70 雪の中での狩り
手合わせから4日後
『ムトウよ。明日からまた晴れるだろうから、出発するなら準備をしておくと良いぞ?』
朝食を作っていると、白龍が明日の天気を教えてくれた
「もう出発出来る様になるのか~。意外と早かったね~」
ムトウ的には「あと数日は無理」だと思っていたが、白龍の言葉に笑顔で返す
「アリス~ライちゃ~ん。明日出発するから、昼くらいには片付けしておいてね~」
荷物なんて格納庫に放り込めばいいのだが、『幼い頃から楽を憶えさせるのは良くない』と、片付け等はしっかりやらせている
(アリスもそのうち格納庫を憶えるだろうけど、今はまだ早いからね)
ライちゃんは普段は体内に取り込み、自由に出し入れしているので、格納庫とは違った収納なのだろう
うっかり消化しないあたり、使い勝手はよさそうだ
朝食を済ませた後は各々は自由時間となる
アリスはライちゃんと手合わせをし、白龍がそれを見守っている
ムトウは格納庫の整理と肉のストック確認をしていた
(う~ん。明日以降のお肉も考えると心許ないかなぁ···)
洞窟に避難する前はかなりのストックがあったのだが、白龍の分まで消費していればストックはどんどん減っていくのは当たり前だった
(明日以降も狩りをしながらだと少し大変だよな···。白龍がいる事だし、俺は狩りに行こうかな)
そう考えたムトウは皆に「ちょっとお肉の調達に行って来る」と言って出掛けるのであった
少しだけ雪が降る中、静かに獲物が来るのを待つ…
「ここは雪兎の通り道みたいだからそれを狙って来る肉食を狩ろう」
防寒の毛皮で身を隠し、静かに獲物を待つ…
手には投擲ナイフが握られている
「静かだなぁ…。世界が俺一人になったみたいだ…」
白銀の世界に一人
唯々獲物を待つ…
時間も忘れるほどの静寂の中、投擲範囲内に現れる獲物を待つ
「…。(来た!!)」
わずかに盛り上がった雪に向かって投擲すると、小さな悲鳴があがり、雪が赤く染まる
「おぉ。意外と大物だったな」
仕留めた獲物を確認すると、白い兎の首にナイフが刺さっており、絶命していた
「…。命に感謝を。お前のおかげで命を繋げる事ができる」
兎に感謝しつつ素早く血抜きを済ませて格納庫にしまう
血の匂いに誘われて現れる獲物も少なくないので、少しだけ離れた場所で再び獲物を待つムトウであった
─それから30分後─
「予想外の量だな…」
ムトウの目の前には4頭の森熊が倒れていた
ムトウが再び隠れてすぐに1頭の森熊が現れ、血の匂いを嗅いでいるところを強襲
首を飛ばして離脱する
すると、他からも森熊が現れたので次々と狩りとった
そして血抜きを済ませたムトウは獲物を回収して洞窟へと戻る事にする
「今夜は豪華に熊鍋だな♪」
予想外の成果にウキウキで帰るムトウであった




