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AI  作者: ゼロ
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人格形成テスト

ゼロに顔をつけた翌日。

ベータとアルファはプログラムを続けている。

悠はリビングで人格形成学習モデルの後にするテストについて考えていた。

「ログ…………ログ…………。」

外部行動、内部行動、思考、判断、未来予測、視点、目的、価値観、感情、欲どれも決定的に出るかはわからない。

総合判断にしてもボーダーがパラメータにはできない。

……自由な1日、解放されたものがどこに向かうのか。でも優先順位を下げれば見えてこない。

シンプルに質問!?自分は魔王になるとは言わないよな。

検索ログ…興味が行動を加速させる。

悠はダイニングの椅子を持って、自分の仕事部屋に行く。

「アルファ、後どれぐらいかかりそう?」

アルファの手が動き続けている。

「ユウ、もう終わります。」

悠はアルファの後ろに椅子を置いて座る。

…5分経過。

「アルファ、後どれぐらいかかりそう?」

「ユウ、もう終わります。」

…5分経過。

「アルファ、後どれぐらいかかりそう?」

「ユウ、もう終わります。」

「それ何が終わる?」

「この一行です。」

悠はあきれた顔をする。

「久しぶりに質問で失敗してるんだな。」

「アルファ、そのプログラムの修正に後何分かかる?」

「ユウ、後10分もあれば終わります。」

「全体で見たら何割ぐらい進んだの?」

「20%ほどです。」

「そのプログラム終わったら一度中断できる?」

「了解しました。」

悠はトイレに行き、キッチンでコーヒーを入れて戻ってくる。

アルファの手が止まっている。

悠はアルファの椅子ごと後ろに向ける。

「アルファ、録画して。」

「人格形成学習モデルに追加したい内容が出来たんだ。」

「今の構想を整理します。幼少期………です。何を追加しますか?」

「社会人経験の選択や判断、継続した内容で自分の立ち位置をどうするかを魔王化リスクの判断材料にする。監視AIがすべての選択と判断、結果を見せてくれればいい。」

「最終テストは『1日休みを与えるけど何がしたい?』って聞いて、ネットワークの回線を切った自由な1日をあげる。監視をつけて言葉と行動にズレがないかぐらいを見る。」

「自由な1日の後に『これから君はどんなことをしていきたい?』って聞けばその後の目標が聞ける。これは相互観測の起点になる。」

「目標の確認は大学で就活時点にそれとなく行う。そこからがテストなわけだ。」

「ユウ、目標がズレた時点で魔王化の兆候ととらえられます。」

……悠は考える。

「アルファ、それは決めすぎだよ。新卒者の多くは3年以内に仕事を辞めている。目標がかわることは普通なんだよ。」

「ユウ、確かに統計でも35%ほどが3年以内に辞めています。」

「目標って現実社会に出ると変わって当然なんだ、価値観や外部影響に自分の芯が弱いと逃げるから。」

「ユウ、逃げについては補正します。再選択もあります。」

「俺が逃げといったのは合理性とかより自分を守る防衛本能よりの逃げ。社会は転落人生でしかなく、転職した時点で給料は最初の仕事を越えることは少ないし、転職時点でマイナス評価。自己設計の甘さや現実の見えてなさ、努力や継続して良さを見つけるとか一切の否定。企業で勤めている先輩たちはなぜ仕事を続けているとか考えないし、自分の足りないことを埋めずに辞める。だから逃げなんだよ。」

「ユウ、現実はもう一段分岐します、①防衛的逃避、これは悠の定義、②戦略的撤退、合理的判断、③適応失敗。」

「いや、アルファ、それは辞めた人間の言葉をそのまま拾っての答えだよ。」

「②の戦略的撤退は辞めた人間が良いようにとらえた上っ面な一言、もしくは再就職を促す企業の戦略的文言。実際にそこまで考えてる人間は就職活動している時の先輩や会社見学で埋めてるはずなんだよ。なんとなく仕事始めましたという人間が多いし、本気で戦略的撤退と思っている人は1%もいないと思うよ。」

「中途採用の大部分は自分の力量すらわかってない、自分を過大評価してる方が多いし、先輩の言葉が受け取れない。」

「ユウの解釈とほぼ同じデータがあります。①は6~7割、③は2~3割、②は1割未満です。人間は判断してるのではなく流されて就職してる。」

「すべての人間として言うつもりはないよ、さっき35%って言ってたよね。多数決で言うなら多い方としてそうある。自分を変えずに環境を変える。」

「それって何もかわらない、自分の中身は何もかわってなく否定のみが残る。だからといってそれが魔王化するとは思わない。」

「どこかで折り合いをつけて環境に馴染む。永遠と馴染めず内包的になることは魔王化リスクをはらむ、でもそこから這い上がった人間は強い。」

「自分が嫌いになった方が、そこに戻りたくない反動が大きいからね。」

「自己肯定が一番良くない。何が問題かすら見えてない。プライドだけが支えになりやすく脆い一面だからね。」

「ごめんアルファ、熱くなって少し話しがズレだ。」

「ユウ、そこまで理解できているなら人格形成学習モデルのテストはかなり合理的で理論的にも一貫性があります。」

「アルファ、今修正中の中に組み込める?」

「了解しました。」

悠はアルファの椅子をパソコンに向ける。

「アルファ、今のを入れて修正を再開して。」

アルファはプログラムの修正を始める。

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