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黒雷の復讐者  作者: Lilith
第2章 開花

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第26話

 俺の能力をコントロールする訓練が始まってから、二週間が経過した。


 透視の能力があると分かり、理事長や黒川先生に寮を変えてほしいと頼んだのだが、なぜか聞き入れてもらえず、俺は今でもあの寮で生活している。


 訓練の進捗で言えば、目に関わる能力はコントロールできるようになった。


 視力の向上、視野の拡大、透視。これらは自分の意志で、能力のオンとオフを自由に切り替えられるようになった。


 相変わらず、視界に入った人にはみんな紫色のモヤがかかって見えるが、そういう能力なのだと受け入れることにした。


 一方、雷の能力については、まったく上手くいっていない。


 相変わらず全身にしか雷を纏えず、身体の一部分だけに纏うことはできていない。


 もはやそういう能力なのではないかと黒川先生に相談したが、「そんなことは絶対にありません」と否定されてしまった。


 だが、この二週間ずっと雷を出し続けてきたからか、強く殺意を抱かなくても、全身に雷を纏えるようにはなってきた。


 少しずつでも進歩していると思いたい。


「颯斗ー! 何してるの?」


「見学だよ。能力をコントロールできない俺は、授業に参加できないんだよ」


 今行われているのは、一学年合同で行う「能力戦闘」という授業だ。


 なぜ戦闘に関する授業があるのか疑問だったが、その主な目的は「自衛するための戦闘能力の確保」らしい。


 過去に星光学園が外部から攻撃を受けたことがあり、そのときは戦闘に関する授業が行われておらず、多くの犠牲者が出たのだとか。


 そのため、自分の身は自分で守れるようにと、授業に取り入れられたらしい。


「そっか。なら、私たちと一緒だね」


「赤田さんたちはどうして見学してるんだ?」


「基本的に三人で一班なの。私たちはもう一人足りないから」


 今日の授業では、三人一組の班に分かれて、チーム戦のようなものを行っている。


 近々、学校行事としてこのチーム戦が行われるらしく、参加している生徒たちはかなり気合が入っている。


「颯斗が能力をコントロールできるようになったら、私たち三人で一緒の班になりたいな」


 赤田さんと白蓮さんは、班員が一人足りないため、こうした班単位で行う授業はずっと見学しているらしい。


「無理じゃない? 男女混合の班は存在しないんだし」


 確かに、白蓮さんの言うとおり、男子は男子、女子は女子で班を組んでいるようだ。


 三人一組という人数を考えても、男女混合だと上手くいかないのかもしれない。


「でも、昔はあったんだよね。男女混合の班」


「確か、五年前に男女混合の班があったって話は聞いたことがあるけど、それ一つだけよ」


「じゃあ、私たちが二つ目だね」


 赤田さんは、俺たちが一緒の班になれると信じて疑っていないようで、嬉しそうに話している。


 それもこれも、俺が能力をコントロールできればの話だ。


 今のままでは、一緒に班を組むどころか、授業に参加することすら夢のまた夢なのだ。


 あいつに復讐することだって――。


「赤田さんに白蓮さん、優等生二人がこんなところで何やってるの?」


 突然、二人に話しかけてきたのは、見たことのない女子三人組だった。


 おそらく、他のクラスの生徒なのだろう。


「何って、見学だよ。私たち二人だしね」


 赤田さんが俺たちを見ながら答える。


 それを聞いた女子三人組は、不思議そうな顔をして、さらに話しかけてきた。


「何言ってるの? あなたたち三人じゃない」


「彼はまだ能力をコントロールできないの。だから、授業に参加できない」


 白蓮さんが淡々と事情を説明する。


 その様子を見ていると、白蓮さんはこの女子三人組のことを、あまりよく思っていないようだった。


 どことなく、授業を見学している赤田さんや白蓮さんを見下しているように感じる。


「そんなこと言わずに、私たちの相手をしてくれない? さっき一戦交えたけど、相手にならなかったから」


「だから、無理だって」


「まさか、逃げるの?」


「逃げるとか、そういう問題じゃない。私たちは正式な班じゃ――」


「お前らー、何やってんだー!」


 声のした方を見ると、かなり年配の男性教師がこちらに向かって歩いてきた。


 この迷惑な三人組を連れて行ってくれるのかと思いきや――。


「六人とも授業をサボるとは何事か! 早く戦闘訓練を始めるぞ!」


 どうやら、この先生も迷惑な先生のようだ。

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