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他人任せ異世界論  作者: 百足ムカデ
王都編
33/36

第33話 獣幻聖、それと通話

「でははじめに、獣因子を説明いたします」


「よろしくお願いします」


「獣因子というのは全ての獣系亜人種の魂に存在している変異魔力です、この魔力が獣の耳や尻尾といった特徴を作り出しているわけですね

基本的に身体能力が人間種より向上する傾向にありますが、狐や猫の獣人は身体能力ではなく魔力が向上する傾向にあります

あくまで傾向であり必ず当てはまるわけではありません」


【概ね正しいです】

【補足として狐は炎系、猫は補助系の魔法を取得しやすい傾向にあります】


 人の話にも補足してくれるんだ、ありがたいね


「ただし、幻獣種は魔力も身体能力もどちらも人間種よりも強くなります、これは獣因子の量が多いからです、そのため本能に呑まれることによる暴走が起こります

これは理性だけで制御するのは困難です、隷属の呪法は魂を縛ることで命令を行使させるため、幻獣種に使えば暴走を止められるのではないかと最近まで研究されていました」


「その言い方だともう研究が終わったみてぇになってんぞ、先生」


「いい指摘ですよハマル、指摘の通りまだ研究そのものは行われています、ただしルリ様という幻獣種で始めて隷属化されたほうの影響で研究が終了する可能性も十分にあります」


「ルリは隷属してからまだ7日しかたってないですよ」


「でしたらまだ終わりませんな、結論を出すにはまだ早いですから

さて、ここからは神話の話になりますが聞いていただけますかな?」


「はい、お願いします」


「その話も飽きるほど聞いたんだがな……」


 僕とハマルで意見が真逆だ、でもごめんねハマル、面白そうだから聞いちゃう


「ヨウスケ様は聞き上手でございますな、ではレリーフ教における幻獣種の扱いですが、神祖であるレリーフ様が幻獣種アンディル様と共に旅をしていたという話があるのです、レリーフ様は暴走を声をかけることで獣因子の支配を抑えるという御業をお使いになり、アンディル様はそれに応え聖獣種に進化し、以降一切の暴走をしなかったという逸話があるのです」


 幻獣種から聖獣種か、実際にあるの?


【情報が不足しているため一部の開示のみ行います】

【聖獣種という種族そのものは存在しています、現状1人ですが】


 1人だけどいるのか、案外その1人がアンディルさんだったりしてね


「ヨウスケ様はとてもルリ様を大事にしているご様子、これはルリ様が聖獣種に進化するのではと期待してしまいますな」


「聖獣種になったら暴走がなくなるんですよね」


「そう言われてますな」


「じゃあ進化したら奴隷じゃなくせますね」 


 暴走から守るためとはいえずっと奴隷のままは倫理的にも心情的にもいやだからね……


「ヨースケならほんとにあり得るかもな!」


 さて、これで話題が一段落したけど一向に付く気配がない、叡智さん?ファスト領地ってあとどれくらい?


【おおよそ74キロです、馬車の時速が約8キロなのであと10時間です】

【なお、1泊を予定しています】


 そっか、技術レベル結構高かったけど、それでも移動インフラは地球の方が上なんだね

 次の話題……あの携帯みたいな石聞くか


「次の話題だけど、あのハマルがハンスさんと会話してた石って何?」


「あぁ、魔導式通信石まどうしきつうしんせき、略して魔石ませきな」


 魔石ませき!?なんか魔力が詰まってる石とかじゃなくて?


【魔力のかたまりである物体は一般に魔水晶と呼ばれています】

【魔石といえば基本は魔導式通信石を指します】


 そうなんだ…


「今作っからちょっと待ってろ」


 そう言って手を握ったらハマルの赤い目が赤く発光した、手を開いたとき青くて薄い石が手に乗っていた


「どうだ?俺の目ぇ光ってビビったか?」


 カラカラ笑いながら慣れた手つきで髪を4本引っこ抜いて石に巻きつける


「うし、これで大体6分はもつだろ、ほら持ってみろ」


 手渡しされた魔石を見ると耳に当てるらしい部分に穴が空いていたり手に持ちやすいような凹みがある

 いきなり先端付近に赤い光が点滅し始める


「ほら、魔力込めて出てみろ」


 受信状態ってことか、でもごめんねハマル


「僕今魔術等価法で魔力使えないんだよね」


「まじか、そりゃ悪かったな。

じゃ、先生代わりに魔力込めてやって」


「魔力込めてください、でしょう

失礼します」


 そうお小言を言いながら魔石に魔力を込めるハンス先生

 光ってる部分に触れてなんかしてるけど、その何をしてるかはわからない


「ヨウスケ様、どうぞ込めました」


「ありがとうございます」


 お礼を言って耳に当てる、これ電話番号とかどうなってんだろ


『ハマル?今いいかしら?』


 魔石からアルレシャさんの声が聞こえてくる


「ハマルですね、今変わります」


『あら、ヨウくん?ハマルの魔石使ってるの?』


「いま借りてます、魔石触ったことなかったもので」


『あらそうなの、じゃあちょっと待って』


 そう言ったあとにアルレシャさんがルリを呼ぶ声が聞こえてくる


『ごしゅじんさま、ですか?』


「もしもし、ルリ?聞こえてる?」


『ごしゅじんさま!こえだけ!』


 どうやら聞こえてるらしい


『ごしゅじんさま、ししゅーしてもいいですか?』


 ししゅー?……あぁ刺繍か


「ルリは刺繍したい?」


『はい、したいです!だめ…ですか?』


「いや、全然いいよ、何を刺繍するの?」


『ねこちゃん!ねこちゃんししゅーします!』


「そっか、よかったね、刺繍したら僕にも見せてね」


『はい!』


 ハマルが小声で耳打ちしてくる


(そろそろ維持できる最大時間だが延長すっか?)


 なんか黒服みたいだな、いや行ったことないけど、ともかく途中で切れたらルリ泣きそうだし、延長するか


(うん、延長お願い)


 いったんハマルに魔石を預ける


(わかったちょっとまて)


 そう言って追加の髪を……数えるのは諦めたけどいっぱい巻き付ける


【12本、18分です】


 叡智さんってマジで便利だよね、合コンとかでもサラダ率先して取り分けてそう

 いや合コンしたことないけど

 その後もしばらくルリと話して時間をつぶした、少ししか離れてないはずなのに久しぶりにルリの声を聞いた気がした

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