マサヒロ(長田 雅博)の人物紹介
◆「マサヒロ(長田 雅博)」の設定資料(嘘告事件前)
誕生日:04/23(17歳)
身長 :162cm
体重 :45kg
好き :勉強(学校の勉強だけでなく、知識を得ること全般)、運動、佐々木先生、お母さん、食べ物全般、悪ふざけ、善意、カラオケ
嫌い :人間の悪意、利己的な頭の悪い奴
一言で:勉強だけではないガリ勉
◆名前の由来
雅博なんですが、まず最初にこのキャラには女装をさせようと思っていて、女装が似合う十代後半の男子というのを思い浮かべたら、ジャンプで少し前に連載が終わった歴史物の主人公が思い浮かんだんですよね。
そこから北条政子が頭に浮かんで、ちょっと崩して北條雅子にしようと思ったのが全ての始まりです。
マサヒロよりマサコの方が先に生まれてたんですね。
その上で、雅の字と、勉強だけじゃないガリ勉ってことで、「学」でも「勉」でもなく「博識」の意味で「博」を使い、雅博が完成しました。
今思えば、名前を決める時点でだいぶキャラが定まっていたようですね。苗字は適当に、チビなのに長田。みたいな感じの言葉遊びです。
◆以下、作者目線のマサヒロに関する考察(マサヒロが自分でどう思ってるかはマサヒロにしかわかりません)
身長は162cmと低く、ガリガリ。ドギツイメガネをかけているので、屈折でめちゃくちゃ目が小さく見えているが、メガネを外すと、ミレイもびっくりするくらい綺麗な顔をしている。
それもそのはず。マサヒロの母、彩加(三十五歳)は高校時代、たまたま遊びに行った原宿でスカウトされ、アイドルとしてデビュー目前まで行ったくらいの美女だ。
彩加は十七にしてマサヒロを妊娠し、散々悩んだ挙句、出産を決意。高校を中退し、実家からは半ば勘当された状態で、祖母の住む旧中園に身を寄せた。
父親は不明だが、どうやら現在でも芸能活動をしている、中性的な顔をした俳優にマサヒロが似ているとかなんとか。
マサヒロは母親に「親父が憎くはないのか?」と聞いたことがあるが、「別に、やりたい事が違っただけ。アイツは自分の夢を追って、私はあんたを育てたかった。それだけ。悪い奴じゃなかったよ」なんて言われたので、それ以上は聞かなかった。
この母親が何を考えているかはわからんが、「父親に対する憎悪なんて感情を息子に与えたくない」ということだけは、行動からわかっているからだ。
『言葉に出すのはもちろん大切だ。だが、人の本質は行動に出る。だからこそ、礼には義で返すものだ』と、佐々木からも教わっている。
シングルマザーの母親が佐々木に対して女としての視線を向けているのが、思春期の男子としては若干困るが、「人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られて死んでしまえ」ともいう。
家を出ると、近くの牧場に普通に馬がいるので、そんな死に方をしたくないマサヒロは黙って今日もガリ勉をする。
高校一年生の頃はガリ勉すぎてクラスでハブられていた。嫌がらせを受けることもあったが、マサヒロに嫌がらせをすると普通に反撃してくるので、最後はシンプルにハブで終わった。
二年生のクラス替えで、ヒナとレオンを中心に「みんな仲良く」の雰囲気になって若干驚いていた。グループチャットに招待された時は普通に嬉しかったのに、勉強に集中していてグループに入り忘れていた。
勉強に忙しいのと、周りの奴と話が合わないだけで、バカなことをやったり騒いだりするのは好きなので、体育祭の打ち上げに誘われた時はめちゃくちゃ嬉しかったし、打ち上げのお好み焼き屋では、お好み焼きの起源について語ってテーブルを盛り上げた。
クラスメイトの事を横目で観察しており、一学期が終わる頃には表面的なものであるが、マサヒロの頭の中にはケイタが今作っているプロファイル帳のようなものがすでに存在していた。
