ヒナ(佐伯陽菜)の人物紹介
◆「ヒナ(佐伯陽菜)」の設定資料
誕生日:4/10(17歳)
身長 :158cm
体重 :XXkg
好き :肉、魚、野菜、果物、米、パン、麺……つまり食べ物全般、スポーツも全般、ゲーム全般(テーブルゲームを含む)カブトムシとかクワガタみたいな虫、動物全般、楽しいこと全部、ケイタ(?)
嫌い :勉強、同じことを繰り返しやること
一言で:ノータリン元気っ子のフィジカルモンスター
◆名前の由来と小話
陽菜は最近流行っている名前のランキングで上位に食い込んでいる名前ですね。知り合いのお子さんにも何人かいらっしゃるようで。
可愛い名前だなって思って選びました。佐伯は適当に小学校の時の友達の苗字です。
佐伯……彼はブラジルからの転校生で喧嘩になるとよく、流暢なポルトガル語で訳のわからない罵詈雑言を吐き出していました。
中学生になって「Sua namorada é muito feia!」などとふざけたことを抜かしていましたが、サッカーの上手い男前に成長していたことを覚えています。
ちなみに、「Sua namorada é muito feia!」は「お前の彼女は超ブスだ」という意味です。
……。
まあいい。
元々この嘘告リベンジは、酷いことをしたヒナとレオンが——(この続きは最終話の後に公開する人物紹介(2)でお話しします)
◆以下、作者目線のヒナに関する考察(ヒナが自分でどう思ってるかはヒナにしかわかりません)
身長は158cmと女子にしては高め。天真爛漫な元気っ娘で、基本的にいつもニコニコしている。明るくて誰にでも分け隔てなく話しかけるクラスの人気者。
運動が得意で体育祭では小学校の頃からずっとリレーの選手。中学時代はテニス部のエースだったので、たまにエリカの練習に付き合ったりしている。勉強は苦手ではないが、集中が続かず、すぐにスマホをいじっちゃう。
何にでも興味があり、水泳、ピアノ、英会話教室などの一般的な習い事から、空手、柔道、少林寺拳法などの格闘技、バスケ、バレーボール、テニスなどの球技まで、様々なものに手を出した結果どれも長続きはせず、唯一テニスだけが残った。
習い事だけではなく、突然「ヘラクレスオオカブトを飼ってみたい」などと言い出し、ケイタを連れ出す。
ヒナの無茶振りに応え続けた結果、割となんでもできるようになってしまった男がケイタである。
パーフェクトに見えるヒナだが、致命的な欠陥がある。
この女、頭の中がお花畑のバカであり、天性のハプニングスターで様々な事件を起こす。
まず、幼馴染のケイタを男として意識していない。
バカである。
ケイタはどう考えてもハイスペックな男で、そんなケイタが自分に全力で尽くしているというのに、惚れない。
いや、そもそも一緒にいるのが当たり前すぎて、「ケイタのことが大好き」という自分の感情に気づいていない。
「ケイタ? 確かにいつも一緒だけど、幼馴染だし普通じゃない?」
などと、頭のおかしなことを中学でも高校でも言い続けてきた結果が本作のトラブルの元となる。
本当にバカな女だ。
まったく。
そんなことだから、ケイタのことを好きな女たちから疎まれていて、肩をぶつけられたり、足をかけられたり、細かい嫌がらせをされることもある。
しかし、天性のフィジカルモンスターヒナは、普通に歩いていても肩をぶつけてきた方が吹っ飛ぶので、「あ! ごめん! 大丈夫?」みたいな感じで嫌がらせに気づかない。
ケイタのこと以外に関しては悪意に鈍感なくらいで、友達が落ち込んでいたりすると、すぐに声をかけに行く。
高校一年生の時、ミレイに最初声かけたのも、一人で寂しそうにしているように見えたからだった。
