第20話「テスト」
「テストしてみようか。あのクルマ」
「はい!」
練習用のサーキットに来る。
「マシンはまだ完成したばかりだからあまり飛ばしすぎないように。それと、今までのヴィッツと違ってダウンフォースも効くようになったからかなり高速でコーナーにも進入できるようになってるかも。」
「わかりました」
奏汰が乗り込み、コースに走り出していく。
ギアを1速ずつ上げていく。
「このシーケンシャルミッション、ギアが入りやすくていい。」
ストップウォッチを持った幸介が計測をしていた。
「このタイムか…」
感心したような幸介。
「速いの?」
「わかんね。」
全員がズッコケる。
「そりゃ、比較のタイムがないもん。」
「でも、データを見ると、奏汰くんがアクセルをかなり長い時間踏めているのがわかる。」
「それってつまり、ダウンフォースが効いてるってこと?」
「そうだね。」
「あいつにとって、最高の武器になるのは間違いない。」
真っ赤なボディのヤリスS2000がみんなの前を駆け抜けていく。
次のインターハイ県予選まであと1週間。
チームはマシンの熟成を進める。
産浜高校も愛豊高校のマシン乗り換えをかなり警戒していた。
「…」
パソコンで愛豊高校がマシンを変更したニュースを眺める昇也。
「先輩、どうしたんです?」
「あぁ、愛豊高校がマシンを変えたらしい。」
「あそこってHR-1クラスのチームですよね?なんで注目してるんですか」
「どうやら、GRヴィッツからヤリスS2000っていうクルマに乗り換えたらしい。」
「ヤリスなのにS2000…?」
「FIAのラリー規定にスーパー2000規定っていうのがあって、それに適合させたのが愛豊高校が乗るマシンなんだ」
「そういうことなんですね。それで、うちのアップデートの件なんですけど」
「あのアップデートはインターハイ行くことが決まってからでいいぞ。」
「わかりました」