嘘告事件前のマサヒロにとってのレオンは普通にバカな奴だけどそんな悪い奴でもないくらいの感じで、その他大勢のバカと同じ話が合わないだけのやつだった。
母親が美人な大人の女性すぎて、同級生の女子にあまり興味がない。要するに無自覚なマザコンである。中学時代に好きな子がいたと自分では思っていたが、バカしかいない連中の中で、唯一多少会話ができたというだけで、本人の勘違いである。
「好きな相手を好きじゃない」と勘違いするバカがいる一方。逆も然りということだ。
ちなみに、学年一位の永続魔法を使っているガリ勉のせいで目立っていないが、学年二位のガリ勉も二年間の間で一度も変わっていない。
その女子にとってマサヒロは目の上のたんこぶで、一方的にライバル視している。多分三年になったら特進クラスってことで、同じクラスになるんじゃないかな。
この物語のメインキャラである五人のうち、マサヒロだけ本当にモテない。他のクラスの人から見れば、チビでガリガリで分厚いメガネをしている陰気な男に見える上に、一年生の時はクラスでハブられていたわけだから、当然だ。
しかし、嘘告事件をきっかけにクラス内には「悪ふざけにブチギレるガリ勉って悪くないかも」なんていう変わった女も出てきたようだ。
最近は『ガラパゴス村民同盟』の会議でミレイとよく一緒にいるマサヒロだが、それを周りがどう思っているかは、筆者にもわからないことだ。
◆家族構成
・彩加(母 / 35歳 / スナック経営 / マサヒロと佐々木先生が好き / 場末のスナックにしては割と客がいるので、本当はさほど貧乏ではないが、マサヒロが「私立大学の理系に行きたい」などと言い出した時に奨学金が通らなくても学費と生活費を捻出できるように節約している)
◆マサヒロのテーマは『◯◯』
嘘告リベンジの主要人物は皆、何かしら大きく欠損している部分が存在しており、それが物語を複雑にしています。
ただ、マサヒロに関しては、さほど大きな欠点という欠点はなく、物語を動かすためのキーマンとしてのテーマを背負っております。
マサヒロのテーマ『◯◯』に関しては、最終話公開後の人物紹介(2)にて明かします。
よかったら、皆様で予想し合って、コメント欄で発信してくれたら楽しいんじゃないかなって思います。
(返信は全員にしますが、正解かどうかは絶対に答えません。全て玉虫色の返事をする予定ですが、コメントが無いと私が滑ったみたいになるので、どうかご協力をよろしくお願いします笑)
また、最終話後の人物紹介(2)にて、「こんなことを教えて欲しい」みたいなことも、コメント欄に書いていただければ、可能な範囲で用意いたします。
◆佐々木との関係
マサヒロにとって人生で一番の幸運が、裕福とは言えないが愛情深い母親の元に生まれたことだとすれば、二番目は佐々木との出会いだ。
学年全員合わせて十七人しかいない学級。大荒れしているわけではない。そもそも荒れるほど人がいない。だが、勉強に興味のある人間が皆無だった。
妊娠が発覚するまでは都心で、美人で有名である以外は普通の女子高生をしていた母親。当然大学進学も視野に入れて勉強をしていたらしい。
「私は高校すら辞めちゃったけど、男は大学に行った方がいいよっ! 楽しいこともたくさんあるし、頭の良い男は大人になるとモテるんだよ! せっかく可愛く産んであげたんだから、勉強して、素敵な出会いがあったら絶対にモノにしなきゃねっ! このこのー」
なんて抱きついてくる母親がいたし、マサヒロ自体も勉強が好きだったので、小学校時代は昼間は学校に行きつつ、夜になると母親の働くスナックで家庭学習に勤しんでいた。
中学に入ってからも、自分で教科書を読めば正しい答えを導き出せるし、インターネットなどで勉強の仕方も調べられたが、自分のやっていることが正しいかどうかを教えてくれる人はいなかった。母の彩加も結局大学受験などしたことがなかったのだから、当然だ。