同じクラスになったり、近い環境の人間には好かれやすいが、クラスが違ったり、少し離れた距離の女子からは「天然キャラうぜぇ」と嫌われやすい。
◆家族構成
・達郎(父 - 高田大学出身、ケイタの親父の部下で、役職は課長。ケイタの父親と仲が良く、休日はゴルフによく行っている。娘を溺愛しており、悪い男に引っかからないかと心配している)
・春香(母 - 高田大学出身。達郎とは学生時代に付き合い、卒業後すぐに結婚。東京のIT系企業に就職したのだが、達郎の転勤を機に茨城へ。現在はフルリモートでWEBデザイナーをやっている)
◆彼氏履歴
【一号(竹内)】
一年生の時にクラスが一緒だった竹内。高校一年生の5月、ゴールデンウィーク明けにチャットで「ヒナのこと好きなんだけど、付き合わない?」なんてメッセージを突然受け取ったのがきっかけだ。
ケイタがべったりだったせいで中学時代は告白されたことがなかったヒナは、初めての告白にテンパってしまった。バカなヒナが「オッケーっ!」なんて返信をしてしまったのが始まり。
竹内も悪いやつではなかったんだが、ヒナも竹内も、お互いに付き合ったからって何をやればいいんだかよくわからない状態。友達が多く、いつもケイタがくっついてくるヒナに辟易として、夏休み前に竹内から別れを告げる。
【二号(高橋)】
他クラスのサッカー部。花粉症。入学式で鼻水を垂らしまくっているのに、ティッシュがないところ、ポケットティッシュを大量に持ったヒナに助けられてから、ヒナが好きだった(そのポケットティッシュはケイタがヒナのために常備しているアイテム)。竹内と別れたという噂を聞き、すぐに行動に移る。
「ヒナ! ティッシュをくれた時から好きだった! 付き合ってほしい!」
竹内とは違い、直接アタックをかける高橋の熱に押されて、バカなヒナは「オッケーっ!」と答えたのが始まりだ。
付き合ったはいいものの、公立高校としてはサッカーに力を入れているため、夏休みは毎日部活。二人でしたデートらしいデートは、夏祭りに行ったくらい。
浴衣を着たヒナに惚れ直し、もっとヒナと一緒にいたくなってしまった高橋。しかし、悲しいかな。高橋は恋愛と部活を両立できるような器用な人間ではなかった。
ヒナに夢中になって、精神が汚染されることで、サッカーに集中できなくなっている事に、早い段階で気づいてしまった高橋は、愛と部活を天秤にかけ、部活を選んだ。
ヒナに別れを告げたのは9月の終わりのことだった。
メモ:この二人は特にヒナに悪い思いもなく、なんやかんや今でもヒナのことを好きだし、友達としては仲良くしている。
【三号(辰村)】
高校に入ってから半年で二人の男と付き合って別れたというヒナを軽い女とジャッジ。
異性に興味関心を持つのは年頃の男子として当然だが、こいつは性欲を推進力として、全速前進。9月の終わりに別れたヒナに告白したのは10月の終わり。
2回付き合い、2回ともすぐに別れたヒナ。流石に今度はちょっとだけ冷静だ。「ちょっと、考えさせてほしい」などと、シンキングタイムを設けた。
しかし、運の悪いことに性欲魔神辰村はヒナグループの女子、レナと中学が一緒で話す程度の仲であった。
クレープを使ってレナを懐柔し、「別に、付き合ってから好きになるって、あるあるじゃない?」なんぞとヒナを説得させた結果、交際が成立。
付き合ったその日にそのまま手を繋いで下校に成功した辰村。次はハグだとステップを踏み、前のめりに行くものの、ことごとくヒナに拒否される。ヒナに理由を聞いても「まだ早いんじゃない?」などと、茶を濁される。
それでもこいつは諦めなかった。会うたびに「まだだめ?」と、前向きな姿勢を見せるも、ヒナの様子は変わらない。
