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罪人  作者: 天内翔


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組織構成

マモンは、この計画の先に一体何が待っているのか見当がつかなかったが、多くの人達を巻き込み、日本中を混乱の渦に落としていくだろうとなんとなく気づいていた。この組織のボスから次の計画はまだ聞かされていないが、どうせろくでもない計画なのだろう。 

 この組織はソロモン七十二柱の悪魔にちなんで、七十二人の構成員からなっている。ただその七十二人のうち何人かは、部下を何人も従えているやつもいる。さらに、その七十二人とは別に、七人の幹部がいる。かくいう私もそのうちの一人である。順に紹介していくと、傲慢の罪であるルシファー、嫉妬の罪であるレヴィアタン、憤怒の罪であるサタン、怠惰の罪であるベリフェゴール、暴食の罪であるベルゼブブ、色欲の罪であるアスモデウス、そして私、強欲の罪であるマモンで部下と幹部は構成されている。

 それに加えてボスがいる。ボスは悪魔ではなく神と自称している。その素顔は七十二人の構成員はおろか幹部でさえも誰も知らない。この組織ではあるルールがあった。それは名前をもらった七十二人はもらった名前で呼びあうこと。だから事あるごとに、名前を思い出さなくてはいけず、とても煩わしい。

 ボスはなんと呼ぶかというと、ただ神と呼ぶようにと言われた。これは一種の洗脳だと感じていたが、他のものはもちろんそんなことは承知の上とでもいうような態度である。この面倒くさいルールのほかに毎週木曜日、集会を開き、そこに全員が集まる。場所は、その時ごとに異なる。連絡には、メッセージを送ると消える、よく犯罪で使われているアプリを使っている。

 今日は、ボスから私一人だけが招集されていた。

 そのため、たった今、ボスのいる建物に車で向かっている途中だった。

 私は、私の所属している組織について考えていた。この組織を作った背景や、組織の中には、戦争を経験している軍人がいること。

 それからこれからのこの組織の行く末についてを。

 私は、途中コンビニに寄り、ビニール傘と、缶コーヒーを買った。

 生憎の雨で、雷が轟いている。ワイパーを忙しなく動かさなくてはいけない。ワイパーのキュッキュという音が私はとても嫌いだったが、生憎と対処法は知らなかった。

 そうこうしているうちに目的の建物に到着した。

 ドアの隙間から、ボスがいわゆる金の装飾があしらわれた玉座に座っている様子が見えた。

 私は、「失礼します」とことわり、ドアを開ける。

「急に呼び出して悪かったな。マモン」

 と気の毒そうにボスは言う。

「いえあなたさまの呼び出しならいつでも駆けつけます」

「じゃあ早速だが、なぜ呼び出したか話そう」

 と私は内心とても不安になりながら、聞いていた。

 少しためてボスが仰せられた。

「当初の予定では、なんの罪もない善良なる人達を殺すということは予定に全く無かった。しかし、結果として刑事が何人か亡くなってしまった。どう説明してくれるのかな」

 私はそれを聞き、下手に言い訳をするよりも事実を話すのが得策だと感じた。なぜなら、静かな憤りが感じられたからである。

「確かに最初は殺すつもりはありませんでした。しかし、想定よりも爆薬の量と配置が悪く、大勢の死者が出てしまいました。誠に申し訳ございませんでした」

 私は、頭を深々とボスに向かって下げる。

 しかし、ボスは、冷めた目を私に向かって向けてきただけだった。

「言い訳を聞きたいのではない。しかし、もう過去は変えられないのは事実だ。今後はこのようなことがないように。直接呼び出したのは念を押すためだ」

 と厳しい口調で説教をボスにされてしまう。

 他にも関与しているメンバーがたくさんいるのにとは思いつつ心のなかでその思いは止めておいた。

「はい。誠心誠意努力していきます」

 と頭を下げて、私は建物から出た。


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