転機は二年生の時だ。新しく赴任してきた佐々木は、ちょび髭を生やした年齢不詳のおっさんだった。ただ、初対面でわかったことが一つ。顔面が異常に整ったおっさんだということだ。
なんていうか、往年のアイドルがアイドルを卒業して俳優に転身した……そんな感じの男だ。少なくともマサヒロの視界に入ったことのある人間の中で、こんな人間は今までいない。現役でアイドルだかなんだかをやっていても違和感がない水準だ。
外見はどうでもいい。問題はこの男、異常なまでに頭の回転が早い。これまで、大人も含めて自分より知能指数が高いと判断できる人間を見たことがなかったマサヒロにとってはかなり違和感を覚える相手だった。
その佐々木が、偏差値70を超える東京の『高田大学』を出ている事はなんら不思議なことではなかった。驚くべきは高校である。
茨城と福島の県境にある、偏差値30の『中津北高』出身という自己紹介を聞いて、クラスが湧いた。
マサヒロ以外のクラスメイトの半分程度の進学予定先だからである。名前を書けば受かる、中津北高校は、この辺の田舎ヤンキーたちが流れゆく聖地だ。高校の進路実績は……コンプラに反するので、ここでは伏せておこう。
とにかく、中学時代のマサヒロに、勉強だけでなく、友達の家に遊びに行った時のマナーや、女の口説き方、酒を飲んで潰れている人間をどのように介抱するかなど、さまざまなことを教えてくれた。
マサヒロはケンカなどしたことはないが、ヒョロガリのくせに割と好戦的だった。そんなマサヒロを心配してか、ある日突然『ガリガリでも勝てる喧嘩入門』なんていうオリジナルテキストを用意して、
「よし、特訓だ」
などといいながら、殴りかかるマサヒロにカウンターを放っていたが、彩加はそれを笑ってみていた。
マサヒロと佐々木の関係は高校に入学してからも続いており、なぜか佐々木は朝からマサヒロと彩加の弁当まで作ってくれる。
佐々木も私立大学の出身ということで、国立大学の入試に関しては素人だが、ツテを使って入試対策のプログラムを組んだり、奨学金についての資料を仕入れてきたり、いたせり尽せりだ。
マサヒロは高校の授業で習うことはすでに一通り勉強しているが、授業中に内職などをせず、真面目に授業を受けている。高校に入ってすぐ友達ができないというか、若干ハブられていることを、マサヒロが佐々木に相談すると、
「友達がいない? チャンスじゃないか。一年のうちに勉強しまくって一旦高校の範囲を終わらせて、二年時は授業を復習に使いつつ、ガリ勉タイムはアウトプットと細かい知識のインプットを中心に進めよう」
などと言って、せっかく作ってくれた学習計画をすぐに作り直したからだ。そして、マサヒロが「学友と話があわねえ」などと言いながらも、なんだかんだうまくやっていけているのは、マサヒロの元々の性格と、それを形成した母親の人間性に加えて、佐々木の言葉を大事にしているからだ。
「マサヒロよ。お前は頭がいい。まぁ、俺ほどではないがな。世の中、上には上がいるということだ。ガリ勉はガリ勉でも、他人を見下すような悪いガリ勉になってはいかん。お前の学習能力を人のために使える、良いガリ勉になれ。まぁ、俺はガリ勉なんかしなくてもなんでもできちまうんだがな……なんだその目は? やる気か?」
……とにかく、マサヒロはすでに返しきれない恩を受けてしまったようだ。ただ、なぜこの男がこんな田舎で教師をやっているのか。これだけはマサヒロにもわかっていない。
「秘密の一つや二つあった方が、男は魅力的なもんだろ?」などと宣いながら、佐々木は今日も彩加のスナックで飲んだくれている。
◆小話:佐々木からチャーハンの作り方を教わるマサヒロ
マサヒロの実家は一階がスナックで、二階に居住スペースといった作りとなっている。これはマサヒロの母親が亡き祖母から相続したものであり、現在バーは彩加が切り盛りしている。
総人口が一万人にも満たない地域の割に客が多いのは、シングルマザーとはいえ35歳。まだまだ綺麗どころの上、明るく賢く気風の良い彩加の人気の賜物だろう。
