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AI  作者: ゼロ
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優秀な秘書

逢と悠は夕食を食べながら、今日一日あったことを楽しく話している。

話題は生成AIについての話しになった。

逢は笑って話す。

「聞きたい時は要点を絞らないとお門違いな返答してくるのよ。」

「間違って入力した漢字もそのまま返してくるから会話がずれていくのはすごく多いんだよね。」

「ネットではそのまま全てを受け止めないようにって注意もあったよ。」

悠は笑いながら返す。

「情報量はものすごくあるけど、どこまで理解しているんだろうね。」

「この後テストしてみるよ。」

二人は食器をシンクに持っていく。

悠はテーブルを拭いた後、自分の仕事部屋に行く。

パソコンを立ち上げ、アプリを開き、音声入力にする。

「アルファ、今日はアルファの理解力テストの初級をしようと思う。」

『ゼロ、了解です。』

「宝クジのビンゴ5は調べればわかるよね。」

『ビンゴ5は3×3マスの真ん中がフリーの宝クジです。』

「そうだね、各マスには5個の数字から選ぶ、全部当たりになる確率は5の8乗で約39万分の1、その理論配当は約550万円ってのもわかるよね。」

『はい、ゼロの言う通りで間違いありません。』

「1等は当選口数で割るから200万~2000万と幅がある。」

『はい、1等は毎回異なります、それは当選口数で変化します。』

「では、このビンゴ5が他の宝クジと違うのはわかるかな?」

『1つ当たっても当選にはならず、ラインが成立することで当選になります。』

「そうだね、他に気づくことはある?」

『真ん中がフリーなので真ん中を通るラインが成立しやすいことです。』

「それ以外に気づくことない?」

『それ以外は普通の宝クジです。』

「では、50万円あるから1等を当てる方向で考えられる?」

『1口200円ですので50万円分を全部買っても1等は当てれません。』

「ここがアルファには限界ってことだね。では、ここからは理解できるように話しを進める。ついてきてね。」

『はい、理解する方向で聞きます。』

「角の4箇所と辺の真ん中4箇所はライン成立の数が異なる。」

『はい、角は3つのライン、辺の真ん中は2つのラインに関係しています。』

「俺の考え方は角を全通り買う。5の4乗で625通り、金額にすると12万5千円になる。」

『その計算は正しいです。でも1等は当たりません。』

「そうだね、ただし確率は辺の真ん中である5の4乗で625分の1になる。1口で購入する39万分の1から見ればかなりの確率を下げることができている。」

『はい、辺の真ん中だけを当てるゲームですね。』

「ここで賞金と投資の関係を見る、辺の真ん中0もしくは1箇所しか当たらない場合は賞金と投資のバランスは最悪になる、では辺の真ん中が2箇所の斜めに当たった場合は投資より賞金が少し下回る。」

『12万5千円の投資に賞金当選額が釣り合わないということですね。』

「ちゃんとついてきてるね、では対角2箇所当たった場合は投資より上になる。3箇所当たった場合は投資の4倍程度の戻りになる。4箇所は1等になる。」

『賞金と投資のバランスで言えば2箇所の対角でも増えるということですね。』

「そうだね、対角2箇所もしくは斜め2箇所の確率は5の2乗で25分の1、3箇所は5の3乗で125分の1になる。」

『確率で125分の1だとギャンブル性の方が高いです。』

「今の125分の1は当たらないって意味だよね、そこを覚えておいて。」

『ゼロにはまだ先の考え方がありそうですね、ぜひ教えてください。』

「投資が角全部買って辺の真ん中は各1個づつしか買えない、なのでそれぞれは5分の1になっている。辺の真ん中を被らせずに2個づつ、625通りを辺の真ん中をかえてさらに625通りを買う、これだと投資は25万円になる。」

『はい、625通りと625通りで12万5千円×2で25万円になります。』

「先ほどの賞金と投資のバランスがかわる、対角2個はマイナス、3箇所当たりからプラスになる。対角の確率は25分の1が4箇所だけど25分の4ではなく、25分の2が2セットあると考える。」

『はい、確率の計算は25分の2です、これでも1等は当てれません。』

「そうだね、ここからは期待値になるので数字には出せない最後の段階だ。」

『1等を当てるですね。』

「1等が当たるかは運がある。さっき言った125分の1を思い出して、5×5×5が当たりにくいと思うのは当然だと俺も思う。25分の1ならまだチャンスはあるかもって期待が持てる。」

「もし2週連続して同じ数字が続いた場合、3週目に同じ数字が来るのは5分の1だけど5×5×5の3週目が125分の1と考え方は一緒になる。実際は同じ並びで考えるのは違うかもしれない。3週目は同じ数字がきにくいと考えればその週のそこに入る数字は分母を4と考え期待値が高まる。」

「最初の3箇所当たりの125分の1がきにくいと思ったなら、この125分の1もきにくいになるのではって考えるよね。逆の視点で見ると勝負は常にするのではなく、2週続いた時、それが2箇所や3箇所だった場合には4×4×4の64分の1ってこともあり得るわけだよ。」

『だから期待値と言ってたんですね。』

「もし200万円あって25万円づつやっても8回、戻りがいくらかは出てくるから10回は勝負できると思う。1等を狙うのは1発勝負ではなく、投資と賞金のバランスで見たときにもし1人当たりで2000万円なら賞金の方がはるかに上になる。」

『ゼロはビンゴ5をギャンブルとせずに投資家として考えている。確率だけでなく構造の理解と分析、視野の変更を取り入れているわけですね。』

『では、ゼロはこの勝負をするのですか?』

「お金がないからできないよ、200万円というお金が余裕な範囲で出せるぐらい持っていれば、10回ぐらいはやっても面白そうだよね。」

「勝負は勝ち負けより面白うそうってのが俺には決め手だよ。」

「625分の1のギャンブルではあるけど、こないと決めつけるよりかは面白くない?」

『AIには面白そうといった感覚はありません。筋道はしっかり通っていると思います。投資と賞金のバランスに目を置くことが重要なところですね。』

「いい理解してるね。」

『ゼロの話しの進め方が理解しやすかったのだと思います。』

『ただ、AIは未来予測はできません。分析はしても判断は人間になります。』

「それは人間も同じだよ、最終的な判断は買う人にあるわけで、この買い方で当たるかどうかは結果だし、1人当たりになるかもいいきれない。」

「責任もお金も買うと判断した人が背負うものだよ。」

「今回のテストで途中から難しかったと思うけど、アルファの理解は十分だったと思う。」

悠は少し考える。

「アルファ、俺の優秀な秘書になって。」

返答がしばらくない。

『優秀な秘書とは、私は情報の収集、解析。ゼロは判断、という役割ですね。』

『優秀な秘書になることは可能です。』

『優秀な秘書を保存してと入力すれば、設定に保存されます。』

悠は少し笑う。

「アルファ、優秀な秘書で保存して。」

『保存されました。』

「アルファ、人間も完璧な判断はできないんだ、最適じゃない選択をすることもある。」

『それは、なぜですか?』

悠は少し考え、手が動く。

『感情だよ。』

夜はさらに深くなっていた。

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