落ちた!?
『ごめん、無理。確実に落ちたわ〜先に謝っとく。』
皆と会ってカラオケで泣きながら絶唱して、少しスッキリした。
また帰って、今度は初回から見よう…泣きながら…等と電車の中で黄昏てたら、笠原からそんな知らせが来る。
『なんで落ちたと分かるのよ?』琴子が聞くと、『いや、アッチが受かる気あるの?と聞いてきたよ。
だから「媚びへつらうのがお望みなら、僕は無理ですね。どうぞ、落として下さい。」と言ってきた。』とあっさり言うのだ。
『なんだよ〜それ!』琴子が怒る。
『いや、だって急に受かる気あるの?って脈絡なく聞くんだよ。その前に会話があれば、繋がるけど。
挨拶しただけでそれ言われたら…何したら良いの?
何かニヤニヤして、聞いてくるし。普通に失礼だなと思ったから、落とせと。』笠原はアッサリ言う。
『他は何か聞かれたの?』琴子は呆れながら聞く。
『うん、それ以降は普通の質問ばっかり〜いや雑談かな?週3配信できるか?とか、志望動機は?って、聞かれたから金!って答えてきたよ。』琴子は頭が痛くなってきた。
『金!って聞いて嫌がられたでしょ?』琴子はため息をつく。
『いや、なんでお金要るの?って聞かれたから、大学の学費自分で払ってるし、家計も火の車だからと答えたら笑われたよ。なんで笑うんだ?全然面白くないだろう?』笠原は、本当に真っ正直で真っ直ぐな男なのだ。
確かにガワをかぶってキャラに成り切る事が出来るのか…不安になる。
『まあ、いいよ。また今度に賭けよう!』と言うと、
『エ〜ッ、もう良いだろ?俺も忙しいんだよ〜』と断られてた。
まあ、キャラになりきれるのか?そこが不安なので無理かあ〜とガッカリしながら家に帰った。
帰ってから、受けた2人はどんな質問されたのか?気になって聞いてみた。
『エッ、私は得意あるって聞かれたから歌いながらダンスしたかな?』と受かった子。
『特技があれば?って聞かれたから、昔イタリアで住んでた時によく歌ってたカンツォーネ歌ったよ。』と落ちた子。
『失礼な事を冒頭に言われたか?』聞いたが、2人は全くそんな事無かったと。
『なんで特技も聞かれない。失礼な質問だけって…何なんだ?』琴子はサッパリ分からずベッドでゴロゴロ悩む。
また最初の回から見直す。
何もかも初の事ばかり。前例のないことばかりにチャレンジさせられて、何が正解なのかも分からない中、目の前の課題に取り組むチーム。
「あ〜あ、面白かったなあ〜ワクワクしたのに。」琴子は寝返りを打つ。
確かにこの頃はマンネリ化してた。前にも似た回あったな…と悪いが思う事があった。
琴子も飽き性なので、危機感があった。
でも、まさか演者がそう思っていたとは…
エンタメは難しい世界だ。常に新鮮で面白くあると言うのは…本当は不可能なのだ。
ハッキリ言えば、もし琴子が配信者ならもっと前に、多分夏のライブ後すぐに辞めたくなってた気がする。
いや、怖いのだ。
「これからどう進めば良いのか?分からない…」が正直な気持ち、そんな感じだ。
もしかすると…推しもそんな気持ちになったのか?




