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首切りは堕ちる  作者: 越想
第1章 『魂を紡ぐ』
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1章 第7話 『時間じゃない』

……更新します!











 ダイラに背中を押され前に出てきた金髪金瞳の男。


「ヌール・エデンです。兄さんの弟なのでよろしくお願いします」


 ヌールと名乗った男が丁寧にお辞儀をして挨拶をしてくる。ヘルとアールは挨拶を済ませて、ヌールに聞く。


「それで送ってくれるってのは?」


「俺の魔法は魔力が一定量を超える場所に瞬間移動することができるんだよ」


「ベキーモスの魔力で一瞬でここに来れたのね?」


 アールが腑に落ちたとばかりに手をポンと叩く。その様子を見ながらヘルは顎に手を当て考える。


 普通の瞬間移動は一度行った場所に行けるとかなのに、魔力量で行ける場所が決まるって使い勝手悪そうなんだが……


「魔法剣学校でいいんですよね? それでは行きますよ」


 ヌールにアールとヘルが返事をして、手を南の方に向けて、ヘル達の足元に魔法陣が出現する。


「——っ!」


 視界は金色の光に覆われて、ヘル達は魔法剣学校に瞬間移動する。




「——こ、これって……」


 ヘルは視界が戻り目の前の建物を見て絶句する。


「ここが魔法剣学校。これから君達の学舎さ」


「ここが私達の学舎……」


 ダイラがヘルの肩を叩き言ってくる。アールは感慨深そうに呟いている。


「めちゃくちゃ日本の学校にそっくりなんだが……」


 周りを見る感じ体育館らしき建物とプール、校庭はない。あるのは学校だけ。それは窓があり、3.4階建てぐらいの白い建物。


 形は日本の学校とまんまだが、色が圧倒的に違う。白すぎる。屋根だけ赤いのは、この世界の建築ルールなのか?


 ヘルが学校を見ながら日本との記憶を比べているとダイラが話出す。


「心惜しいが、俺達はここでお別れだ」


「どこかに行っちゃうの?」


「現代の英雄なんて言われてるくらいなんだし、そりゃ忙しいんじゃないか?」


 アールにヘルが言うと「そっか」と残念そうな顔をしながら肩を落とす。


「ヘルの言う通り行かなくちゃ行けないところがあるんだ。でも次は3年後に確実に会えるさ」


「何で3年後なんだ?」


「そのうち分かるよ」


 ヘルは答えてくれないダイラに不満な顔を見せるがダイラは笑いながら答えてきた。


 まぁまた会えるならその日まで待てばいいか。


「それじゃ、そろそろ行くよ。また今度会おう」


「そうだな。死なないように気をつけろよ」


「——、心配されたのはいつぶりかな」


 ヘルの言葉にダイラはどこか懐かしむような顔をしていた。そして、今度こそ「また会おう」と言ってヌールの魔法で飛んで行ってしまった。


「すごく短い時間しか一緒にいなかったけど、2人がいなくなると寂しいね」


 アールが声を落として言う。ヘルもそれにつられて、下を向く。


 確かに寂しい。だけどこれが一生の別れじゃない。また会える。それに……


「……俺も寂しい。でも、大事なのは共にいた時間じゃない。共に何をしたかだよ」


 ヘルは時間じゃなくて物事の大きさの方が大事だと、言い切った。それにアールはふふっと笑い、


「そうだね。六大魔獣に会って逃げ切れるなんて幸運すぎるもん」


「お二人共そろそろ、魔法剣学校に行くためにギルドに手続きを済ませに行きましょう」


 チャウロンが急かすように言ってくる。アールとヘルはそれに従い歩き出す。




「ここって冒険者ギルド」


 チャウロンについてきて、辿り着いたのはヘルが最初に行った冒険者ギルドと同じ作りをしていた。


「はい。その通りです。ここで冒険者カードを見せてクラス分けをします。お二人共行ってきてください」


「行ってきます!」


 アールが元気よく答え、歩き出す。それにヘルもついていく。


 クラス分けは魔法が使えるか使えないかで決めるとイヴに聞いた。


 ヘルはアールと同じクラスになれると思い安心する。するとアールが扉を開けて、ギルドのお兄さんに話しかける。


「すみません。魔法剣学校に入学したくて手続きをしにきたんですけど」


「魔法剣学校入学の手続きですね。こちらへカードの提示をお願いします」


 アールとヘルは目の前に置かれた箱にカードを入れて、お兄さんを見る。


「結果は今日の夜に分かるのでもう一度ここに戻ってきて、入学書とカードを回収しにきてください」


「分かりました。ありがとうございます」


 お礼を言い、ギルドの扉を開けてチャウロンのいる場所に戻る。


 今日の夜まではまだ時間がある。これからどうするか考えていると、アールのお腹が鳴る。


「そう言えば朝ごはん食べてないし、お昼も近いからどこか食べに行く?」


「行きたい! いいでしょう? チャウロン?」


「ええ、構いません。あそこのお店が美味しいと評判みたいですよ」


 チャウロンはヘル達が手続きをしてる時に書き込みをしていたらしい。アールと長いこといると、お腹空くタイミングも分かるのかとヘルは感心していた。


 評判らしいお店はスパゲティのお店だった。味はカルボナーラに似ていた。


「美味しかったー」


「そうだね、美味しかった」


 アールは満足そうにしている。すると、


「これからどうする? まだ夜まで時間あるんだし見て回らない?」


 アールが提案してくる。それにチャウロンはいいですねと答え、ヘルも断る理由がないので一緒に回る。


 街を周り、時刻は18時頃だろうか。もうすでに暗くなっている。


 ヘルとアールはギルドに戻り朝のお兄さんに、入学書とカードを受け取っていた。


「こちらになります。お二人共魔法の使用ができるので、明日から通えますよ」


「もう通えちゃうんですか?」


「はい。入学試験が今日までなので明日から1年生として、たくさんの人が通い始めるんですよ」


 どうやら今日が締切日だったらしい。ギリギリセーフだ。


 アールとヘルはありがとうございました、と言ってチャウロンの元に戻り、取っていてくれた宿に泊まる。

読んでいただきありがとうございます。


瞬間移動って羨ましいですよね。自分もできるなら瞬間移動を使って移動の時間を無くしたいです。

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