ついに、痺れを切らした辰村が、人気の無い公園でヒナに抱きついたのは二月のことだ。実力行使と行こうとしたが、天性のフィジカルモンスターのヒナを物理的に抑え込むことはできず、逃げられ、その日の夜にヒナからメッセージが届く。
『ごめん。別れよう』
誰が流したかはわからないが、ヒナの性的な噂が積極的に流れ始めたのはこの頃だ。
【四号(田中)】
この男、ヤリチンである。女好きというか、女を抱くことでトロフィーを獲得している気分を味わっているクズ。
いかんせんバスケなんかを嗜んでおり、当然身長も高い。顔はまぁ、そこそこだが、髪型で誤魔化せる程度のいわゆる雰囲気イケメン。
三号と同様、軽そうな女だと思うどころか、田中先輩からすれば、実際に噂も聞いている。そんなわけでヒナに声をかけ、愛の言葉を囁いたのがGW明け、ヒナが二年生の5月だ。
これまた、意外と身持ちの硬いヒナを勉強会と称して家に呼び出したものの、ベッドに並んで座って勉学に勤しんだのはたったの三十分。進学校の生徒にあるまじき学習時間だ。
イキリ立った田中がヒナを押し倒そうとしたところで、フィジカルモンスターの蹴りがボディに食い込む。そのまま逃亡したヒナは、なぜかケイタの家で晩御飯を食べていた。
正直、いくらフィジカルモンスターのヒナといえど、怖かったのだろう。
そんな時に行き着く先はいつもケイタのいる場所であるが、交際しているとはいえ「先輩に襲われた」なんて話したら、ヒナ以上のフィジカルモンスターが、檻に入るようなことをしでかすかもしれないので、ヒナは自分の被害を誰にも語らない。
だから、噂がどんどん一人歩きしていく。それでもヒナは具体的に事実を訂正できない。噂なら好きに広まればいい。
自分が自分なりに傷ついた真実だけは、ケイタの耳に入れたくなかった。
それが恋心ゆえのものか、暴走を防ぐためかは、ヒナ本人にもわかっていなかった。何せこの女。バカである。
しかし……ヒナの生み出すおバカループの根本は、もしかしたらケイタにあるのかもしれない。
◆ヒナのテーマは『◯◯』
嘘告リベンジの主要人物は皆、何かしら大きく欠損している部分が存在しており、それが物語を複雑にしています。
ヒナのテーマ『◯◯』に関しては、最終話公開後の人物紹介(2)にて明かします。
よかったら、皆様で予想し合って、コメント欄で発信してくれたら楽しいんじゃないかなって思います。
(返信は全員にしますが、正解かどうかは絶対に答えません。全て玉虫色の返事をする予定ですが、コメントが無いと私が滑ったみたいになるので、どうかご協力をよろしくお願いします笑)
また、最終話後の人物紹介(2)にて、「こんなことを教えて欲しい」みたいなことも、コメント欄に書いていただければ、可能な範囲で用意いたします。
◆おまけ:おバカ事件簿その1(小学校5年生時代)
「ケイタ! ヘラクレスオオカブトを捕まえにいくわよ」
「わかった。でもヒナ。日本にヘラクレスはいないはずだぞ」
「いる。絶対に!」
「そうなのか。そしたら捕まえに行こう。しかし、やけに自信がありげだな」
「そりゃぁね。聞いちゃったのよ。高橋の奴が、スーパーで買ったヘラクレスを逃しちゃったんだって!」
「そうなのか。バカだな。高橋」
「窓を開けたまま箱からだしたら『ぶぉーん』なんて、飛んでっちゃったんだってさっ!」
「そうか。かわいそうだな。高橋」
「だからチャンスよ! 捕まえて、飼ってみましょう」
「飼育セットはあるのか?」
「ないよ」
「じゃあ、どうやって飼うんだ?」
「ケイタがなんとかしてよー! とにかく捕まえるの!」
「そっか。なんとかしよう」
そうやって、山に入ったケイタとヒナ。ケイタの謀略により、高橋が逃してたヘラクレスオオカブトが再び自由を奪われたのは、午後9時のことだった。
