68 白龍からの条件
外は絶賛吹雪中···
普通の冒険者ならば、危険を承知で食材集めなり、街への帰還を試みるだろう
しかし、ここにいるのは普通と違う次元にいるムトウは
「吹雪凄いねぇ~。薪も食材も大量にあるから、このまま一冬過ごせるけどね~。ついでに扉でも設置する?そうすれば防寒くらいにはなるよ~」
洞窟の主である白龍にそう提案していた
『扉なんぞつけたら出入りが面倒ではないか?それに、我はこの程度の寒さ等なんともないぞ?』
まぁ、確かに龍ならこの程度の吹雪は平気だろう
しかし、ムトウにはアリスがいるのだ
現在アリスは少し離れた場所で体力作りの運動をしている
家とは違い、洞窟内はそれなりに冷えるので、体を動かす方を優先させているのだ
「それは理解しているけど、あの子はまだ子供だから、強くはないんだよ。だから、この洞窟にいる間だけ風を防ぐ扉を設置したいんだ」
駄目なら違う場所へと移動するしかないが、この龍は話を聞いてくれるし、対価を払えばある程度は許してくれそうな気がしていた
『ふむ···確かにあの子はまだ子供だな。ならば、こちらの条件を受け入れよ。そうすれば扉でも家でも作って構わぬぞ?』
思ったよりいい許可が出たが、条件ってなんだろう?
出来るだけやるけど···
『なに、そう構える事ではない。条件は2つじゃ』
白龍はそう言って条件を提示してきた
『まずは食事じゃ。ここにいる間は食事を用事せよ。内容は任せるが、不味い物は受け付けぬぞ』
「それなら大丈夫だと思う。リクエストがあればなるべく作るよ」
ムトウの予想通りに食事が条件に出てきた事に少し安堵する
『2つ目はお主の実力を見せてもらおう』
は?実力を見せてもらおう?
『なに、お主と少し手合わせしたいだけじゃ。適度に動かねば体が鈍るからな』
あ~···そういう事ですか···
冬の間はあまり動かないから、丁度いい相手扱いなのね···
でも、それだと俺が死なないか?
運が良くて瀕死では?
『なに、軽い運動じゃよ。それに、死にかけならば回復できるので、安心せい』
それは···死にかけになる事が確定って事だよね?
『それに···お主の本気なら我を屠れるであろう?』
白龍からの重圧がムトウを襲う
「···まぁ、アリス達に気を遣わなければ可能ですね~。それじゃあ、軽くやりますか~?」
飄々とした雰囲気で重圧を流し、奥へと歩き出す
「あっ!アリスは来ちゃダメだよ?巻き込んじゃうからね?大丈夫大丈夫♪ちゃんと『手加減する』からさ」
心配するアリスを安心する様に微笑むムトウだが、その言葉には絶対の自信を感じさせていた
『うむ。その通りよ。童はそこで待っているといい』
白龍もムトウの言葉に頷き、ムトウと一緒に奥へと進んで行く···
そして暫くすると、洞窟の奥から轟音と暴風が洞窟内を襲う事になったが、アリス達には白龍の結界が施されており、実害は皆無であった
しかし、洞窟を中心とした周りの生物達は恐怖により逃走···
暫くの間生物達が近づく事はなくなってしまった




