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推し恋  作者: たま


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12/18

アスレチック

そこはアスレチック施設だった。

タクシーから降りるとプロデューサーが走ってくる。

「運転手さんから説明できないから大変だよ〜社長、考えてくれよ〜もう!」と居ない社長に文句を言う。

琴子はクスッと笑う。

推しは完璧に準備しても毎回抜けたりトラブルの連続の人だった。用意周到だが、ヌケサクなのだ。

そこが愛おしかったのだが…また泣きたくなる。

今度こそ、警報機がなる法則を見つけ出さないと!

太一くんが糸電話と言ってた。

目には見えなくても糸が張られているのだ各ビブスに。そして、誰かがそのスイッチボタンを握っている。

今の流行りで皆ダボダボのズボンだ。

なんなら茶髪の保阪くんなんか腰パンだ。

全くポケットの中身は分からない。そして、若いので恭弥以外は皆ポケットに手をつっこんで歩いてる。

携帯だ。皆ポケットに携帯が入ってる。

もしかすると携帯内のアプリになってるのかもしれない。

恭弥くんは姿勢が良いしポケットに手を入れるタイプでは無いようだ。インストラクターか?何かやってる気がする。

さっき錠前さんが立ってた位置からだと全員100mくらいの距離だった。でもビブスがバッテリーが無いから、島内のどこかに電源があるはずなのだ。見回すが結構森とか木がうっそうとして分からない。

推しは、機械弱いのできっと今も理解してないかもしれない。スタッフはポケットに手をつっこんでるのはプロデューサーだけだ。

笠原がディレクターが怪しいと言ったが、両手は荷物でいっぱいだが…ポケットに手を突っ込んでるヒマは無さそうだが…

そして、琴子が知ってる推しはスタッフなんて分かりやすい人を犯人役に選ばない気がする。

推理ゲームにもしてこなかったし。絶対人の思惑は裏切る男なのだ。

「そしたらこの契約書にサインしてハーネスつけてヘルメットかぶって〜

だれかゴープロ付けて撮影してくれる?

スタッフは下から撮影するから。」とプロデューサーは離れていく。

「仕方ない。僕がやるよ。」恭弥がゴープロ掛かり担ってくれた。

片手が使えないとアスレチックはかなりキツい。

まず上空5mまで足を掛けて登るのも大変だ。

「腹ごなしにはキツくない?」保阪がやる前からヘタってる。

「下のディレクター、ポケットに手を入れてる。コッチはそんな余裕無いのに!ここで警報機鳴ったら、ほぼ確定だな。」笠原が下を指さして親指を立てる。

…果たしてそうか?

企画立案は、あのへそ曲がりの理屈こね回す推しなのだ!

皆若いし恭弥は絶対スポーツインストラクターだと思う。片手でほぼ皆と同じように出来てた。ふざける隆史や失敗したら徹底的に映してた。

ネット渡りも空中ハシゴも何とか越えて最後の空中滑走だ。一気にゴールまでロープで滑り降りる。

「じゃあ、僕から行かせて貰います〜」と太一が滑走していく。次は琴子らしい。笠原に促されて行く。スゴいスピードだが気持ち良い。

そして、森の向こうの青い海が良く見える。午後の光を受けて波間がキラキラと光っている。海に向かうように滑り落ちていった。

保阪、笠原、恭弥が次々滑走してくる。最後は隆史のようだ。

何を思ったのか?背中をこちらに向けてる。

「あのバカ!背面滑走する気だ!」恭弥が舌打ちしながらゴープロでその背中を撮影する。

すると周りの山々にこだましながら警報音が響き渡る。皆でお互いのビブスを見たが、音は出てない。

到着した隆史が「ああ〜」とうなだれた。

「俺、死んだみたい。」

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