ケイタが木にくくりつけた目印を辿り、山を降りると、大勢の大人が二人を捜索していた。
「バカ! 心配したんだから! 何やってたの!?」
ヒナのママはヒナとケイタを大声で叱りつけた。
「これ! ヘラクレス!」
「このバカっ——」
「あぁっ! 俺のヘラクレス!?」
社宅の大人たちと一緒にヒナとケイタを捜索していた高橋が声を上げた。
「高橋が逃したやつと同じ個体かはわからないけど、これは私とケイタが捕まえたヘラクレスだよ!」
「そうか……」
「まぁでも、飼おうと思ったけど、カゴが無いから高橋にあげるよ」
「ええ!? いいのか?」
「カゴがないんじゃしょーがないね」
「ええーありがとうな! ヒナ!」
「今度は窓を閉めときなさいよ」
「うん! ありがとうなヒナ! ケイタも!」
「おう(ヘラクレスオオカブトの飼育方法は、適切な温度管理とこまめなエサやりが基本……幅三十センチ以上の大きめのケースが——」
「ケイタ、何ボケっとしてるの?」
「いや、ヒナは優しいな」
「カゴがなきゃ飼育はできないからねぇ」
「そうだな」
◆おまけ:ケイタの暴走事件
小学校五年生のヒナとケイタは今日も二人で仲良く下校している。
小学校から彼らの住む社宅は片道二キロメートルあり、車道は整備されているとはいえ、街灯がほとんどなく、薄暗い場所もちらほら。
いかんせん、コンビニとコンビニの間隔が、歩いて十五分以上はある田舎だ。都心から出張してきた変質者が悪さをするには、心地の良い土地だったのかもしれない。
なぜこんな話をするかというと、近頃変質者が出没するということで、お便りが回ったところだからだ。
保護者が送迎するような家庭も珍しくはなかった。行きは登校班が編成され、PTAによる旗持ち等が安全を守っていたのだが、問題は帰りだ。
一人での下校は推奨されておらず、基本的に二人以上で帰ることになるが、友達のいない子はそうもいかない。
現に今もケイタとヒナから百メートルほど先に、赤いランドセルを背負った四年生の児童が一人で歩いている。
そんな下校時、ヒナとケイタが少しばかり、人通りも民家も少ない場所を歩いていると……。
「あぁっ!」
「ん?」
「ケイタ……あれ」
「あぁ。親が迎えにきてくれたのか。いいな」
二人の前を歩いていた女の子が車の横に止まっている。中の人と話しているようだ。呑気なことを話しているケイタをよそに、ヒナは走り出した。
「変態じゃないっ!? 助けなきゃ!」
「え!?」
ヒナとケイタの動きにまだ気づいていない獲物を狙う変質者は、勢いよくフロントドアを開けて少女を吹き飛ばすと、倒れる少女を連れ去ろうと急いで近づく。
「キャーーーーー! 変態ヨーーーー! ダレカタスケテーーーー!」
——ファアアアアアアアアアアアアン
助けを求める叫び声をあげ、防犯ブザーを鳴らしながら走り出すヒナ。
「ヒナ!? 待てっ! 危ないだろっ! 火事だああああああああああああ!」
少し遅れて瞬足を履いたケイタが、周囲に危険を知らせる奇声を上げながら、変質者に駆け寄る。焦った変質者は女の子を置き去りにして車に逃げ込もうとした。そこに——。
「オラアアアア!」
走った勢いでそのまま放ったヒナの飛び蹴りは、コートの下に何も身につけていない変質者を無様に転ばせたが……。
「がっ! このクソガキがぁっ!」
——ドゴッ!
「いっ……」
いくらヒナの発達が早く、運動神経も良いとはいえ、小学校五年生女子の蹴りは成人男性を昏倒させるにはあまりにも威力不足だった。逆上した変質者はヒナの顔面を殴り飛ばすと、そのままヒナに近づく——。
「——おい!」
——ドガァンッ!
