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シルフの舞~精霊と人の輪舞(ロンド)~  作者: 風間 義介
一章「精霊を操るもの」
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五、

 勇樹がシルフにまとわりつかれながら、耕介と共に本体との合流を急いでいると、戦闘の音が耳に届いてきた。

 どうやら、本体かどこかの班が戦闘を行っているらしい。

 「急ごう、耕介」

 「そうだな!」

 言いながら、耕介はすでに剣を抜いている勇樹よりも先を走っている。

 「……あの子、元気だねぇ」

 「鞍替えしたくなったか?」

 「それはないわねぇ……だってあの子の生命力(マナ)土の大精霊(ノーム)寄りだもん」

 反対の属性の人間の生命力は好みではないらしい。

 勇樹は少しばかりあきれたようなため息をつきながら、先行している耕介の後を追いかけた。


 勇樹が交戦中の班と合流すると、シルフが手甲に収まり、戦闘態勢に入った。

 「チェス……トーーーー!!」

 班員と戦っていた妖魔に拳をあて、気合と同時に風の力を解き放った。

 その瞬間、殴られたレッドキャップはその力に吹き飛ばされ、その周囲にいた他の危険な妖魔も一緒に吹き飛ばされた。

 「勇樹くん、後ろ!」

 聞きなれた桜の叫び声が耳に入る。

 視線を背後に向けると、一匹のレッドキャップがこん棒を振りかざして襲いかかっていた。勇樹は右腕を振り上げ、こん棒を受けとめる。手甲を殴りつけたはずのこん棒は、その表面に傷一つつけることなく、真っ二つに折れた。いや、「折れた」というよりも「斬られた」という方が正確なのかもしれない。

 こん棒の断面は、鋭利な刃物で切られたかのようになめらかなものになっている。

 何が起こったのかわからないまま落下するレッドキャップの脳天に、勇樹は振りかざしていた右腕を落とす。すると、今度は手甲がレッドキャップの脳天から股間まですり抜けていく。体を二分割した傷だが、そのわりに出血は少ない。そして、不気味なことに手甲には血のりがまったくついていないのだ。

 「風刃甲(ふうじんこう)、とでも名付けるかな……」

 勇樹はぽつりと、つぶやくと同時に、どさりと重々しい音を立ててレッドキャップだった肉塊が地面に落ちた。

 「……耕介、どうやら俺達はぐれたみたいだな」

 あらかた戦闘が終わったことを察すると、勇樹は同じ班員の耕介に声をかける。耕介はその言葉に、みたいだな、とそっけなく返し、持ち歩いていた通信機で本体と連絡を取り始めた。

 「勇樹くん、ありがとう」

 「何が?」

 「助けてくれたこと」

 さてどうしたものか、と考えを巡らせていた勇樹に桜が礼を言った。勇樹は何に対しての礼なのかまったく理解できず、思わず聞き返してしまったが、桜はにっこりと笑いながら、理由を教えてくれた。

 勇樹が、そっか、とそっけなく返すと、いつの間に出てきたのか、シルフが桜と勇樹の間に仁王立ちし――正確には仁王立ちの姿勢で宙に浮き――桜に食ってかかった。

 「ちょっと!わたしの勇樹に気安く話しかけないでよ、小娘!」

 「こ、小娘はひどいよ!これでももう十六よ、お母さんにだってなれるわよ!!」

 「あら、わたしからしてみたらまだまだひよっこよ?たかだか十六歳なんて」

 ――いやいや、たかだか百年しか生きられない人間なんて、精霊からしてみらたいつまでたってもひよっこもひよっこじゃないか……

 そのような口げんかの合戦を傍から眺めながら、シルフの一言に、勇樹は思わず心のうちで突っ込まずにはいられなかった。もっとも、実際に口に出して言わないのは、この二人(一人と一柱)の面白いやり取りを少しでも長く眺めておこうと思っているからなのだが。

戦闘シーンの多め、と思ったんですけど……

すみません、レッドキャップってわりと身長低いから一瞬で決着がついちゃいました……

trpgだったらチュートリアルってことで許されるんですけどね……

次は頑張ります

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