第4話「特訓」
『奏汰くん、今回は100m加速して、その先にある三角コーンでサイドブレーキを引いてサイドターンをしてみて』
「わかりました」
メカニックの湊幸介がスタートの合図を出す。
弾かれたように走り出していく真っ赤なGRヴィッツ。
そして三角コーンが近づいてくる。
ブレーキを踏み、荷重のかかる場所を変え、一気にハンドルを切り込む。
そしてサイドブレーキをガッと引く。
少しのスキール音とともにヴィッツが反対を向く。
『OK!いい感じだよ!』
「大丈夫でした?」
『全然!初めてとは思えないきれいなターンだったよ!』
次の日。
ヴィッツがピットに止められる。
「じゃあ、今日はレッキしてみようか」
「れっき?」
「ペースノートを作る作業みたいなものだよね。」
「やったことないですけど大丈夫ですか?」
「全然大丈夫だよ。このステアリング使おう」
そう言って真紀が出したのは上部にテープが貼られ、数字が書かれたステアリング。
「ここに書いてある数字とステアリングの角度で読み上げてくれればペースノート作るから。この練習コースでレッキしてみよう」
「わかりました」
2人がコースに向かう。
『とりあえず次の周からやってみようか』
「わかりました」
1周した後、レッキを始める。
ステアリングを切り、その角度に合うテープを読み上げる。
「左、4」
『左、4』
次のコーナーが来る。
「右、2それでイン側に高い縁石」
『右、2でドントカットね』
レッキが進んでいく。
1周が終わる。
『よし、レッキ終了!じゃあこのあとはこれに合わせて走ってみよう』
「わかりました」
もう一度ヴィッツがスタート地点につく。
『5,4,3,2,1…GO!』
真っ赤なヴィッツが走り出していく。
『左4、ドントカット』
『右3、からの左5』
滑らかにコーナーを駆け抜けていく奏汰。
気づけば1周が終わった。
『フィニッシュ、お疲れ様』
そのままピットに戻ってくる。
そこではみんなが待っていた。
「いい速さだね。これなら東海ラリー県予選も十分戦える」
「本当ですか!ありがとうございます!」