ヒナより少しだけ遅れたケイタが、変質者の顔面を殴り飛ばす。変質者が怯んでいるのを確認してすぐに駆け寄ると、ヒナは顔を腫らして泣いていた。
「ヒナっ大丈夫かっ!?」
「ケイタぁぁぁぁ」
膝を擦ったのか、血が出ている。泣いてはいるが頭は打っていないようだ。しかし、初めて人を殴ったことによるアドレナリンとヒナを泣かせた変質者に対する怒りが、ケイタから冷静さを完全に奪い取った。
ハンカチをヒナに渡し、小学五年生にしてすでに160cmを超える程度には成長していたケイタはランドセルを投げ捨てると、顔を抑える変質者の顔面に蹴りを入れた。
「ヒナを泣かせたな……!?」
「……」
元々、小さな女の子をターゲットにするような変質者が、すでに第一次成長を遂げたフィジカルモンスターの幼体に敵うはずもなかった。
仰向けに倒れる変質者に馬乗りになったケイタは、変質者の鼻っ面をガードの上から何度も殴った。鼻血を出しても殴るのをやめなかった。何度も……何度も……。
「ケイタ! 死んじゃうっ! 変態が死んじゃうよっ!」
ガードする変質者の両腕から力が抜けて、地に着いた時。別の意味の危険を察したのか、先ほどとは少し違う意味の涙を流しながらケイタを止めるヒナ。
「ヒナ……大丈夫か?」
「ケイタ! 変態が死んじゃうよっ!」
「わかったから、落ち着け」
「ケイタァ! 変態がぁ! 死んじゃうよぉっ!」
「大丈夫。息はしている」
「バカああああああ!」
——ガチャっ!
ようやく通りかかった車が異変を察知したのか、先ほどまで虚しく鳴り響いていたヒナの防犯ブザーの音を聞きつけたのか……降りてきたのはサングラスをかけた男と根元が黒い金髪の二人組だが、ようやく大人が来てくれたようだ。
「坊主たちっ! 何やってんダ!? 大丈夫かっ!?」
「おいおい、どういう状況だこれは?」
拳を血で赤く染めた小学生の男子と、泣き叫ぶ女子二人。そして、仰向けで鼻血を出した顔がボコボコの変質者。
「この……変態が……、女の子を連れてこうとして……ケイタが……殺しちゃったああああああ」
「ええ!? 殺したのっ!?」
「いや、死んでは——」
「ケイタが捕まっちゃううううううううう!」
「落ち着けお嬢ちゃんっ! おらあっ!」
——ドゴォっ!
「ぐはっ!」
「お嬢ちゃん! 大丈夫だ! 変態は生きてるっ!」
「ケイタが捕まっちゃううううううううう!」
サングラスのヤンキーが警察を呼び、プリンの方が気絶したフリをしていた変質者を押さえつける。
ヤンキーたちはケイタから、ケイタとヒナの保護者、学校の電話番号を聞き出すと、それぞれに電話をかけて、状況を説明した。
母親達や先生は焦っていたが、警察が来たら集まる場所を指示するので、電話をすぐに取れるようにしておくことで、一旦は落ち着いた。
「やるなあ坊主! 彼女を守ったんだな! えらいぞっ!」
「……うあぁ」
「おいおい! お前まで泣き出したら俺たちが捕まっちまうよ! ははは!」
「ありがとうございます……」
「よく頑張ったな。かっこいいガキだ」
緊張の糸が切れたのか、泣き出したケイタを抱きしめて、その頭を優しく撫でるグラサンの拳には、何やら固いものを殴り続けたようなコブがあったが、それは別の話だ。
ことの顛末としては、この変質者の余罪が多数見つかったこと。現場を直接見ていたわけでもないヤンキー二人の証言により、切迫した状況であったこと。ケイタがまだ小学五年生で、変質者よりも体が小さかったことなどが加味されたのかどうか。
子供だったケイタとヒナにはよくわからなかったが、「子供だけで変質者に飛び掛かるなんて、危険なことをした」という小言を言われたくらいでお咎めはなかった。
こうして無事、子供達は家族の元に帰れたとさ。
めでたし めでたし。
……。
——もし、あそこでケイタを止めていなかったら……どうなっていたんだろう
……。