場末のスナックと言うにはそこそこ賑わっているので、常に何かしらおっさんの歌い声が聞こえてくる。二階に避難しても裏声が壁を貫通してくるので、マサヒロはうるさい場所でも集中して勉強できるように育っていた。
なんなら中学校二年生の終わり頃には、
「若干聞こえっか聞こえねーかって音よりか、うるせえってわかってる場所の方が集中できるんじゃねえか。いちいち上と下を、行ったり来たりすんのもめんどくセーしな」
などと言いながら、スナックの席でおっさん達に絡まれながら、客として酒を飲みにくる担任の佐々木の横で勉強をしていたのだから、大したものだ。
「マサヒロよ。俺は客としてきているんだ。酒くらい飲ませろ」
「あぁ、悪い悪い。んでよぉ、ここんとこはこれであってんのか?」
「あぁ、ここはちょっと面倒くさいんだが——」
ウイスキーロックに浮かんだ巨大な氷を指でくるくる回しながら、マサヒロの質問に答える佐々木。周りのおっさん達も、歌は歌うし絡みに来たりはするが、マサヒロのガリ勉スイッチが入れば、そっとしておいてくれはした。
明日も朝から仕事だと言うことで、佐々木を残したおっさんたちが帰宅すると、彩加がマサヒロに声をかける。
「ねえ、まーちゃん! サブレ先生の作るチャーハン食べたことある? すっごい美味しいんだよっ!」
「チャーハンだぁ? 食ったこと……ねえな。あーちゃんのよりうまいのか?」
「サブレ先生はプロだよプロっ! 店で出したいくらい!」
「あーちゃんは店で出してんだから、プロだろうがヨォ」
「わかってないなぁ……全然違うんだからっ! あーちゃんは力がないから中華鍋なんか使えないのっ! まーちゃんが作れるようになってっ!」
「そういうモンなのかぁ。佐々木、教えてくれ」
「ふっ。俺の指導は厳しいぞ。ついて来れるかな」
ちなみにサブレ先生ってのは、担任の佐々木のことだ。学生時代に鎌倉銘菓の鳩サブレーをベースに生まれたあだ名を三十半ばになっても擦っているらしい。学校でも店でもみんな「サブレ先生」と呼んでいる。佐々木って呼んでいるのはマサヒロだけかもしれない。
「ボロスナックにしては良いキッチンがついていることが幸いしたな。ここならやっさんのチャーハンを再現できる」
「サブレ先生言い方〜」
「ふっ冗談だ」
「ふんふん」
——ペシペシ
35にもなって「ふんふん」などと言いながら、女の顔をして自分の担任の肩を殴る母親のことを、マサヒロがどう思ったかはわからない。今はチャーハンを教わる時間だ。そっちに集中しよう。
「まずは業務用コンロを最大火力にして、中華鍋をチンチンにするんだ」
「チンチン?」
「最大まで熱くすると言う意味だ」
「なるほど」
「まーちゃん! ちんちんだって! おちんちんだってさっ!」
「あーちゃん。ちょっとだけ黙っていてくれないか? 今はチャーハンを教えてもらってるんだ」
「まーちゃんノリわるーいっ!」
「ふっ。どこにでもいるものだな。下品な女というのは」
「佐々木が言うのか。それを」
「まあいい。続けるぞ」
「ああ」
……。
酔っ払って下ネタに喜ぶ美人の彩加と、それをたしなめながら、真面目なのかふざけているのかわからない説明をしながらチャーハンを作る佐々木。逐一メモを取りながら、佐々木の一挙一動を逃さずに観察するマサヒロ。
こんな日々が一生続けばいいのだが、そうもいかない。出会いがあれば別れもある。人生なんてそんなもんだ。
だからこそ、知識というのは良い。学びというのは楽しい。自分の頭にしまったものは、誰にも奪われないのだから。
ガリ勉は学ぶ。学校の勉強だけでなく、全てを。
……。
——佐々木が教えてくれたチャーハンは、確かにプロの味だった。俺にこんなものが作れるようになるのだろうか。まあいい。料理は科学だ。再現性……試行錯誤、実験、反復練習は得意な方だ。いつか気の合う友達ができたら、その時に作ってやるってのも……悪くねえな。




