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雨花追い御伽噺  作者: 左傘 蕨
三章 おしまいに向かう御伽噺。
21/22

幕間 サツキ

暫くぶりですね。

しかし今回はとても短いです。


さて。本日はサツキちゃんのお話。

「随分と汚れたなぁ」

ゆらゆらと木漏れ日が降り注ぐ明るい森の中。

キラキラと光を跳ね返す小さな泉のほとり、サツキはそこにいた。


苔むした彼女の膝くらいまでの高さの石にそっと手を伸ばす。そしてゴシゴシと手で石の表面を拭った。

拭ったところに現れたのは少し風化して薄れかけた文字。


それは名前。


「済まないな、花を持ってくるのを忘れてしまったよ」

現れた文字をサツキは愛おしげに撫でる。

そこには様々な思いが込められていた。


「もうすぐ、来るぞ」

サツキはよっこらせ、と立ち上がった。

「もうすぐ、セロ達がやっと来る。……長かったなぁ。お前が死んで、もうどれだけ経つだろう?……まぁ、妾からすればほんの数日に等しいが、な」



優しく優しく、悲しげに。

「なぁアヴェルラ」





「ちゃんとお前は、幸せだったか?」


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