第40話 お風呂って最高だよな!!
怒られる準備はできている。腹をくくろう。
ガチャッ
俺は扉を開ける。
「あら、セイガおかえりなさい。どこへ行ってたの?昨日、起きたらいなかったからビックリしたわ」
ギクッ
「う、うん。早くに目がさめたから少しさんぽしてたら、ジェシカが食べれるって言ってたきのこがあったからそれをとってたの。むちゅうになってたらキレイなとこに出てね、そこで休んでたの。そしたらねちゃって……」
「あら、そうだったの。まだ3歳だものね。疲れたら回復のために寝る。セイガはその本能に従っただけで、何も悪くないわ」
よしっ、母さまを手に入れた。
「ジェシカはどこ?それにブリュートはまだ帰ってないの?」
「ええ、ブリュートはまだやることがあるからって手紙が来たわ。ジェシカは、私のお父様とお母様を連れてくるって王都へ下りたわ」
「母さまのお父さまとお母さま?」
「ええそうよ。セイガにとってはお祖父様とお祖母様になるわね」
祖父母か……。
「おじいちゃまとおばあちゃま、はやく会いたいな」
俺、鈴音の頃は祖父母はいなかったからな、地味に嬉しかったりする。
……あれ?そういえば、父さまの方の祖父母に会ったことないな。
「僕、父さまの父さまと母さまに会ったことないよ?」
「そういえばそうねぇ。今度王宮へ行ったときにご挨拶しましょうか」
「うん!!」
父方の祖父母もいるのか、楽しみだな。
「ほらセイガ、お風呂に入って着替えてらっしゃい。服が泥だらけよ」
あ、結界で転んだの忘れてた。帰りはシアンに送ってもらったから大丈夫だったけど。
「分かった。そうだ母さま、ブリュートとジェシカには“シーッ”だよ?」
俺は人差し指を唇に当てて言う。
「わかったわ、“ないしょ”でしょ?二人できのこ狩り行ったことにするわね」
母さまも可愛らしく言う。
口止め完了!!
さて、おっ風呂、おっ風呂〜♪
お風呂は素晴らしい!!
この国ではお風呂という文化がない。それどころか、他の国では、温泉はあるがお風呂がなかったり、お湯に浸かるという考えさえない国が多いのだそうだ。なんて可哀想なんだ、この幸せを知らないなんて……。
その点、このルザーナでは確かに文化はないが、王族だけがお風呂に入ることを許されている。王族と言っても、正確には王の孫までだ。
例えば、前王(俺のお祖父様)には二人の息子(父さまとおじ様)がいる。この場合、おじ様に子供がいるとすると(今のところいない)、おじ様は王族であっても次期王(現王、父さま)ではないので、お風呂に入る権利はおじ様の子供までとなる。
また、父さまは現王なので、父さまの孫までが権利を持つ。もちろん権利を持っている人は、亡くなるまでそれは有効だ。
俺、父さまの子供に生まれて良かった!!
ほら、だって鈴音だった頃は毎日お風呂が身近にあったんだぜ?それなのにこっち来て、「オフロ?そんなんありませんぜ?え、お湯に浸かる?ハハハ、何バカなこと言ってんですか。そんなもの飲んで捨てちまいましょうや!!」なんて言われたら終わる!!元日本人には耐えられない!!
コホンッ……ま、まあお風呂があってよかったよ、うん。




