彼女?
「違います!」2人同時に拒否った。
「コイツは推しが脱退したの恨んで、俺を推しの事務所に潜り込ませる気なんすよ!すでに手の者が1名潜り込んでるすよ!」 と笠原が暴露かましてきた。
「なっ、何を!私は善良な女子大生です!
そんな逆ギレヲタクみたいな事〜しませんて!
ただただ推しの新しい会社の応援したくて〜学科で適材を見つけたので応募しな?と。」琴子はおしとやかで善良な一市民を演出する。
「は〜ん、おるおる。ウチの学校も五寸釘持って夜な夜な藁人形に釘打ち込んでるとか言ってたわ!
ホンマに女はワガママや。」京都弁の明るい青年が笑いとばす。明るく元気な子ばかりなので琴子のひねた企みも流された。
それより五寸釘打ち込んで子がいる事が分かって、そっちが怖い!!!
ミザリーと言う映画を思い出す。
作家が推しキャラに自分の意に沿わない行動をさせたので、許せなくて作家を拉致して足を切り落として話を改変させた女みたいだ。
いや、今日本中でそんな心持ちの女は五万と居るだろう。琴子のスパイ大作戦なんて可愛いものなのだ。
「う〜ん、ウチの社長も大変だなあ〜
まっ、そんな女の子も後1年もしたら新しいキャラにワーキャー言ってんだよね♪
女心なんて、そんなもの。
ココに居る君等が、それにならないとね?」と5人に声掛けする。
「そうそう、世界で1番モテたいんですよね〜」意外に黒髪のマッシュルームカットの控えめな青年が言う。「お前!その顔でモテたいのかよ〜?」と大柄な青年が冷やかす。ずっと皆の様子を黙って観察してる感じだったのは、ツッコんで遊べる相手を見極める為だったようだ。
「おい!初対面10分で早すぎだろ?あっ、でも、ありがとう…」と人見知りの黒髪マッシュ君はお礼を言った。
『この2人は違う気がする。すると茶髪ワックス君と京都弁かあ〜」港から初島行きの定期便に乗り込む。
他の4人はオープンデッキへ走って見に行ったのに、笠原は琴子のそばを離れない。
「どうしたのよ?皆、座席離れてデッキ行ったのに〜」と琴子が言うと、穿った目で見てくる。
「バラしたの怒ってる?仲疑われるよりマシかな?と思ったんだが。」笠原なりに琴子を連れてきてる言い訳がしたかったのだろう。他の候補者は誰も連れてきてない。
「あの…他の人は、推薦者とか居なかったんですか?」半パンで素足の皮をペリペリ剥いてるプロデューサーに、聞く。ディレクターとカメラマンと音声さんは4人を撮影しに行ってる。
「いや〜俺も詳しく知らないのよ。だいたい性別も分かんなかったし。推薦者が居るなら連れて来いってのは、多分直接言われたんだよね?社長に?」と笠原にプロデューサーが聞く。
そんな話、笠原から聞いてない!
「エッ、あの電話口の人?そうなんだ?!!
事務所から合否の電話かな?と思ったら、出たらイケメン声の若い声だったなあ〜あれが、お前の推しなのか?」 笠原が驚いている。
「実際若いのよ!私達と同世代だと思うよ?それで引退とか!本当にふざけてるわ!」琴子は腕を組んで舌打ちする。
もうバレたし隠す必要もない。
琴子が、ここに呼び出されていると言う事は、すでにバレているのだから。
「ねえ、教えて下さいよ〜いくつなんですか?社長って?顔とか?どんな感じ?」プロデューサーの横にドンと座って聞き出そうとする。
呼んだのはアチラなのだ。食い込めるだけ食い込んで暴いてやる!呼んだ事が早計だと後悔させてやる!
琴子はガツガツと聞き出そうとする。




