第34話 夜営
時刻は水の2時30分に差し掛かる頃、もう話すこともなくなって外の景色見てたら先頭のルリが乗ってる馬車が止まった、何かあったのかな?
ドアがノックされて、メガネをかけたメイドさんが入って来た
「失礼します、本日は日も暮れてまいりましたので、予定通りこちらで野営させていただこうかと存じます。ご客人にもご不便がないよう準備いたしますが、いかがでしょうか?」
めっちゃ礼儀正しいな?これに返せる礼節持ってないよ?
「よっメリー、シャルの様子はどうだ?」
「お嬢様、今日は可愛らしい方とご一緒でとってもご機嫌そうでしたよ! ハマルもお嬢様のところへお顔を出してみたらどうかしら?」
あ、ちょっと崩れてる
「メリー、客人の前ですよ」
「あら、申し訳ございませんご客人様」
頭を下げてるけどちょろっと舌出してる、お茶目さんかな?
「まぁまぁ先生、あんま丁寧すぎっとヨースケが緊張すっからよ、メリーが少し崩したほうが良いんだよ」
「しかし…うむ……」
悩んでるハンスさんに内心で謝る、ごめんなさい正直助かってます
「メリーさん、あまりお気になさらなくて大丈夫ですよ」
「では、崩し目で話しますね!」
そう言ってウィンクをしてくるお茶目イドさん
「ごしゅじんさまー」
ぱたぱたと可愛らしい足音を立てながらルリが入ってきた
「久しぶり、ルリ元気だった?」
「はい、るりはとてもげんきでした」
「それでは、私はお食事の準備ができたらお呼びいたしますので!」
シュババ!という感じで去っていくメリーさん、ルリを見る目がおかしかった、差別的な意味じゃなくて幼女趣味的な意味で
あれは確実に狙ってる、直感だけど当たってる気がする
「ヨースケ、気ぃつけろよあいつ多分嬢ちゃん狙ってっからよ」
「あ、やっぱり?」
「気づいてたか、さすがだな」
「なんか目がね…?」
「わかるぜ、あいつ子供見るとき変な目ぇすっからな!」
「ごしゅじんさま、るりねらわれてる?」
「そうだけど怖い意味じゃなくて好きって意味だから大丈夫だよ」
「すきでねらう????」
ぽかーんといった顔で困惑する、宇宙ルリだな
「そういえば野営のときって何食べてんの?」
「だいたいは野菜のスープとパンと焼き魚だな、魚はキュウエのときが多いけどたまにスケカムになるな、魚は凍らせて運んでっから新鮮だぜ?」
「おさかな、おいしい?」
「おう、ていうかもうあのことは忘れたのか、よかったぜ」
「わすれ…?はっ!がるるるる」
「やべ、余計なこと言っちまった、ヨースケなんとかしろ」
「んな無茶な!」
とは言いつつルリをあやす
「よしよし、大丈夫だよ〜、ハマルは敵じゃないからね〜」
「でも、かごはかくさなきゃだめです」
「もうハマルから2人の加護聞いたからおあいこだよ」
「そうなの?」
「おう、シャルの加護も俺の加護も話したぜ、許してくれっか?」
「……はなしたなら、いいです」
そういって矛を収めてくれた、良かった良かった、どうしてここまで過剰に反応するかは多分過去に何かあったんだろうと思う
でも詮索はしないよ、主無しになった原因も、今は考えないことにする
今それを考えるのはだめだと思う、なんか嫌な予感がする、虫の知らせ的な
「お食事の準備が整いましたよ〜、馬車内でお召し上がりになりますか?一応、外にテーブルと椅子のご用意はできてますが。」
あ、幼女趣味(推定)のメリーさんだ
「どうする?俺はシャルと食べるから外に行くが」
「仲良しだね、僕は…どうしようかな……」
外か、晴れてるなら夜空を見ながら食べるのも良いと思うけど、いま月も見えないくらい曇ってるんだよな
叡智さんって天気予測的なことはできる?
【降水確率、約92%】
【外に出るのはおすすめしません】
ほぼ確で降るじゃないか!
「ハマル、叡智曰く雨降るからやめたほうが良いよ」
「まじか?じゃあシャルの馬車で食うわ、ありがとな!シャルにも伝えてくるわ!」
そう言って走っていく……いや、これはもはや飛んでいくと言っていいな、速すぎる
バヒュン!っていう風切り音と共に消えていったぞ……
【時速、約81キロです】
ハマル馬車乗るより走ったほうが速いのやば、何馬力だよあいつ
いやそれ以前によく体が耐えられるなおい、何Gの負荷だよ
【魔力を筋肉に纏わせることで筋力や耐久力を強化することができます】
【体を扱う戦士などは無意識に行っていることが多いです】
【個体名ハマルは意識的に行っているため、あれだけの速度とそれに耐えうる肉体を会得しています】
すごいな、13でそれって成人したときどうなっちゃうんだよ
「あ、メリーさん僕たちは馬車で食べるということでお願いします」
「了解しました、ハマルの速度は何回見ても慣れないので大丈夫ですよ」
「お気遣い痛み入ります」
これで良いんだっけ?てか普通に異世界でもイレギュラーなのかあいつ、正直安心した




