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ハイスクールラリースト!  作者: 銀乃矢


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11/24

第11話「トラブル」

SS4。

前半はほぼ直線で代わり映えのしない。

そしてゴールまで後少しとなった頃にヘアピンカーブが待ち構える。


ヘアピンに差し掛かる真っ赤なヴィッツ。

少しのサイドブレーキでリアを滑らせてハーフスピンに近い状態でコーナーを抜けていく。

やはり奏汰は滑らせるように、まるでカートを扱うようにヴィッツを操る。


そしてゴール。

『トップ維持!しかもSSの歴代最速タイム更新だって!』

「…だめだ…これじゃ…」

『奏汰くん?』

「あいや、なんでもないです。さ、サービスパークに戻りましょう!明日もまだありますから」

『そうだね』


ヴィッツがサービスパークに戻ってくる。

愛豊高校のメンバーたちが拍手で迎えてくれる。


「やったぞ!俺達、歴代のタイムも塗り替えてファステストだ!」

「せ、せんぱい、だからくるしいですぅ…」

「あぁ、わりぃわりぃ」

幸介が奏汰を離す。


「じゃあ、今日はちょっと贅沢なご飯食べに行こうか!」

「やったぁー!」

「マジすか!あざーっす!」


この日はみんなで地元のうなぎが食べられる店に行った。


最終日。

この日はSS5のみが行われる。

この最終SSはこの東海ラリー県予選のSSの中でも最長。

山を下り、市街地がゴール地点で、豊田スタジアムが表彰場所になっている。


『この長いSSが最後だよ。これ1番に行ければ勝てるよ』

「…わかってます。行きましょう。」


ゆっくりとヴィッツが走り出す。



SS5中盤。

ここまでトップで駆け抜けてきた。

「…まだ…まだダメ…まだ…もっと…」

奏汰はさらにアクセルを踏み込んでいく。

「奏汰くん、踏みすぎだよ…車が壊れちゃうかも…」


ゴールも近づいてきた頃だった。


加速し始めた瞬間、フロントから大きな異音が聞こえてきた。

「しまった…!?」

『奏汰くん止まって!止まって!』

「嫌!まだいけます!」

そう言ってアクセルを踏み込もうとする。

しかしさらに異音が大きくなる。

『奏汰くん!本当に止まって!もうこの音はダメ!走れない!』

「…」


愛豊高校のGRヴィッツがコースサイドに止まる。

『奏汰くん、とりあえず三角板出して、OKの紙をトランクに貼っておいて!』

「…」

『奏汰くん!』


車も、自分の体も動かない。

自分が車を壊してしまった。

その事実がショックだった。


その間に真紀が助手席から飛び出し、OKの紙を持ち、トランクから三角板を取り出す。

このOKと描かれた紙はWRCでも使われており、これを貼っておくことで後続に情報を伝達する。

奏汰はその間も動かない。

動けない。


「奏汰くん!運転席にいたままだと危ないよ!降りて!」

やっと状況を飲み込み始める。

「あ…自分、車壊したんだ…」

「そんなことはいいから早く降りて!後続もすぐ来ちゃうから!」

そんなことを言っているとエンジン音が聞こえてきた。

それを聞いて奏汰もやっと体が動く。


真紀の介抱のもとマシンを降りてすぐ、後ろからデミオが通過していく。

そのデミオに真紀はサムズアップで無事を伝える。


そしてまた奏汰はその場に座り込んでしまう。


真紀は持っていたスマホで他のメンバーがいるサービスパークに連絡を取る。

「先生、ごめんなさい、何かが壊れて、走行が完全に不可能になりました」

『何が壊れたか、直接はわからない?』

「現状はわからないです。でも、フロントセクションから聞こえてきたので、おそらく駆動系だと思われます。」

『わかった。とりあえず全車の走行が終わったらレッカーが来るからそれまでそこで待機してて』

「了解です」

最後のマシンの通過後、確認用のメディカルカーが駆け抜けていく。

その時、そのうちの台が止まり、奏汰たちの容態を確認する。

真紀が2人は大丈夫と伝え、その後に来るレッカー車を待つ。


すると、JAFのようなレッカー車が来た。

それにヴィッツを連結させてサービスパークに向かう。


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