですじゃ。街や村、洞窟や遺跡に当てはまる単語は地図上でも確認できるのですが、魔王城やその他にもいくつか所在が記されていないものがあるのですじゃ。」


そう言われて自らが持つ本を開き、地図を確認すると確かに魔王城の名称と思わしき単語はどこにも書かれていなかった。しかし確実に魔王城は存在する。


「一体これはどういうことなのだ…。」


世界再構成作戦はいきなり暗礁に乗り上げたのだった。

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