二問目
「今までの愉快な気持ちが消し飛んでしまったし、早く続きをしようか。じゃあサイコロを振ってくれたまえ」
俺はさっきよりも弱い力でサイコロを振った。すると、37が出た。
「7✕37で259分、時間を与えるよ」
「さっきよりも時間が少ないな」
「もしかして一問目が実はとても難しかったとか感じているのかい?」
とからかうような調子で訊いてくる。だが、そんなことは気に留めず、訊いた。
「そうかもな。二問目はなんだ?」
「二問目は、ルービックキューブの全面揃えだよ」
ルービックキューブと聞かされたとき、俺は子供の頃によくやっていたなということを思い出していた。
しかし、ルービックキューブにも色々種類がある。
そして、制限などもつけることができる。
そんなことをされたらクリアできないかもしれない。例えば、足で揃えよとか、目隠しして揃えよとかそんな内容だったらさすがの俺でも対応できないかもしれない。
しかし、まだ条件もなにも言っていない。
弱気になるなと気持ちを引き締め直した。
「クイズとかなぞなぞとかだけじゃないんだな」
「そうだよ。そのつもりで覚悟しておいてね」
と言い、部下にルービックキューブを持ってこさせた。
二時間がたち、ようやく3✕3のルービックキューブを揃えることができた。
「ほら、できたぞ。三問目は?」
「誰もルービックキューブは一個とは言ってないよ」
それを聞いたとき、正直頭が真っ白になる。
フェアな勝負というのは嘘だったのかと心の中で罵ったが、相手を刺激するのは悪手だ。
できるだけオブラートに包んだ言い方をしよう。
「そんなの卑怯じゃないか?」
「僕はただルービックキューブを揃えよと言っただけで、揃える個数や揃え方の指定など少しもしてないよ」
「確かにそうだが、だとしてもズルいだろう」
「事前に条件を訊いてくれれば、その条件通りに次からやってくれればいいよ」
ととても信用できないようなことを言い始める。
「これは、アドバイスだが、決まりはしっかり守ったほうがゲームは面白いと思うぞ」
俺は必死さをできるだけ隠して言う。
「善処するよ。じゃあ次は5✕5のルービックキューブを揃えてもらおうかな」
すぐにそのルービックキューブを相手の手から取り、揃え始めた。3✕3の時より難しく、残り時間は五分を切っていた。
内心焦り始めて、額に出ている脂汗を手で拭う。
「あれれ? 残り4分28秒だよ。大丈夫かな?」
と仮面の男が煽り始めた。感情を高ぶらせて、マトモな思考をさせなくする狙いだろう。
だがその手には俺は乗らない。
焦りは禁物だと自分に言い聞かせて、深呼吸をして心を一度落ち着かせた。
残り一分を切ったところで、俺はようやく全面揃えることができた。
「お見事。お見事。逆境にも打ち勝つほどに強いとは。鋼のメンタルを持っているね」
とまたパチ、パチと拍手をした。
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