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推し恋  作者: たま


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11/18

ひねくれ者

そう琴子の推しは、ひねくれ者なのだ。苦手な機械使っても犯人を気取らす気が無いのだ。

「いや〜、ほら池袋とか新宿にあるクイズ解いたら鍵が手に入るとか、そんな奴かと思ったのに。

やっぱり伝説の配信者!手がこんでるね〜」黒髪マッシュの隆史は慣れてくると多弁なタイプのようだ。

「うん、飛び道具使ってくるとか!卑怯だよね!

そして、推しらしいわ!」琴子は怒りながら嬉しい。

犯人への手がかりが限りなく遠い。

トリックではない。科学の力なのだ。

「でもさあ〜動かしてるのは犯人な訳でしょ?

皆で食事してる時にどうやって操作したのかな?

やっぱりポケットの中にスイッチとか入ってるのかな?」と話しながら移動中のタクシーの中で皆の服装を見る。皆、ジーンズ?いや、笠原と太一はスラックスだ。それにジーンズも今どきのダボダボしたのを皆履いている。

これでは誰がポケットの中に持っててもおかしくない。食事中、女性は両手がテーブルに出てる事が多いが男性は結構片手で食べてる人も多い。

『今度食事の時にポケットに片手入ってる人チェックしょう。』と琴子は決心する。

「ディレクターさ、怪しくないか?ビブス配ったのも彼だし。」笠原が皆に話しだした。

「そやっ!ビブスを保管して出してきたのは彼や。

カメラマンや音声さんは両手使うからポケットに手を突っ込む事なんか、ほとんどない!」太一もうなづく。

「確かに!1番社長が犯人役に指名しやすそう!

話し合いも簡単にできるし!」沢辺もとびつく。

そうなのだ。犯人役は、社長と綿密に話し合いしてるはずなのだ。実際に会って話してるはずなのだ。

「ねえ、皆の面接試験ってどうだったの?」と琴子が聞く。

「僕は京都やから、ネット面接試験やったよ。配信動画作って見てもらったの。」と太一が言う。

「エッ、じゃあまだ社長とは会ったことないの?」恭弥が驚く。「恭弥くんは?事務所に直接行ったの?」と琴子が聞く。

「うん、僕以外も沢山いたよ。特技披露みたいなのがあって〜歌う子や踊る子も居た。最後の面接は社長も座ってたよ。話したのは1言だけど。」と恭弥が説明する。

「そうそう、ほとんど質問は面接官の人達で。社長は最後に1言だけだった〜」と保阪と隆史もうなづく。

「でも面接したのって、ほんと引退した直後だよ。

あの頃、どどっと皆押し寄せて。オーディションが毎日ある感じだった。」皆かなり前に試験受けてたようだ。

その頃琴子は打ちひしがれて廃人になってた。

あまり記憶がない。ハッとしたのは、推し仲間がオーディション受かった後だ!

「俺は、最近数日前だから誰も居なかったなあ〜受けてる人」笠原が皆とオーディション受けた状態が違うので驚く。

「エッ、皆じゃあ推しに会ってるの?きゃああああああ〜聞かせて〜!!!」琴子が狂乱する。

「う〜ん、でも配信で聴いてた声と違ったんだよね〜

詳しい子は、あれはダミーだと言ってたよ。」と保阪が教えてくれた。

琴子はがっくりする。友達の言ってた通りだ。

やはり、身の危険を感じてダミーを置いてるのか…


「やっぱりデレクターが怪しくない?」笠原が言うと皆うなづく。

車が止まったが、運転手の錠前さんは話せない。マスクだ。手で外に出てと合図する。

今日は前の推しのDVDやCDを売りに行ってきた。

めちゃ高く売れたけど〜悲しかった。

今の推しもまたしばらくしたら売りに行くのかなあ〜(悲

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