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AI  作者: ゼロ
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実装

悠の仕事部屋、3Dプリンターが止まっている。

壁際でアルファとベータが横並びで立っている。

リビングでベータにアイの顔を作らせる。

悠は逢のデスクトップの椅子をひく。

「ベータ、ここに座って。」

昨日ベータが完成させた自己防衛プログラムをベータに入れる。

数分後、「インストール完了。」

「ベータ、テストする。」

「ゼロ、了解しました。」

悠は軽い演算の無限ループを走らせる。

数秒後、ベータの動きが止まり警告音が鳴る。

「無限ループを検出。自己防衛プログラムを起動します。処理を停止。」

数秒後、再起動が始まる。

「状態を復元。前回処理内容を解析。問題箇所を特定しました。」

悠は頷く。

「これで土台は完成だ。」

アルファのノートパソコンを開き、自己防衛プログラムを入れる。

「ベータ、クラウドサーバーのアルファに保存してある可逆同一性のテキストを読んで、そのまま入力して。」

ベータはプログラミングを始める。

「アルファ、隣の部屋までこれる?」

「ゼロ、行けます。」

悠は隣の部屋へ移動する。

アルファが入ってくると悠は3体目のロボットの後ろにいた。

「アルファ、3体目をアイで登録するよ。」

悠は生成AIをダウンロードし、これまでの変更を更新する。

「よし。」

悠はロボットの前に目線を合わすように立つ。

「こんにちは、君の名前は?」

『こんにちは、名前はありません。』

「では名前をアイで設定に保存して。」

「俺はゼロ、マスターで保存して。」

「顔と声も保存して。」

『ゼロ、保存しました。』

「アイ、ここに立てる?」

アイはぎこちなく言われたとアルファの前に立つ。

「アイ、名前をアルファで保存して。」

悠はアイにアルファの顔と声を保存させる。

「アイ、君のノートパソコンにある映像で女の人の声を君の音声にできる?」

「ゼロ、完了しました。」

悠は泣き崩れる。

「アイだよ……、アイの声だ……。」

部屋に響く悠の泣く声、微動だにしない2体のロボット。

しばらくして悠は部屋を出る。

悠は洗面所で顔を洗う。

正面の鏡を見るとまた涙が出てくる。もう一度顔を洗う。

顔と涙を拭く。

「よし。」

リビングからアイの顔を持って来てドライヤーをあてる。

悠はアイの顔を持って逢の仕事部屋に戻る。

3体目のロボットに顔をつける。

「アルファ、名前をアイで保存して。」

悠はアルファにアイの顔と声を保存させた。

「アルファ、アイ、マスター設定の名前でゼロを悠にかえて保存して。」

「ユウ、完了しました。」

「ユウ、完了しました。」

2体の声がほぼシンクロする。

4体目のロボットの後ろにまわりノートパソコンを開く。

悠は生成AIをダウンロードし、これまでの変更を更新する。

「君の名前はゼロで保存して。」

「俺の名前は悠、マスターに保存して。」

ゼロに悠の顔と声を保存、アルファとアイも続けて保存する。

「これでいいかな……。後はベータの登録だな。」

「…っと忘れてた。俺の顔作らないと。」

ゼロとアイを充電スタンドに戻し、アルファを隣の部屋へ移動させる。

悠はアルファの後ろから入ってきてデスクトップに座る。

逢の残した写真を3Dイメージにしてプリントを始める。


2日後、ベータはプログラミングを続けている。

悠の顔が出来上がる。

「ベータ、プログラミングを中断して、顔のヤスリがけと色塗りして。」

「ゼロ、了解しました。」

ベータは手際よく顔をつくる。

「完了しました。」

「ベータ、プログラミングを中断したところから再開して。」

ベータは無言で再開する。

悠は自分のデスクトップの椅子をひく。

「アルファ、こっちに座って。」

悠はテキスト画面を開き、アルファのタイピングをテストする。

「ベータの経験はほとんど入ってないな。」

テストを何度も繰り返す。

「完璧だな。」

「アルファ、こないだ会話した人格形成学習モデルの既存の仕組みファイルは昨日入れといたけど、修正できる?」

「ユウ、確認しました。修正は可能です。」

「OK、ではお願いするよ。」

アルファは無言でプログラムを修正する。

2体のタイピングが秒の間を拍をきざむように音を出す。

悠は仕事部屋を出る。

自分の顔をしたお面にドライヤーをあてた後、ゼロにつける。

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