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ハイスクールラリースト!  作者: 銀乃矢


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31/41

第31話「大クラッシュ」

SS3、首都高の中でもレインボーブリッジなどを駆け抜けていく高速セクションが多いSS。


スタートゲートにつく。

奏汰の顔には少しばかりの不安があった。

『…ん、奏汰くん!』

「えぁあ、なんですか真紀先輩」

『どうしたの、さっきからなんか浮かない顔して』

「い、い、いや〜、な、なんでもないっすよ。」

言えない。ブレーキに異変があるなんて言えない。

言ったら絶対に止めてくる。

言わないでトラブルを起こしたらそれはそれで大問題になるけど…


簡単な話だ。僕がトラブルを起こさないように走ればいいんだ。


『さぁ、奏汰くん、行くよ!』

「はい」


スタートゲートにつく。

『5,4,3,2,1,GO』

弾かれたように飛び出していく。

1つ目のコーナー。

やっぱり効きが弱い。

若干のオーバースピードで進入する。


側壁にかすりながらコーナーを抜けていく。

「…やっぱりブレーキがだめだ…」


その不安を抱えたままレインボーブリッジのロングストレートに差し掛かる。

ここでこの車は時速200km/h近くまで加速する。

そして緩やかな右コーナーに差し掛かったその時だった。


フロントブレーキが抜けたような感覚がペダルから伝わってくる。

「…!?」

奏汰はとっさにギアを下げ、サイドブレーキを引き、減速行動をとる。

マシンはハーフスピン状態になり、右フロントから壁に激突する。

そして奏汰の真横も壁にぶつかる。


白煙を上げながら止まるヤリスS2000。

真紀も奏汰も気を失った。


その様子を見ていたサービスパークのメンバーたち。

「…」目の前の光景が信じられず、口を覆う穂乃果。

「奏汰…真紀…生きてるよな…?」

「何が起こったんだよ…」

全員が何が起きているか理解しきれていなかった。


「……ん…」

真紀が目を覚ます。

そしてすぐに状況を理解する。

「まずいッ!」

真紀はすぐにシートベルトを外し、マシンの外に出る。


トランクに積んである三角板と発炎筒を取り出す。

三角板を立て、その横に発炎筒を置く。


そしてすぐにマシンに戻り、奏汰の意識を確認する。

「奏汰くん!奏汰くん!」

反応がない。

「エンジンがまだ切れてない!」

とっさに真紀はエンジンを切る。

このダメージだとガソリンやオイルから出火を招く危険もある。


早く、気道が確保できるような姿勢にしないと…

そう思い、運転席側のドアを開けようとする。

しかし、先程の激突の際にドアが歪んでおり、開かなかった。

「どうしよう…」

その時、後続車のエンジン音が聞こえてきた。


「奏汰くん、ごめんね!」

真紀はまた三角板を立てた場所まで戻り始めた。

そして、後続の車両に減速を促そうとしていた。


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